教科書採択をめぐり問題となっている埼玉県で千葉照實教育委員長は9月27日の県議会で、来年度使用する高校日本史教科書の採択結果について「変更しない」と改めて表明しました。これは採択のやり直しを迫った自民党の加藤裕康県議の一般質問に答えたもの。
県教委は、「日の丸・君が代」問題で「一部の自治体で強制の動きがある」と記述した実教出版の教科書を含め、学校の希望通りの教科書を採択しました。
加藤県議は、県教委が実教出版の教科書を選定した理由を聞き、「検定をすり抜けた教科書を審査するのが(県教委の)責務だ」「教科書に極めて鈍感で委員会運営が事務局主導だ」などと攻撃しました。
千葉委員長は、実教出版の教科書について「学習するテーマが項目ごとにまとまり生徒が学習を進めやすい」など各学校があげた選定理由をあげるとともに、県教委独自にも教科書の調査・研究を行い、学校訪問などで学校の実情を理解する努力をしたことを紹介。「教育委員会が主体的に審査し、採択した。今後とも県教委の権限と責任で教科書採択に取り組む」と答えました。
その上で、県議会文教委員会が9月13日に可決した「再審査を求める決議」について「重く受け止める」としつつも「委員協議で採択結果を変更しないこととした」と述べました。
教科書採択をめぐっては、県議会文教委員会が実教出版の教科書を選定した8校の校長を呼び出すなど、異例の委員会審査まで行って、採択に介入し、採択のやり直しを要求していましたが、県教委はこれを拒否。この問題をめぐって前任の清水松代委員長が24日に辞任し、後任に千葉氏が新委員長に就任していました。
このように、教育委員長の任期途中での辞任という異例な事態に追い込んだのは、県議会文教委員会の政治的介入に重大な責任があると指摘されます。
【出典参考】2013年9月25日・28日付け「しんぶん赤旗」
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