積極的な啓発活動評価され
魚沼市は、全国に先駆けて子宮頸がん予防ワクチンの全額助成を表明し、地元医師会との連携を図る中で啓発活動に積極的に取り組んだことが評価され、子宮頸がん征圧をめざす専門家会議の第1回「子宮頸がん予防活動奨励賞」を受賞することになった。
子宮頸がん征圧をめざす専門家会議(通称=子宮頸がんゼロプロジェクト)は子宮頸がん征圧をめざし専門の枠を超えて医師、専門家、患者団体、企業が力を合わせ、多面的な視点から社会・行政に向けた提言を行い広く活動している。同賞は「検診」と「ワクチン」のさらなる普及を目指し創設されたもので、子宮頸がん予防活動の実績や成功例を広く公開することにより他団体等の活動に活かしていくため、子宮頸がん予防に取り組む団体・個人を表彰するもの。
魚沼市は平成21年12月、大平悦子市長が市議会一般質問の答弁で全国に先駆けて子宮頸がん予防ワクチンの全額公費助成を公表。22年3月には対象児童と保護者に説明会を開催したが、少人数しか参加を得られなかったことから4月には市内全中学校のPTA総会に医療関係者と保健師が手分けをして出席し説明を行った。また、6月には自治医科大学附属さいたま医療センター産婦人科の今野良教授らを講師に招き市民公開講座を開催し約350人を集めた。同年10月には保護者の強い要望に応え中学3年生に助成を拡大、ワクチン接種の国の補正予算が決定すると、さらに高校1年生まで助成を拡大した。これら取り組みにより22年6月から始まったワクチン接種は任意接種であるにも関わらず順調に接種率が向上し最終的には97・7%にまで達している。
受賞について大平市長は「医療関係者と行政が一体となって啓発活動に取り組んだことが90%以上の接種率につながった。活動を認められて大変うれしい。今後も引き続き接種対象者や保護者に安全性と有効性を正しく伝えて接種を促す啓発活動に取り組んでいきます」と喜びを語った。
第1回の同奨励賞を受賞したのは魚沼市はじめ7つの市町村。今月28日には東海大学校友館で表彰式が行われる。