とだ九条の会blog

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テロ攻撃から日本を守るために必要なことは

2007年01月31日 | ニュース
ブッシュ米大統領は1月23日の米国議会での「一般教書演説」において「テロとの闘いに勝つために“敵”と徹底的に闘う」と表明し、米軍のイラク増派について議会とアメリカ国民の理解を求めました。
また日本の安倍晋三首相も26日の「施政方針演説」で米国のイラク政策をあらためて支持し、航空自衛隊の派兵継続を表明、「世界とアジアのため」として「日米同盟」を一層強化し、国際貢献のために「集団的自衛権」行使の研究を進めること掲げました。

「テロの攻撃から日本の安全を守るには何が必要か」――先のブログでも取り上げた韮沢忠雄著『孫に語る 戦前と戦後』(光陽出版社)の記述を参考に考えてみたいと思います。


確かに日米軍事同盟の再編強化の理由の一つに「テロ」という「新たに発生している脅威」があると思います。テロは決して許されるものではありません。しかし、テロの脅威という点でいえば、今、テロ集団が一番に標的にしているのはイラクを占領している米軍とそれに協力している同盟国です。
米軍のイラク戦争と占領に軍事的に協力している英国では、首都ロンドンで市バスと地下鉄の連続テロがあり、50人以上の死者がでました(2005年7月7日)し、対米協調路線をとるヨルダンでもアンマンで自爆テロが発生し、結婚披露宴の参加者50人以上が被害を受けました(2005年11月9日)。イラク戦争開戦以降、世界各地でテロは増えています。
一方、日本も小泉内閣が米国側の要請を受け入れ復興支援として自衛隊をイラクに派兵したため、日本人の外交官やボランティアなどでイラクに行っていた日本人が標的にされ殺傷されるという事件が発生しました。しかし、日本には「憲法九条」があって、そのために自衛隊が軍事行動に出られなかったために、今のところ明確な標的国にはなっていません。
イラクから陸上自衛隊を撤退させた2006年7月に、陸上自衛隊朝霞駐屯地で行われた「隊旗返還式」で小泉前首相は「一発の銃弾も発せず、一人の死者も出さずに帰国したことは日本国民、イラク国民にとって長く記憶に残る」と評価しましたが(2006年8月2日付、当ブログ掲載)、「自衛隊が一人もイラク人を殺さなかったことも、自衛隊員から一人の死者も出さなかったこと」も、日本に武力行使を認めない「憲法九条」があったからです。帰還した自衛隊員も「憲法九条に守られた」という発言をしています。
もしも、日本がこの先、憲法を「改定」して自衛隊を「自衛軍」にし、米国と共同して武力行動できる国にするようなことがあれば、それこそ日本は英国や伊国と同じようにテロ集団が攻撃目標にする“大義名分”を与えることになるでしょう。
このように、「テロ攻撃から日本の安全を守るために、『米軍再編』や『憲法改定』が必要だ」とする議論は、まさにアベコベであって、「米軍再編」や「憲法改定」によって米軍と共同で「戦争できる国」にする道を拒否して「戦争放棄の平和憲法を持つ、戦争しない国=日本」を世界中に知ってもらうことこそ、テロ攻撃から日本の平和と安全を守るために必要なことなのではないでしょうか。


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久間防衛相が「米のイラク開戦判断は誤り」

2007年01月30日 | ニュース
ブッシュ米大統領が今年の施政方針を示す「一般教書演説」で、イラクへの米軍増派を含む「新戦略」を表明し問題となっている中、米国のイラク戦争をめぐり久間章生防衛相が米政府批判を繰り返しているとの記事が報道されました。
これは1月24日の日本記者クラブでの講演で、久間防衛相が「(イラクに)核兵器がさもあるかのような状況で、ブッシュ米大統領は(開戦に)踏み切ったのだろうが、その判断は間違っていたと思う」と語り、米大統領の開戦判断を批判したというものです。
また、イラク戦争を支持した日本政府の対応に対して「(以前)『反対はできないかもしれないが、理解はするというくらいが一番いい』という発言をしたが、今でもそういう心境に変わりはない」と語りました。
久間氏は自民党政調会長代理時代の2003年にも「(日本は)支持という言葉を使うのは適切でない」「(イラクに)自衛隊を出すのは慎重でありたい」などと主張。これまでも度々、イラク戦争に強く疑問を投げかけてきており、閣僚就任後もそうした発言を続けていました。
昨年12月の参院外交防衛委員会では、防衛庁長官として「日本は政府として(イラク戦争を)支持すると公式に言ったわけではない」と答弁し、翌日には「私の間違いで認識不足だった」と撤回したこともありました。
久間氏は翌25日、臨時閣議後の記者会見でブッシュ米大統領の開戦判断を「間違っていた」と批判した自身の発言に対して「(米大統領の)判断が誤っていようが、日本政府の(同戦争を)支持するという態度は一貫している。決まった以上はそれに従う」と説明したものの、「当時から『待てよ』という感じを持っていた」「もう少し慎重に本当に(イラクに大量破壊兵器が)あるのかどうか(確認を)やったらよかったんじゃないか」とも語り、改めて時期尚早だったのではないかという「持論」は曲げませんでした。
ただ、安倍晋三首相は25日夜、久間氏から説明があったことを明らかにした上で、「イラク戦争前の段階の認識を紹介したもので、(久間氏の考えは)日本政府の閣議決定とまったく同じ考えだと聞いている。私は問題ないと思う」と記者団に語り、容認する姿勢を示しました。
ただ、ブッシュ米大統領の「一般教書演説」直後とあって、米国のAP通信は演説への反応の一つとして配信し、久間防衛相の発言はイラン大統領の「米国の新イラク戦略は今までの計画と同様、失敗に終わる」といった談話と同列に扱われ、米主要紙にも掲載されました。
一方、国内でも「内閣不一致」との指摘を受けた官邸サイドは塩崎恭久官房長官が「政治家個人としての発言」と擁護しつつも、久間防衛相に対し「誤ったメッセージを伝えることになりかねない」と注意を促しました。

久間防衛相の発言は米国によるイラク戦争の大義のなさを表明したもので、この戦争をいち早く盲目的に支持し続けてきた日本政府・与党の責任が問われるものです。
とりわけブッシュ米大統領の「一般教書演説」でイラク増派への支持を訴えたことに対して、安倍首相は「イラクの安定、復興に強い意志を示したもの。効果的に成果を出すことを期待する」と述べ、これまた米国に追随する姿勢を示したことは「誤りに誤りを重ねるもの」との批判を受けるに違いないでしょう。

<補足>
さらに1月27日にも、久間防衛相は長崎県諫早市で行った講演で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)のキャンプ・シュワブ沿岸部(名護市)への移設問題をめぐって移設先の埋め立てに知事の許可が必要なことに触れ、「知事の意見を聞き入れながらやっていかなければならないのに、米国は分かっていない」と主張した上で「あまり偉そうなことを言ってくれるな。日本のことは日本に任せてくれ」と米側に伝えたと発言し、あらためて米政府の対応を批判しました。
久間氏はイラク戦争をめぐるブッシュ米大統領批判を含む一連の対米発言を繰り返したあと、1月26日に発言自粛を表明しましたが、すでに米側からは不快感も伝えられており、日米同盟関係に悪影響を与えかねない情勢だと、政府内では「安倍晋三首相も心配しており、対応を考えなければならない」(政府高官)と危機感が広がっているといいます。


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安倍首相が「施政方針演説」で憲法改悪を前面に

2007年01月29日 | ニュース
1月26日、安倍晋三首相は衆参両院で内閣発足後初の「施政方針演説」を行いました。
その特長は持論の「美しい国」を連発しながら、「憲法改悪」に向けた決意を前面に掲げた「保守カラー」「タカ派色」を鮮明にしたものであるということです。
安倍首相は冒頭、「憲法を頂点とした、基本的枠組みの多くが、21世紀の時代の大きな変化についていけなくなっている」「今こそ、これらの戦後レジーム(体制)を、原点にさかのぼって大胆に見直し、新たな船出をすべきときが来ている」とし、「“美しい国、日本”の実現に向けて、次の50年、100年の時代の荒波に耐えうる新たな国家像を描いていくことこそが使命だ」と表明し、戦後、侵略戦争の反省に立って出発した戦後政治の原点をも否定、海外での軍事行動を目的とした「集団的自衛権」行使に向けた研究の必要性を表明した上で、「憲法改悪」への姿勢を前面に掲げました。
憲法擁護義務がある首相が、国の基本方針を表明する「施政方針演説」において「改憲」を明言するのはまったく異常というほかありません。

また、財政政策の点では、大企業の競争力を強化する「新成長戦略」として財界が希望する大企業減税策を打ち出す一方、深刻化する「貧困」と「格差」の拡大については、その言葉を一言も口にせず具体策に乏しい「再チャレンジ」論を繰り返しました。
さらに「消費税を含む税体系の抜本的改革を実現する」として、こそくにも参院選挙後の秋以降に「消費税増税」を打ち出すことを表明しました。
また、教育問題では、改悪教基法にもとづき、今国会で関係法律の「改正」を目指すと表明。
外交問題では、世界が軍事ではなく平和的外交的努力で問題の解決に臨み、「軍事同盟」から「平和の共同体」へ大きく変わろうとしているのに、「世界とアジアのために日米同盟」強化を強調し、イラク政策では米軍を支援していく態度を変えませんでした。
安倍首相が秋の就任直後に行った「所信表明演説」で言っていた「国民との対話」という言葉も、今回の「施政方針演説」には一度も登場しなかったことからも分かるように、今回の「施政方針演説」は安倍政権が国民にまともに向き合おうとしないで「保守カラー」を鮮明にした危険な姿を示すと共に、どの問題でも国民との矛盾を更に増幅させる内容であることを示したものといえるでしょう。


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「一般教書演説」でイラク増派を正当化、さらにイランも名指し

2007年01月28日 | ニュース
1月23日、ブッシュ米大統領は米議会上下両院合同会議において「一般教書演説」を行い、イラク政策について「テロとの闘いに勝つため“敵”と徹底的に闘う」「成功の絶好の機会だ」と米軍増派を正当化し、戦争推進による軍事対決一辺倒の姿勢に固執しました。
「一般教書演説」で、ブッシュ米大統領は「同時テロで歓喜した悪は、今も世界で活動している。米国は依然、戦時国家だ」とし、「米国がイラクから撤退すれば、イラク政府は過激派に倒される」「イランの支援を受けたシーア派過激主義者と国際的テロ組織アルカイダと旧政権に後押しされたスンニ派過激主義者の闘争が予測され、イラク全土だけでなく“中東全域”に拡大する」「これは武力闘争を超えた、決定的なイデオロギー闘争だ」と述べました。
しかし、この論法は「イラクで米国が勝利しなければ、中東がテロの温床となり、米国が危険になる」といって米国民を脅かすものです。
そもそも「大量破壊兵器」と「(イラク旧政権が)国際テロ組織アルカイダと関係がある」というありもしなかった口実でイラクに侵略戦争を開始し、旧政権が倒れた後も占領をしつづけて、数十万人のイラク市民と3千人を超える米兵の犠牲を出し、もはやイラクは内戦状態ともいわれる泥沼状態です。そうした状況を作った責任はブッシュ米大統領とそれを支持した同盟国にあります。
最近の米国内の世論調査でも、米軍のイラク増派にたいして「男性の59%、女性の71%が反対」(ABC調査)、「66%が反対、賛成は29%」(CBS調査)とブッシュ米大統領のイラク政策に対して批判票が上回っています。また、ブッシュ米大統領への支持でも、「強い支持が17%に低下したのに対し、強い不支持が51%」(ABC調査)、「支持28%、不支持64%」(CBS調査)となり、のきなみ支持率の最低を記録しました。また米国は「誤った道を進んでいる」と答えた人が71%もいました。自らの誤りを反省せず、かえってイラク増派を掲げる好戦的な“新戦略”では世界はもちろんのこと米国民からも支持をつなぎとめることはできません。
国際世論もイラク国民も求めているように、また米国民も求めるように、米国は、いまこそ米軍撤退に転じるべきです。


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世界のマスメディアが安倍政権に警戒心

2007年01月27日 | ニュース
安倍内閣が誕生して以来、世界のマスメディアは、その右傾化路線に警戒心を寄せていましたが、新しい年を迎え、安倍晋三首相の年頭所感やNATOでの演説を聞くにつれ、その危惧を強める論評を相次いで書いています。
シンガポールの「聯合早報」(1月12日)は、『安倍は今年、“猪突猛進”しようとしている』と題する論説委員の論評を掲載し、安倍首相が年頭に「憲法改正をめざす」と述べたことについて「タカ派本来の面目を現しつつある」と指摘。「日本がまた、(小泉政権の時と同じように)“世界の問題国家”になる可能性がある」と改憲に執念を燃やす安倍首相の政治姿勢に警戒感を強めました。
論評では、自民党が5年以内に「平和憲法」を廃棄すると宣言していること、「教育改革」や「防衛省昇格問題」や「国民投票法」制定などの目標は、「平和憲法」廃棄に道を開くものであると、確かな見方をしています。そして安倍首相の目標は、日本が戦後レジーム(体制)から脱却し、戦争ができる「普通の国」になることだと指摘。また、「日本の主要政党の自民党と民主党の間に左右や保守と革新の区別はない。政党では改憲反対勢力は、日本共産党と社民党だけである」と述べています。

また、欧州のメディアも安倍政権への警戒心を強めています。
安倍首相がNATOの理事会で「自衛隊が海外活動を行うことをためらわない」と演説したことに対し、ベルギー紙ソワール電子版は「安倍首相のいう“美しい国、日本”とは軍事的に筋力を鍛え、国際舞台で重みを増すことにある」とか、ドイツ紙ターゲス・シュピーゲル電子版では「安倍首相は攻撃部隊を保有し、世界政治に決定的な意味を持つ国として登場したいと思っている」と報道し、自衛隊を世界のどこへも派兵すると宣言した安倍首相に警戒の目を向けています。


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