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民主党政権の危ない防衛政策と憲法--「映画人九条の会」6周年の集い・記念講演から(3)

2011年04月30日 | 国際・政治

昨日に引き続き、2010年12月3日に東京・文京シビックセンターで行われた「映画人九条の会6周年の集い」の山田朗明治大学教授の講演「民主党政権の危ない防衛政策と憲法」を掲載させていただきます。(サイト管理者)

■22DDHは、ヘリ空母として上陸作戦などの拠点に!?
実は「ひゅうが」型の場合は、「海上交通の安全確保のために」という予算請求の理由ついていました。今度の「22DDH」は、「海上交通の安全確保」プラス「洋上拠点となる輸送機能」という理由が加わっています。輸送機能を持たせるということは、これまで3隻作られてきた「おおすみ」型輸送艦(8900トン)の機能も加わったということです。物資や兵員も輸送するし、ヘリ空母として洋上の拠点となり、さらに海上交通の安全確保、つまり対潜水艦制圧ということなんです。潜水艦を制圧しながら、同時に洋上拠点として物資の輸送や上陸作戦などの拠点ともなるという考え方ですね。
もう一度【図1】の、防衛省の発表のイメージ図を見ると、「大型車両・大型ヘリ等の輸送能力」と書いてあります。大型ヘリを輸送するのは、ヘリ空母ですから当たり前かも知れませんが、わざわざ「大型車両」と書いてあるところ──これは今まで「おおすみ」型輸送艦が担っていた「戦車」等の輸送ということです。
そうなると、これはどうなるのか。大きな車両輸送であってもヘリで移動できる程度の車輛なら良いのですが、戦車はヘリでは運べませんから、「おおすみ」のようにホーバークラフトを積むと言った選択肢もでてくるのかと思います。イメージ図は普通は前から書くので、後ろ側が隠れて判らないのですが、軍事的には後ろ側がどうなっているのかが大事なんです。つまり、後ろ側が開いて、中から上陸用のホーバークラフトが出て来るということになると、相当に強力な軍艦ということになります。これは上陸作戦において「おおすみ」が半分担っていた役割ですが、攻撃力も併せ持つ、米軍で言うところの強襲揚陸艦というタイプになりつつあるのかも知れません。
「22DDH」の基本設計はできているんでしょうが、どういう強化をさらに付加するかは、世論が大事なんです。つまり世論の反対が強ければ、ちょっと変わる可能性も出てくるんです。見せていない部分は、世論の反対が強くなければここまで行っちゃおうという計画があると思うんです。民主党政権ができてすぐに「22DDH」の予算が防衛省から要求され、それがすんなり通ってきたんです。
こう考えると、基本的には兵器体系の構築という点でも民主党政権はあまり独自性を出していない、自民党政権が敷いたレールで走っていて、場合によっては更に強化されているということです。

■防衛予算も自民党政権時代と変わらず
防衛政策を探るに当たって何処を見ると判りやすいかというと、やはり予算です。どういう点に予算が配分されているか。民主党政権は仕分けなどをやって、色々と政治主導で予算配分を変えるんだという意志表示をしていますが、しかし主だった防衛予算というのは仕分けの対象になっていません。
中身を見ますと、平成22(2010)年度の防衛予算というのは、少し減って、前年度比0.4%減の4兆6826億円です。一般会計の歳出では5.1%を防衛予算が占めています。前年度比では0.2%減と一般会計に占める割合もちょっと縮小しています。
防衛予算が減っているということで、自民党政権と違うカラーを出しているかと思いきや、実はしかし、GDPに占める軍事費の割合は、1%を超えるかどうかがこれまで議論になっていたんですが、0.985%と前年度比では若干プラスです。また米軍再編経費は前年度比50.98%増ということで、ここはかなり重視された配分となっています。ここでも自民党と比較して、それほど大きな特色が出ていないということなんです。
重点項目を見てみると、「弾道ミサイル攻撃とか特殊部隊攻撃、島嶼(しょ)部における事態への対処」という、これもずっと自民党政権下で言われていたことの踏襲です。「平素からの常時継続的な警戒監視・情報収集」「大規模・特殊災害への対応」と続いています。この特殊災害とは、化学兵器による攻撃などを想定したものです。災害と書いていますが、化学兵器あるいは生物兵器による攻撃への対応です。「宇宙関連施策・サイバー攻撃への対処能力の強化」というのも、おおよそ従来から言われていたことです。
そういう点で言うと、自民党政権の防衛政策の基本的な継承ということと、自民党時代に重点だぞ、と言われていたことまでが、ほぼそっくりそのまま重点項目としてやはり継承されているということが言えます。先ほど言ったように、防衛予算全体としてはちょっと減っていますが、これは主な省庁予算も圧縮されつつあって、別段特色を出したとは言い難いわけです。

(つづく)

【出典】「映画人九条の会」ホームページ http://kenpo-9.net/

【資料・図1など】 http://kenpo-9.net/document/101203_yamada.html#h2-15

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民主党政権の危ない防衛政策と憲法--「映画人九条の会」6周年の集い・記念講演から(2)

2011年04月29日 | 国際・政治

昨日に引き続き、2010年12月3日に東京・文京シビックセンターで行われた「映画人九条の会6周年の集い」の山田朗明治大学教授の講演「民主党政権の危ない防衛政策と憲法」を掲載させていただきます。(サイト管理者)

■「従来型の更新」と言って、護衛艦が軽空母に
また、非常に象徴的なこととして、自民党政権時代に始まった海上自衛隊の艦艇リニューアルがあります。中でも目立っているのがヘリ空母の建造路線で、これがはっきりと継承されているということです。具体的には資料の【写真1】ですが、これは自民党政権下で建造された「ひゅうが」型ヘリ搭載護衛艦というものです。従来の駆逐艦型のヘリ搭載護衛艦は、ヘリコプター3機を積み、5千トンの排水量でした。この護衛艦を更新しますといって出来たのが、排水量1万3500トンの「ひゅうが」型ヘリ搭載護衛艦なんです。
これは、一応公式にはヘリコプター5機搭載となっていますが、機能的には10機は積めると言われています。ヘリコプターも積んでいる護衛艦、ということになっています。護衛艦は記号で「DD」と記されていますが、デストロイヤー(Destoryer)、国際的には駆逐艦の略なんです。つまりヘリコプターも積んでいる駆逐艦ですよ、という範疇なんです。しかし、これはどう見てもヘリコプターも積んでいる駆逐艦というより、ヘリコプターの運用を中心とする“軽空母”であると言わざるを得ない。国際的に見ても1万トンを超える駆逐艦は歴史的にも無いはずで、ここまで大きなモノは駆逐艦ではなくなっちゃうわけです。
この「ひゅうが」型ヘリ搭載護衛艦が出来、現在はこれの2番艦が建造中です。すでに進水式も終え、名前もついています。「いせ」という名前です。1番艦が「ひゅうが」、2番艦が「いせ」。この名前、実は旧日本海軍が持っていた戦艦の名前なんです。但し、順番が逆で帝国海軍の時代は「伊勢」が先で、2番艦が「日向」でした。これは明らかに帝国海軍の名前の付け方を伝統的に踏襲している訳です。
「ひゅうが」とか「いせ」というのは旧国名ですね。前近代の「○○の国」という、長門だとか武蔵、陸奥といった旧国名を戦艦の名前につけるということが旧海軍ではありました。海上自衛隊では従来、旧国名というのは付けたことがなかった。ところが遂に、踏み切ったんです。つまり、今までのある種のタブーを破って、旧海軍時代に戦艦につけていた名前を「ひゅうが」型から始めた。
実は、この「ひゅうが」は、「はるな」型ヘリ搭載護衛艦の代替艦として作られました。「はるな」(榛名)は山の名前です。山の名前というのは、旧海軍では重巡洋艦か巡洋戦艦など正式な戦艦よりも下のランクにつけられていた名前です。現在、海上自衛隊では山の名前を「イージス艦」に使用しています。「こんごう」(金剛)とか「みょうこう」(妙高)とか、イージス艦クラスの大きな護衛艦に山の名前を付けて、さらに大きいヘリ搭載護衛艦には遂に国の名前を使用した。これは旧海軍と全く同じやり方なんですね。となれば、次に出てくるのは何か、ということになります。
現在、民主党政権下で計画が進んでいるのは、資料の【図1】にある「22DDH」。これは平成22年度予算で承認されたDDH、DDは駆逐艦を示し、Hはヘリを示す記号です。これを見ると、「ひゅうが」型がさらに大型になっており、「ひゅうが」は1万3500トンで海上自衛隊で最も大きい艦なんですが、「22DDH」に至っては1万9500トンで、全長248mとなっています。
ここではヘリ9機搭載と書いてありますが、いつも最初は控えめな発表をするんですね。「ひゅうが」も最初はヘリ3機搭載ということで発表されていました。元々「はるな」がヘリ搭載3機で、これを引き継ぐ形だから3機だということで発表し、出来あがる寸前になると5機ですとなって、出来あがってみたら10機は積めますという具合に段々と大きくなる。この「22DDH」も、発表段階で9機ですから、実際には12機ほど積めるのではないかとも言われています。
2万トン近い船になったということは、単に「ひゅうが」型が更に大きくなったというだけでなく、さらに機能がプラスされているんです。ところで、「22DDH」は建造中で進水式も迎えてないので名前が未だないんですが、これを皆さんも予想すると面白いかもしれません。「いせ」「ひゅうが」よりも大きいクラスとなると、帝国海軍で言うところの「長門」「陸奥」クラスになるんですね。まあ「大和」「武蔵」はさすがに付けないと思いますが、「長門」なんて付いたらすごいですね。すごいというか、全く日本海軍と同じですから。

(つづく)

【出典】「映画人九条の会」ホームページ http://kenpo-9.net/

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民主党政権の危ない防衛政策と憲法--「映画人九条の会」6周年の集い・記念講演から(1)

2011年04月28日 | 国際・政治

「映画人九条の会6周年の集い」が2010年12月3日、東京・文京シビックセンターで行われ、明治大学教授の山田朗氏が「民主党政権の危ない防衛政策と憲法」をテーマに記念講演が行われました。

山田氏は「民主党の防衛政策は自民党の防衛政策を継承しており、基本的な骨組みは変わっていない」「軍需産業の要求が露骨になり、武器輸出三原則そのものが変えられようとしている」「武器輸出三原則の最後の拠り所は憲法である」と訴え、参加者に軍拡の連鎖を断ち切ることの重要性を主張しました。時節にかなった非常に重要な指摘です。そこで講演内容は小冊子にもされ販売されましたが、「映画人九条の会」ホームページにも掲載されていますので、当ブログでも何回かに渡って転載させていただきたいと思います。(サイト管理者)

<映画人九条の会6周年の集い・記念講演>
民主党政権の危ない防衛政策と憲法

日時:2010年12月3日(金)
会場:東京・文京シビックセンター5階・区民会議室C

講師:山田 朗(明治大学教授)

 皆さん今晩は。ご紹介頂いた山田です。映画人9条の会6周年、おめでとうございます。私はこれまで何回かこの映画人九条の会でお話させて頂いていますが、私が登場する時はたいてい情勢が良くない時と申しましょうか、改憲の危機が迫っているとか、そういうような時ばかりでして、私の出番が無い状況の方が良いわけです。(笑い)
今回は民主党政権の防衛政策と憲法ということでお話をしますが、この間に中国との関係が悪くなったり、朝鮮半島の情勢が不穏であったりというようなことがありますが、いったい民主党政権の防衛政策にはどういう特徴があるのか、ということを改めて考えたいと思います。
 実は民主党政権になってから、それ以前もそうだと言えばそうなんですけども、軍需産業の圧力が、新たな分野に活路を見出したいという──非常に不況の時期ですから兵器産業をもっと振興させよう、という動きが確実に出てきています。現在も「武器輸出三原則」を変えようという動きが強まっており、その中でこんな理由付けがされています。「日本の国産武器は非常に高価である。これをコストダウンすることによって国民の負担が減る。だから兵器のコストを下げるためには、輸出を認めるべきだ」という議論です。
国民の負担が軽減するという、美味しい話がぶら下がっているわけですが、「武器輸出三原則」というのは、後でも話しますが、あらゆる武器の輸出を禁止している原則ではありません。しかし現在では、紆余曲折があって武器輸出をしない、という原則になっているんですね。その理由が重要なんです。詳しくは後でも話しますが、まさに憲法9条の精神によって支えられているのが、この「武器輸出三原則」でありまして、その改定をめざすというのは、やりようによっては9条の根本的な理念を崩壊させる恐れがあります。

■自民党政権の防衛政策の基本的な継承
改めて民主党政権の防衛政策の特徴点を見ると、自民党政権とあまり変わらないということです。これが民主党政権の特徴と言えるかどうかは判りませんが、かなりよく似ています。基本的なところは全て継承しているということなんです。民主党からすればもう少し変わっても良さそうな部分もあるのに、基本的な骨組みは変わらない。
まず一番目に、在日米軍を抑止力とみなしているという安全保障観は、全然変わらない。ですから普天間基地問題も、基本的に自民党時代にできた日米合意をさらに強行しようとしているということがあります。
それから、弾道ミサイル防衛や宇宙の軍事利用、これについては民主党政権に代わるちょっと前に自民党政権が強く打ち出したことです。弾道ミサイル防衛は、なんと言っても北朝鮮の核兵器、あるいは弾道ミサイルに対抗するということで始まった防衛構想です。もう一つは宇宙の軍事利用ですが、これは民主党政権に代わる直前に宇宙基本法というものができました。それまでは国会決議によって「日本の宇宙開発は平和利用に限る」という縛りがありました。ところが、それがあっさり覆され、防衛目的のための宇宙開発は認める、という具合に原則が大きく変わったんです。
具体的に言うと、軍事偵察衛星を配備するとか、軍事通信衛星、これが実は具体的な要求としては非常に強かったと言われています。イラクに自衛隊が派遣され、派遣されたイラクの自衛隊が日本の防衛省や国内の自衛隊まで直に連絡する時に、専用の軍事通信衛星が無いとやりづらい。民間衛星が使うに当たっては、容量が限られるなど非常に使いづらいという問題があるそうです。自衛隊が海外に展開するようになって、特にイラク派遣によってその必要性が叫ばれるようになりました。
また、弾道ミサイル防衛とも関連して、軍事偵察衛星を打ち上げて、北朝鮮がミサイルを発射した瞬間に直ぐに対応できるように、宇宙から見張っていたいということになりました。(ミサイルが)打ち上げられてからレーダーでそれを追おうとしても、しばらく上昇して来ないと判らないんですが、宇宙から偵察していれば、発射の瞬間に判るんです。ですから、そういう意味からも軍事偵察衛星を配備したいということです。
現在でも、商業用衛星でミサイルが発射したことは判るんですが、もっと厳密、詳細なデータが欲しいのだと思います。打ち上げが判るというレベルではなく、さらに打ち上げ前の細かい様子まで、例えばミサイルに燃料注入が始まったとか、そうした細かいデータまで整えようとすると、軍事衛星が必要だということなんだと思います。この路線は自民党政権時代に敷かれたものなのですが、全く見直されることなく、仕分けにかかることもなく、ずっと継続され、むしろ促進されている感じがします。
(つづく)

【出典】「映画人九条の会」ホームページ http://kenpo-9.net/

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発足7周年記念「九条の会講演会」のご案内

2011年04月27日 | 国際・政治

以前よりご案内していました6月4日に発足7周年を記念して「九条の会」が開催する講演会の概要が決まりましたので、ご案内します。参加するには入場券が必要です。参加ご希望の方は、前売り券を発売していますので下記の申込方法にそってお申込ください。(サイト管理者)

<発足7周年記念「九条の会講演会」>

日時:2011年6月4日(土)13時30分開会(開場12時30分)
会場:日比谷公会堂(東京都千代田区日比谷公園内)

参加費:前売り1000円(当日1500円)

講演:大江健三郎(作家)、奥平康弘(憲法研究者)、澤地久枝(作家)、鶴見俊輔(哲学者)(講演予定は4月1日現在)

参加申し込み方法:郵便局備え付けの振替用紙の通信欄に必ず「講演会入場券◆枚希望/名前/住所/電話番号」をお書きのうえ、下記の振替口座に参加費(1人1000円)をお振り込み下さい。振り込み手数料はご負担願います。
入場券を郵送致しますので、当日は必ずご持参下さい。

郵便振替口座00180-9-611526 加入者名 九条の会
振り込み締め切り 5月26日(木)。定員に達した場合は、その時点で締め切らせていただきます。

連絡先:九条の会事務局
東京都千代田区西神田2-5-7-303 〒101-0065
Tel03-3221-5075 fax03-3221-5076 
mail@9Jounokai.jp

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チェルノブイリ原発事故から25年、教訓を生かせ

2011年04月26日 | 国際・政治

今日、2011年4月26日でチェルノブイリ原発事故から25年が経ちました。
この原発事故以来、日本の原発についてもその安全性が疑問視されていましたが、日本政府や電力会社は「日本の原発は原子炉の型がチェルノブイリと違うから、ああいう事故は起こらない」と地震や津波の被害があった場合の指摘が国会でも追及されていたにも関わらず、点検や新たな安全対策を怠ってきました。その結果、今回の東京電力福島第一原発の事故です。皮肉にも過去最悪と言われたチェルノブイリ原発事故と同レベルの最悪の「レベル7」とされました。チェルノブイリ原発事故とはどんな事故だったのか、今、振り返っておく必要があると思います。(サイト管理者)

■チェルノブイリ原発事故とはどんな事故だったのか?

チェルノブイリ原発事故は、今からちょうど25年前の今日、1986年4月26日1時23分に発生しました。場所は旧ソ連ウクライナ。同原発の4号機で事故は起きました。
実験中に、通常より低い出力に調整しようとしているうちに、運転規則に違反して核分裂反応にブレーキをかける制御棒を抜き、安全装置を解除するなどしてしまった結果、原子炉の核分裂反応を制御できなくなり、反応が急激に進み事故を起こしてしまったのです。核燃料が溶解し、水蒸気爆発と水素爆発の2度の爆発を起しました。この原子炉は福島原発の水とは違って、減速材として炭素からできている黒鉛を使っていたのですが、その黒鉛に引火して火災も発生しました。爆発によって原子炉が破壊され、建屋も破損、膨大な量の放射性物質が放出され、その汚染範囲はウクライナ、白ロシア(ベラルーシ)・ロシアはじめ北半球全体に拡散したのです。

ソ連政府が事故後4ヵ月ほど経って1986年8月にまとめた「事故報告書」では、事故で放出された放射能は、放射性希ガス、ヨウ素131、セシウム137など、計370京ベクレル(1京は1兆の1万倍)とされていましたが、その後の検討で実際はその2~3倍はあったのではないかと推測されています。

■チェルノブイリ原発事故の被害は?

では、その後の放射能による被害はどうだったのでしょうか。
まず、事故現場で消火活動に従事した31人が急性の放射線障害や事故で亡くなったといいます。また、半径30kmに住んでいて避難した住民13万5000人の平均被曝量は120ミリシーベルト。一般の人が1年間に浴びる放射線量の許容限度が1ミリシーベルトといいますから、その量の多さが分ります。
当時、ソ連政府は事故自体をすぐに発表しませんでした。事故が明らかとなったのは、事故翌日にスウェーデンで検出された放射性物質が発端です。事態を隠そうとする姿勢も含め、その対応の遅さが被害を拡大したことは明らかです。

その後、事故を起した4号機は「石棺」と呼ばれるように、コンクリートで固められましたが、今も放射線物質を放射し、周囲は広範囲で立ち入り禁止、25年経った現在でも半径30km圏内では居住が禁止され、原発から北東へ向かって約350km圏内ではホットスポットと呼ばれる局地的な高濃度汚染地域が約100ヵ所にわたって点在し、ホットスポット内においては農業や畜産業が全面的に禁止され、政府(分離独立したウクライナ)の管理下で事故処理が進められています。

2000年に行った事故の追悼行事でロシア副首相が明らかにしたところでは、事故処理に携わった86万人のうち、5万5000人以上が放射線障害などで死亡。牛乳から放射性のヨウ素131を摂取してしまった子どもたちの中では、小児性甲状腺がんや甲状腺障害が急増しているといいます。成人では高血圧、狭心症など様々な疾病が増加、今も健康への被害が増大しています。

■チェルノブイリ原発事故から教訓を学べ

チェルノブイリ原発事故は、国際原子力機関(IAEA)が決めている国際原子力事象評価尺度で最悪の「レベル7」とされ、世界の原発史上「最悪の事故」とされています。
今回の福島第一原発事故は、1号機から4号機までの原子炉や建屋、使用済み核燃料プールの核燃料が破損する事故となり、チェルノブイリ原発事故と違い、一度に複数の原子炉で炉心溶融が起きたということは前代未聞です。その意味で事故発生後1ヵ月もたって「レベル7」に改められた福島第一原発事故は、チェルノブイリ原発事故以上と言っても過言ではありません。今なら、チェルノブイリ原発事故の教訓から、立て直すことは可能です。そのためにも、政府、原子力安全・保安院、東京電力は、全ての専門家の知恵を総結集させ、事態の収拾に全力をあげるとともに、全ての放射線量などの情報を開示し、国民の健康と安全を確保すべく努力を傾注すべきです。そして、国は原発の「安全神話」を絶って、自然エネルギーなどへのエネルギー政策の転換をするよう求めるものです。

【出典参考】2011年4月8日付け「しんぶん赤旗」など

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