昨日、マックスバリュさんで買い物をしてから、隣の西武ショッピングセンターさんの最上階にある本屋さんに行きました、本を買うためではなく本屋さんの片隅にあるカフェと称される場所で一杯120円也のコーヒーを飲むためです
飲み終わって、最上階の広場をうろうとしておりましたら、絵の展覧会をしておりました、展覧会と申しましても、小学生たちの絵を並べたものです
「日吉大社写生大会」で描かれた絵が数十枚飾られています、日吉大社というは比叡山の麓にある、「古事記」にも記載があるという、全国に約2,000社ある
日吉・日枝・山王神社の親分でもあるとされている、古い神社です、この神社の境内を描いた作品が展示されておりました
境内の鳥居や社や石段や木々などが描かれており、描いた子どもの名前と○○○賞という賞の名前が付されています
小学校一年生から六年生、学年があがるにつれ、みなさん、写実的になった上手になっていくのですが、学年があがるにつて、行儀が良くなり、絵の勢いが減衰して、面白みに欠けていきます、
まあ、エラそうなことは申しませんが、こどもたちをすぐに型にはめようとする日本の教育の欠陥を目にする思いがいたしまた
5年生か6年生の絵のなかに、建物を若干グニャグニャにデフォルマメしたものがありましたので、これは若干面白いなあと一瞬思ったのですが、似たような作品が何枚かありましたのでがっかりしてしまいました、これはおそらくオトナの入れ知恵があったのでありませう、見た通りに描かなくてもいんだよ、ちょっとデフォルメしたらなんて言われて、ハイ、ということを聞いたのでありあませう
なんかもうひとつだなあ、こどものくせに元気が足りんなあと思いながら一番下の段に飾られている絵に目をうつしました、そうしましたら、とつぜんGGI、目からウロコが落ちました
今夜の写真はGGIの目からウロコが落ちてしまった絵を撮ったものです、二年生の作品です、ぜひクリックしてご覧くださいませ
エッ!これはミロの作品じゃないのか?スペインが誇るシュルレアリズムの画家ミロの絵じゃないの?この絵には神社を連想させるものは何一つ描かれておりませぬ、何を描いたのかも判然といたしませぬ、でも軽やかで自由な曲線と明るい色彩、そしてその見事なデフォルメぶりはミロそのものでありまする・・・・
ミロ、すなわちジョアン・ミロ(1893~1975)は、ご存知の方も多いかと思いますがスペインはカタルーニャア地方出身のシュルレアリスムの画家です、ウイキペディアさんによりますと「ミロの描く人物、鳥などを激しくデフォルメした有機的な形態、原色を基調にした激しい色使い、あふれる生命感などは、古典的・写実的描法を用いることが多い他のシュルレアリストの作風とは全く異なり、20世紀美術に独自の地位を築いている」ということになっております、
この説明文、「激しくデフォル」は「自由自在にデフォルメ:、「激しい色彩」は「鮮やかの色彩」が正しいと思うのですが、そんなことはともかく、何と申しましても、軽やかな音楽を連想させる自由自在に描かれた曲線と鮮やかな色彩がとても魅力的であります、GGIはダリやキリコの絵も好きなのですが、抽象画といってもよいミロの絵も大好きです
GGIの目からウロコが落ちたのは、小学校二年生の作品でありました。小さな子どもは天才なのです、それが長じるにしたがって、大人に気に入られようと色目を使うようになってしまうのです、そのことを促進しているのが学校教育であるといっては言い過ぎでありませうか
この小学一年生の絵を眺めておりましたら作家の堀田善衛氏がかつてスペインに滞在していたときのエピソードを思いだしました、氏がカタルーニャはバルセロナの美術館で絵を見ていたときのことです。絵を見ていたら、小学生の一団がやってきて、「この絵はデフォルメがいい云々」などとと口ぐちに言っているのを耳にして、氏はさすがミロやダリなどのシュルレアリストを生んだ土地柄だなあと驚いてしまったそうであります
かようなしだいで、この絵を描いてくれた「石丸君」がそのまますくすく成長することをお祈りいたします
ミロの絵をご存知ない方は、たとえば以下のサイトをご覧くださいませ
http://www.allposters.co.jp/-st/Joan-Miro-Posters_c31999_.htm?aid=39972278&DestType=12
グッドナイト・グッドラック!