UGUG・GGIのかしこばか日記 

びわ湖畔を彷徨する独居性誇大妄想性イチャモン性前期高齢者の独白

日本近現代史のお勉強・・・「日本切腹、中国介錯論」・・

2015-01-24 02:01:33 | 日記

今夜は歴史のお勉強です

 「それでも、日本人は《戦争》を選んだ」という本があります、加藤陽子という東大の歴史の先生が歴史に関心がある高校生を相手に、なぜ日本が日清、日露、第一次世界大戦、満州事変、日中、太平洋戦争を戦うことになってしまったのかを歴史的事実に基づいて語り、高校生と意見を交わした内容を本にしたものです(2009、朝日出版社)。なかなか面白いというかユニークなであり、鶴見俊輔氏が「目がさめるほど面白かった。こんな本がつくれるのか?」と評されています

 このなかに「日本切腹、中国介錯論」なるものが紹介されています。この論を唱えたのは、日本が1941128日、つまりGGIご生誕の半年後、真珠湾攻撃を行ったときに、蒋介石率いる中国国民政府の下で駐米大使を務めていた「胡適」という人物です

 胡適は1937年、日中戦争が始まったときにこの論を唱えました。以下にその内容をこの本から引用します

 「中国は絶大な犠牲を決心しなければならない。この絶大な犠牲の限界を考えるにあたり、次の三つを覚悟しなければならない。第一に、中国沿岸の港湾や長江の下流地域はすべて占領される。そのためには、敵国は海軍を大動員しなければならない。第二に、河北、山東、チャハル、綏遠、山西、河南といった諸省は陥落し、占領される。そのためには、敵国は陸軍を大動員しなければならない。第三に、長江が封鎖され、財政が崩壊し、天津、上海も占領される。そのためには、日本は欧米と直接衝突しなければならない。我々はこのような困難な状況下におかれても、一切顧みないで苦戦を堅持していれば、二、三年以内に次の結果が期待できるだろう。(中略)満州に駐在した日本軍が西方や南方に移動しなければならなくなり、ソ連はつけ込む機会が来たと判断する。世界中の人が中国に同情する。英米および香港、フィリピンが切迫した脅威を感じ、極東における居留民と利益を守ろうと、英米は軍艦を派遣せざるを得なくなる。太平洋の海戦がそれによって迫ってくる。

 以上のような状況に至ってからはじめて太平洋での世界戦争の実現を促進できる。したがって我々は、三、四年の間は他国参戦なしの単独の苦戦を覚悟しなければならない。日本の武士は切腹を自殺の方法とするが、その実行には介錯人が必要である。今日、日本は全民族切腹の道を歩いている。上記の戦略は《日本切腹、中国介錯》というこの八文字にまとめられよう」

 この話を聞いていた高校生の一人が「すごい・・・」と絶句しておりました、GGIも絶句いたしました、日中戦争は始まる時点で、ここまで見通していたとは・・・慧眼とはこのようなことを言うのでありませう

 今夜の写真は《それでも、日本人は「戦争」を選んだ》の表紙です、よろしければクリックしてご覧くださいませ

 グッドナイト・グッドラック!