■ 七夕。
織女(こと座のヴェガ)と牽牛(わし座のアルタイル)の年に一度のデートの日。ふたりは16光年も離れて生活しているらしい、ってことは会うのに要する時間は・・・?
北杜夫の『幽霊』新潮文庫 はこう始まる。**人はなぜ追憶を語るのだろうか。どの民族にも神話があるように、どの個人にも心の神話があるものだ。その神話は次第にうすれ、やがて時間の深みのなかに姿を失うように見える。(中略)そっと爪跡を残していった事柄を、人は知らず知らず、くる年もくる年も反芻しつづけているものらしい。**
先日かつての同級生を夕食に誘った。食事だけのつもりだったのだが・・・。観光客にも人気のカレー屋が休みだった。で、ラーメンが旨いある大衆食堂に入った。 「今日はもう残業は止めよう、ビールを1本飲もうか」よくあるパターン。1本が2本、2本が3本・・・。
彼が語り出したのは高校時代(あのころ)の追憶。ひとつ下の学年の娘(こ)にぞっこんだった、というよくある話。昔の出来事はよく覚えている。ついこの間の事が思い出せないというのに。
「あの思い出だけで生きていける」なんてたったビール3本で言ってしまっていいの。なんだか俵万智みたいだな・・・。 ○○君、また食事しよう。