県外の大倉沢出身者も協力
地域の伝統と文化の根源を知りたい、と思っている方は多い。このほど守門・大倉沢集落の有志が中心となって『守門岳と大倉沢の伝統文化』が出版された。
地元集落で語り継がれてきたことを子々孫々に伝え残したい。そんな想いを持った集落の人達が集い、約1年半の歳月をかけて編集し、8月14日には出版祝賀会が開かれた。
内容は、集落出身者の寄稿とともに、十二山神社と弓引きの謎、鳥追い・かまくら行事の発祥の謎、二十三夜様、庚申講、縄文時代の生活など多彩。塞の神(サイノカミ)は、小正月に行われる行事だが、大倉沢ではワラで作った男女2体のご神体が作られ、村落の境界を守護する神、夫婦和合の神であることなどが、文献を各行事について詳細に調査した結果がまとめられている。
編集委員長の星野桂雄さん(守門岳と大倉沢の伝統文化を研究する会 代表)は、「集落の伝統文化を後世に伝え残すことで、郷土の発展に寄与したかった。予想以上の出来映えで、多くの方に喜ばれてうれしい。調査された方々に感謝したい。」山田隆一さんと佐藤光雄さんは、「残したい集落のできごとをまとめることができた。郷土と集落を愛し、発展を願って努力した成果が一冊に実った」と、埼玉在住の小幡光三さんら県内外の多くの協力者を得て集落誌を完成させた喜びを語った。
同集落出身の豊島区在住の大塩あき子さんは「本を手に取ると、熱いものを感じ涙が出るほどうれしい。関東在住の出身者とともに喜び合った」と、従兄弟の椿 実さん制作の小冊子を元に弟の椿 信夫さんが原案をパソコンでまとめた経緯を語った。1575円。小出郷新聞社刊(《電》792-0101)、魚沼市内の書店等で販売。