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■ 北安曇郡松川村板取(板取公民館のすぐ近く)の火の見櫓と消防団詰所。安曇野ちひろ美術館の東方約1kmのところにある。
火の見櫓の高さは17、8mくらいか。
高い火の見櫓ではこのように踊り場にも半鐘を吊るすことが少なくない。後から付けられたと思われる。踊り場の櫓の造りは脚部と似ている。
脚部の様子。繰り返し書くが基礎部分までアーチ材が届いていないと、どうも落ち着かない・・・。詰所の壁面に消防信号板が取り付けられている。
安曇野市穂高有明(富田公民館の隣)の火の見櫓
■ 昨年までは火の見櫓の所在地をきちんと把握していなかった。人の基本的な情報として、住所と年齢、職業が挙げられるが、火の見櫓もやはり所在地をきちんと押さえておくべきだと反省、今年からは所在地が分かるようにしたい。建設年は銘板があれば分かるが、無ければ近くに住む年配の方にヒアリングするしかない。これは限られた観察時間では難しい。
今回は昨年の暮に観察した穂高の火の見櫓。奥に写っているのは冨田公民館。
3角形の櫓に8角形の屋根は少ないタイプ見張り台は円形。櫓のブレースは4段。高さは12、3mくらいか。
4つのスピーカーがうっとうしい。この火の見櫓も本来の使命を終えている。屋根のデザインはごく一般的。だいぶ錆びているのが気になる。見張り台の手すりはシンプルなデザイン。
脚部は直線材のみで構成されたトラス。
写真の左側に仁王門の屋根が写っている。 撮影 20120102
■ 今年最初に取り上げるのは善光寺の仁王門脇に立っている火の見櫓。昨年の初詣の際にも観察しているので、2回目となる。
櫓は上方へ直線的に絞られているが、これは古いタイプによく見られる。ブレース材には丸鋼ではなく、等辺山形鋼と平鋼が用いられ、交叉部をリベットで固定している。よく見ると鋼材の接合部にはすべてリベットが用いられている。
戦後、リベット接合は次第にボルト接合に変わっていくことと、よく似たタイプの火の見櫓が長野県庁のすぐ近くにあって(下の写真)、昭和5年という竣工年を記した銘板が付けられていることから、この火の見櫓も戦前に建てられたものと推測する。
脚部の様子。
分団詰所・器具置場のデザインは善光寺の参道という立地を考慮したものであろう。