先日の「子メロンづくしのフルコース試食会」の時、
参加した食関係のボランティア団体の方たちから
「子メロンの栄養価は?機能性は?」
という質問が出ました。
残念ながら、子メロンの栄養価の分析は行われていません。
これは、まだ子メロンが
「食品」として認められていない証拠です。
メロンを栽培している地域では、
摘果した子メロンを漬物などの加工品に利用していますが、
あくまでもメロンの副産物としての扱い。
メロンの分析は行われても、その「おまけ」の分析は
必要ないと思われてきたのでしょう。
ただ、ウリ科ということから考えて、
カリウムが豊富ということは想像できますが・・・。
その質問した女性いわく、
「例えば、きゅうりと子メロンが並んでいて、
子メロンの方が栄養的に優れているとわかれば、
間違いなく子メロンを選ぶけど・・・。」
いや、ちょっと待った~!!
そりゃ、違うだろ!!
確かに、情報番組を通じて
私たちは野菜の健康効果、美容効果に詳しくなりました。
でも、昔の人は
「リコピンが美肌を作ってくれて、老化防止効果があるから
トマトを食べよう。」
とか
「カルシウムがたっぷりだから、小松菜を食べよう。」
とは考えなかったはずです。
もっとシンプルに、
「おいしいから食べよう。」
「今の時期は、この野菜がたくさん採れるから、
工夫して食べきろう。」
とか考えたはずです。
もっと大昔の人は、
「この植物は食べても大丈夫かな?」
という命がけのレベルで、
食べ物を選択してきたはずです。
近年、野菜・果物の品種改良でも
機能性というのは重視されています。
それほど、消費者は食べ物の持つ健康効果に
高い関心を示しているのでしょう。
野菜がそのような健康効果を持っているのは確かですが、
でも、野菜は「栄養素の詰まった箱」ではありません。
食べ物です。
栄養素だけを摂り入れたいのであれば、
サプリメントを飲めば済むことです。
もう一度原点に返りませんか?
野菜をおいしくいただくと、
私たちに必要な栄養素がもれなくついてくる。
それで十分なのではないでしょうか?
その順番が逆になると、
私たちの暮らしはずいぶん味気ないものになると思うのですが・・・。