とだ九条の会blog

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田母神前空幕長問題(3)

2008年11月15日 | 国際・政治

昨日に引き続き、田母神前空幕長問題についてその後、明らかとなってきた点を見ていきたいと思います。(文責:サイト管理者)

<防衛大教科書で侵略戦争正当化>
防衛大学校で必修科目となっている「防衛学概論」で使用される教科書『防衛学入門』が、第二次世界大戦について「自衛を基本とし権益の増大とその衝突」などと記述されていることが分かりました。
日本政府の立場に反して、「日本は侵略国家ではない」とした論文で更迭された田母神前空幕長の論旨とも類似する内容になっており、防衛大学校の歴史教育が改めて根本的に問われる問題であり重大です。

この『防衛学入門』は、安倍内閣当時の2007年3月に、同大学校防衛学教育学群国防論教室によって編纂されたもの。
同書の「はしがき」では「防衛大学校において教育する防衛学の全体を範囲とし、4年間の教育期間に取り扱う防衛学各分野を総合したもの」として、「安全保障」「現在の戦略」「わが国の防衛と自衛隊」など全7章、143ページで構成されています。

内容として、第4章第2節の「世界戦争史」では第二次世界大戦までの戦争について「苦役的・刑罰主義的なヴェルサイユ体制下に置かれたドイツにおいて、民族主義が燃え上がって報復を決意するのは当然の結果であった。また、この熱狂的な民族主義は、イタリア、日本、スペイン等に伝搬していった」などと記述し、ヒトラーのナチスドイツや日本軍国主義の侵略を正当化した内容となっています。

さらに、第4章第3節の「日本戦争史」では、日本の過去の戦争を「日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦、満州事変、支那事変及び大東亜戦争」と太平洋戦争を当時の呼称のままで表記しながら、それらの「戦争原因は欧米列強によるアジア侵略からの自衛を基本とし権益の増大とその衝突であり」と明治以後の日本の侵略戦争(行為)をすべて「自衛が基本」との戦争観で書かれているなど侵略戦争を正当化し、誤った歴史認識で記述されていて問題です。

しかし、五百旗頭(いおきべ)真防衛大学校長は、11月9日付「毎日新聞」への寄稿で「防大における歴史教育の内容がどのようなものであるか、改めて調べてみた。あの戦争を賛美するような講義内容はまったく見当たらなかった」などとしています。

(つづく)

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