今日お預かりしたのは Philco の Seventeener Ⅲで同社の Predicta シリーズと同様非常に奥行き
の小さい (薄い) ブラウン管が使われている17インチの真空管式白黒テレビです。今日は輸送中
の問題がないか確認しただけですが明日以降取り掛からせ頂きましょう。 この種のテレビの修
理、改造に付きましてはこちらの HP https://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/ からお問い合わせ下さい。
確かこのモデルの第一世代は1950年代末に発売されたと記憶しておりますが今回の第三世代は
何年に発売されたのか目下不明です。
右上に在るセメント抵抗はカビが生えた様な状態で一部が下に落ち真空管の頭に積もっていた。
4月10日 朝からレストアに取り掛り何とか動作しだしたが垂直の直線性が悪く、また水平の
同期が不安定だった。 他に輝度の直線性にも問題が見られたがこれは CRT のエミ減の可能性
が高い。 折角撮影した画像データを仕事場に忘れて来たので明日アップ致します。
4月11日 コンデンサを交換したり各部の調整を行い略満足出来るレベルとなったが輝度の
直線性の悪さはブラウン管のエミ減に依るものでこれは如何ともし難い(米国に送り再生する
方法は有るかも知れないが)上下の画像に見られる様遠目には問題は無さそうに見えるが。
一通り調整も終えこれで終わりかと想ったところが 5-13Chでは問題が無かったが 4Ch以下で
問題が見付かった。 局発用真空管のエミ減、トランジスタの hfe の低下等で低いチャンネル
が機能しなくなることはこれまでに何度も経験したがどうも今回の問題は別の様でアレコレ
調べたところ何と 4-5Ch間のコイルが断線して (半田付けが取れて) いた。 このコイルを直し
DVD の出力をビデオコンバーター経由で (4Ch) で入力したのが下の画像で一安心。 しかし真空
管テレビの宿命とも云えるが温度上昇(時間経過)に依ってファインチューニング、水平/垂直
同期の最良点が変化するのにはご注意頂きたい。 *以前修理したテレビの持ち主から最初綺麗
に映っていたが数日後画質が悪くなったとのご連絡を頂きファインチューニングの調整はと伺
った時にそれは何かと聞かれ我々の世代では当然のことが若い方には当然では無いことに気付
かされたのでした。