寄稿
魚沼市 中村巌
去る八月三十日から尾瀬が日光から切り離され、我が国二十九番の国立公園として独立発足した。
その誕生を記念してこの処、群馬県や福島県と共に県でも様々なPRをしており特に玄関口の一つである我が魚沼市も“尾瀬ルート活性化委員会”を立ち上げキャンペーンに力を入れている。
来る九月十五日には小出郷文化会館に於いて登山家の田部井淳子氏やタレントの大桃美代子氏を招き、トークショーを開き、大ホールでは記念コンサート等のイベントも催される。
(一) 尾瀬への行き方
何しろ尾瀬といえば“遥かな尾瀬”と唱和にも唄われ全国的にも名立たる自然の景勝地であり知らぬ人はいない。国の天然記念物の指定を受けた尾瀬は、ブームを迎え環境庁も本腰を入れて自然保護に力を注いだがしかし十五年前頃には六十万人余の入場数が平成十五年頃から三十万に減り出し昨年は三十万余だったそうである。その内、群馬県の鳩待口からは至仏山経由を含めて約六十%で圧倒的に多く福島県桧枝岐御池口からは燧ヶ岳経由を入れても約半分の三十四%である。
その御池口でも銀山平経由は僅か五%程度しか入っておらず新潟県からは至って少ない。関東圏からすれば群馬県片品村から入るのが最も交通の便がいいと思われるが又、浅草からも会津高原駅まで三時間でバスに乗り継ぎ一時程で沼山口まで着ける。その点新潟県からでは些か遠回りの感があり、マイカーでなければ只見湖経由では、到底日帰りは無理である。時間のゆとりがあれば、遊覧船で只見湖から鷹ノ巣経由も風流で一石二鳥だが、一泊は必要である。
しかも三五二号線は道中が狭くカーブが多いため、不慣れな人は容易でない。定期バスなど利用者も少なく望んでも無理だが先日魚沼市の観光課を訪ねた処、去年から浦佐駅から小出駅経由で沼山口迄市内のタクシー会社が小型マイクロで一日往復していることを初めて知った。前もっての予約制だが、一人六千円で沼山口まで往復できる。その尾瀬専用車は“さわやかタクシー”といい、九人の相乗りだが一人でも引き受けるらしい。沼山口へ着くのが昼近いが、帰り迄四時間あるので尾瀬沼迄ならゆっくり往復可能である。
免許がない方は勿論だが、もしマイカーで行く事に自信のない方はガソリン代や御池の駐車料金(千円)やシャトルバス代(往復千円)を計算すると一人だとかなり安上がりとなる。何れにしても小出から八十キロ位の距離だから御池迄二時間前後で行ける。マイカーなら朝少し早めに出掛ければ楽々と尾瀬沼を一周(約二時間)して帰ってくる事ができる。