透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

「紫式部ひとり語り」

2022-12-09 | A 読書日記



 再来年のことを書くと鬼に大笑いされるかもしれないが、まあいいか。2024年の大河ドラマのタイトルは「光る君へ」。『源氏物語』の作者、紫式部の生涯を描く作品だという。脚本は大石 静さん。どのような物語に仕立て上げられるのだろう。

今年(2022年)、読まずに死ねるか本の『源氏物語』を読むことができた。 関連本も読もうと思っている。

『紫式部ひとり語り』山本淳子(角川ソフィア文庫2020年)を書店で見つけた。

カバー裏面の本書紹介文を引く。**「この私の人生に、どれだけの華やかさがあったものだろうか。紫の上にちなむ呼び名には、とうてい不似合いとしか言えぬ私なのだ」―。今、紫式部が語りはじめる、『源氏物語』誕生秘話。望んでいなかったはずの女房となった理由、宮中の人付き合いの難しさ、主人中宮彰子への賛嘆、清少納言への批判、道長との関係、そして数々の哀しい別れ。研究の第一人者だからこそ可能となった、新感覚の紫式部譚。年表や系図も充実。**

この紹介文を読めば、読みたくなる。著者が紫式部になり切って、引用文中に書かれているいくつかのテーマについて語っている。これはおもしろそう。道長との関係についてはどのように語っているのだろう・・・。


『私が源氏物語を書いたわけ』が文庫化されたのがこの『紫式部ひとり語り』だと分かった。それで何となく読んだような気がしていたのか・・・。著者が同じだということは分かっていたけれど。2011年に読んでいて、ブログに記事を書いているが、その結びに次の様に書いている。

**紫式部は「源氏物語」を心の支えに生きていこうと考えて書き始めたのだ。 人生の寂しさを酒で紛らすというのは演歌の世界、私のような俗人のすること。紫式部は「源氏物語」という世界で何にも縛られずに自由に生きた・・・。**

この時はまだ『源氏物語』を読んでいなかった。今、再読すれば新たに気がつくこともあるだろう。