■「バイオマス」というと最近まで家畜の排泄物や食品廃棄物(生ゴミ)から発生するメタンガスを利用して熱や電気エネルギーを供給するシステム、と理解していた。しかし実はもっと対象のひろい「生物資源」全体をさす概念であることを知った。今までの不明を恥じるばかりだ。
ネットで調べてみると「再生可能な、生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの」と定義されている。ということで「木」も含まれている。
建築するときには鉄やアルミ、石油を原料とする材料など少なからぬ資源消費を伴う。これらの地球埋蔵資源は「総量」がきまっている。ところが「木」は伐採して利用したあと植林して育てれば再び使うことができる。本来の意味で再生可能な唯一の建築資源だ。また「木」はエネルギーとしても利用できる。そう薪(熱エネルギー)として。
最近、薪ではなくて間伐材や廃材などを利用したペレットを熱源とするストーブやボイラーを設置する例が見られるようになってきた。
先日紹介した大町の住宅、床屋天井にはムクの根羽杉が使われ、リビングには暖房用のストーブ(ペレット、薪どちらでも可)が設置されている。仕上げ材と燃料、どちらも「木質バイオマス資源」だ。
利便性、経済性に押し流されて木に代表される自然素材や薪を使うかまどや風呂などが住宅から消えて久しい。
地球的な規模での資源枯渇、その対策の必要性が指摘されている。ここで数十年前の生活に戻って資源の消費を減らそう、というのはたぶん無理だろう。
でも少し「エコ」な生活をしようという意識を明確にもってそれを実践すること、これは宇宙船地球号の乗組員の責務だということに異論、反論はあるだろうか。スウェーデンのヴェクショー市では「化石燃料ゼロ宣言」をすでに10年くらい前にして、バイオマスへの転換を目指しているという。
もう一度自分の住まいを造るという機会がもしあれば、エコロジカルな住宅を考えよう。私にはその機会はまずないと思うけれど・・・。
忘れていた、こんな講座の本を購入していたんだ。未読じゃないか、少し読もう・・・。