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透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

対馬の倉

2009-08-09 | g 蔵観察・蔵考〇


民家 昔の記録 対馬の倉(8109) *蔵と倉を使い分ける。

 屋根を石で葺くことは別に珍しいことではない。諏訪地方の鉄平石一文字葺きや菱葺き、宮城県の北部、女川あたりの玄昌石うろこ葺き(現在復元工事中の東京駅の屋根にいままで使われていた玄昌石の産地もこのあたりではなかったか)、新島の抗火石葺きなどについては既に取り上げた。実は対馬の倉についても既に書いているが、再度取り上げる。

福岡で行われたある学会の大会に参加した際、「ついで」に対馬を訪ねた。もう随分昔のことだ。小型飛行機が随分揺れて怖い思いをしたことを覚えている。

屋根の平面(ひらめん)には驚くほど大きな石*を使っている。棟の部分の雨仕舞がやっかいだが、何層も細長い石を重ねることで処理している。



石葺きは耕地に恵まれない対馬で穀物をきちんと保存するための知恵だという。石の重量が半端ではないからかなり丈夫に造る必要があり、実際には倉の多くは草葺きで、完全に雨を防ぐことが出来なかったということだ。

柱が1.8mピッチに並んでいなかった。確か1.5m位の間隔だったと思う。屋根の重量を支えるためかもしれないが、場所が対馬故、あるいは朝鮮半島の影響を受けているのかもしれない。異文化を感じる。

関心は海外にまで及ぶ・・・。

貢岩質の粘板岩(『地域と民家 日本とその周辺』杉本尚次/明玄書房1977年発行 による)


 

コメント (2)
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