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ワーグナー「トリスタンとイゾルデ」「神々の黄昏」からの情景

2005年07月06日 00時25分31秒 | クラシック(一般)
 ナクソスから出たちょいと変わったワーグナーの「トリスタン」と「神々の黄昏」からの抜粋盤。本日、ショップのぞいたら並んでたもんで即購入してきました。前者は第2幕の第1場、第2場、後者はオーラスの「ブリュンヒルデの自己犠牲」のところを収めている訳ですが、珍しいというのは前者で、なんでも演奏会ヴァージョンらしく、第2場のラストでそのまま、第3幕に突入しないで、「愛の死」の最後につないでいるんですね。これがいい、もう最初からこうなってるんじゃないと思うくらいにうまくつながってます。
 物語的にはともかく、音楽的にはこうすることで、調性的に解決する訳ですし、一個のまとまった作品として完結した印象を受ける点が大きいです。帯にも書いてありますが、「トリスタン」マニアにはうれしいヴァリエーションですね。これまでもスココフスキーの編曲版だとか、コチシュのピアノ版「前奏曲と愛の死」なんかを喜々として聴いてきた私としては、また楽しめるアイテムがひとつ増えたという感じです。

 なお、歌はイゾルデとブリュンヒルデ役にマーガレット・ジェーン・レイというソプラノが起用され、トリスタンがジョン・ホートン・マレイ、ブランゲーネにナンシー・モールツビーという配役、演奏はジョン・マクグリンとロシア国立交響楽団となっています。
 どうやらオケ以外はアメリカ勢らしく、しかも2001年の収録とあって、さすがにベームやカラヤン、そしてフルトヴェングラーといったいにしえの巨匠のレコードで、この曲に魅了された私としては、この配役、演奏は、今風に低カロリーでスマート過ぎる感じがしてしまうのですが、その中ではマーガレット・ジェーン・レイだけはさすがにワーグナー歌いらしく、伸びやかな美声でな恋するイゾルデを堪能させてくれます。第1場のほとんどでずっぱりで、恋い焦がれる心情を切々と歌うあたりは、なかなかのもの。パレンボイムの指揮で歌ったヨハンナ・マイヤーを思わせるところもあり、なんか久々に聴き惚れちゃいました。

 それにしても、この曲に充満する恋愛の陶酔感ってのはやっぱ凄い。昔は誰か好きになるときまってこれ聴いてましたなぁ(大笑)。
コメント
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