とだ九条の会blog

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「TPP(環太平洋戦略経済連携協定)」とは何か(2)

2011年03月31日 | 国際・政治

日本が「環太平洋戦略経済連携協定(TPP)」に参加することになれば、まず何よりも食料自給率(供給熱量ベース)が現在でも40%なのが13%となり、国民への食料の安定供給が危なくなります。

民主党政府は2010年3月に食料自給率を10年後に50%に引き揚げると「食料・農業・農村基本計画」を打ち出したばかりですが、TPP参加はまさにこれとは逆行する事態を招くのです。

消費者にとっては安い外国の農産物が大量に入ってきて「家計が助かる」などと思う人もいるかもしれませんが、関税がゼロになれば輸出大国であるアメリカやオーストラリアから米や畜産物などが雪崩を打って入ってきて、国内生産は致命的な打撃を受けます。

農林水産省の試算では、米生産は90%がなくなり、小麦にいたっては99%、牛乳乳製品は56%、サトウキビは100%、牛肉と豚肉は75%が打撃を受けるとしています。これら農産物の生産額は 4兆1000億円。なんと現在の50%に減少してしまうというのです。

農産物だけではありません。水産物も関税撤廃で国内産は4200億円の生産減少と試算されています。

このように農林水産業の“壊滅”は、肥料や農業機械、食料加工、流通・販売など様々な関連産業にも影響を及ぼすのは必至で、関連産業を含めた国内総生産(GDP)の減少額は、8兆4400億円に達し、約350万人の就業機会を失うとみられています。

日本最大の食料生産地・北海道では、農家の70%以上がなくなり、農林水産業と関連産業あわせて生産額2兆1000億円が減少すると見込まれます。

このようにTPP参加は、地域経済、地域社会を破壊に導くことは明らかです。

<TPP参加による影響について農林水産省試算から>

食料自給率(供給熱量ベース)  40%→13%
農産物の生産減少額        4兆1000億円
林産物の生産減少額        500億円
水産物の生産減少額        4200億円
農業の多面的機能の喪失額     3兆7000億円
国内総生産(GDP)減少額      8兆4400億円
就業機会の減少数              350万9000人

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「TPP(環太平洋戦略経済連携協定)」とは何か(1)

2011年03月30日 | 国際・政治

今、問題となっている「TPP」とはどういうものか?--TPPに参加すると、食糧自給率が40%でも少ないのに13%に急落するなど日本の農業を壊滅的な状況に追いやるだけでなく、日本経済全般にも多大な影響が‥‥。そこで何回かにわたりその内容について見て行きたいと思います。(サイト管理者)

まず、基本的資料から見てみたいと思います。

◆「環太平洋戦略経済連携協定(TPP)」とは
2010年10月現在、TPPにはシンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランド、アメリカ、オーストラリア、ペルー、ベトナム、マレーシアの9ヵ国が交渉に参加している。
TPPは2010年3月から、政府間交渉が開始され、物品貿易に加え、投資、サービス、政府調達など幅広い分野を対象としている。

◆TPP交渉参加国の平均関税率
TPP交渉参加国の平均関税率はシンガポール(0%、ビール・薬用酒のみに課税)からオーストラリア(3.5%)、アメリカ(3.5%)、ペルー(5.5%)、マレーシア(8.4%)、ベトナム(10.9%)まで幅が大きい。

◆TPP、APEC交渉参加国の既存FTAとの関係
TPP交渉参加国間では、既に2国間、多国間FTAが発効、もしくは交渉中の国も多い。交渉参加9ヵ国の間に2国間の組み合わせは36件あるが、この内、2国間等のFTA交渉が行われていない国の組み合わせは10件である。また、APECの加盟国(21ヵ国・地域)全体でも、2国間、多国間FTAが数多く発効している。APEC加盟国全体の域内貿易額(3兆7594億ドル、2009年)に占めるFTA発効済国間の貿易比率は51.3%を占める。

◆TPPの世界経済に占める位置付け
現在、アジア大洋州地域では、TPPに加えて、ASEAN+3(ASEAN10ヵ国と日中韓)、ASEAN+6(ASEAN+3にオーストラリア、ニュージーランド、インド)などの広域FTA構想がある。TPP交渉参加9カ国は、世界人口(67.3億人、2009年)の7.4%、世界経済(57.8兆ドル、2009年)の27.7%、日本の往復貿易額(1兆1323億ドル、2009年)の25.2%、日本の対外直接投資残高(7404億ドル、2009年末)の40.6%を占める。

◆日本の貿易に占めるFTA対象国の比率
日本の貿易に占めるTPP交渉参加国の貿易比率(2009年)は、輸出では日本の輸出総額(5805億ドル)の25.7%、輸入では輸入総額(5518億ドル)の24.6%を占めている。

■TPP原加盟国(4ヵ国)
・シンガポール
・ブルネイ
・チリ
・ニュージーランド

■TPP加盟交渉国(5ヵ国)
・アメリカ
・オーストラリア
・ペルー
・ベトナム
・マレーシア

■主なTPP参加検討国
・日本
・韓国
・カナダ
・メキシコ
など

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「新防衛大綱」は日本をどこへ導こうとしているのか

2011年03月29日 | 国際・政治

昨年12月に菅内閣が閣議決定した「2010年新防衛計画大綱」は、憲法を破壊し、日本を憲法とは正反対の方向に押しやり、世界の流れに逆行するものとして極めて重大な問題です。

これまでも「新大綱」の問題点として指摘してきたように、最大の問題点は我が国の防衛に関する姿勢をこれまでの「基盤的防衛力」から「動的防衛力」に転換したということです。

これまで歴代政府は、自衛隊の存在をさまざまな理由をつけて正当化してきました。「専守防衛」という概念も、もともと憲法に違反して創設された自衛隊にいくらかでも憲法との整合性をもたせる狙いで使い始めた言葉です。
1976年の大綱が打ち出した「基盤的防衛力」は、この「専守防衛」のための考え方でしたが、今回この考え方に終止符を打ち、「動的防衛力」を打ち出したのは、自衛隊を国内だけでなく、むしろ国外で公然と行動できる軍隊に変えるという狙いがあるからです。

これは何よりも米国の要求によるものです。それは米国防総省が昨年2月に発表した「4年ごとの国防計画見直し」報告(QDR)を見れば明らかです。
その内容は、米国の国際的な影響力の低下を認めながら、米国の経済危機脱出のための決定的な意味を持つアジアでの軍事的・経済的な権益確保を狙っていますが、そのために(1)3D=「防衛」「外交」「開発」の三本柱の強化、(2)米軍の前進配備堅持、(3)GDP(国内総生産)では米国に次ぐ大国として経済的にだけでなく、政治的、軍事的にも急速に影響力を増大しつつある中国への対処、東南アジアへの経済的・軍事的進出拡大、インドとの関係強化などをうたっていますが、中でも特徴的なのが、米国の影響力低下とともに国内での軍事予算削減圧力を考慮しつつ持ち出してきているのがアジアの同盟国、特に日本との同盟関係の最大限の利用であり、軍事作戦とともに兵站・情報活動での負担分担拡大要求なのです。

昨年のQDRでは、米国の軍事作戦の差し迫った課題として3つ挙げています。
(1)現在あるいは今後の戦争で勝利し、主導権をにぎる必要性、(2)米国以外の他の国々や非国家的主体が一層強大化するなかで一層重要になっている「グローバル・コモンズ」(世界的規模の共有物)における米国の権益とこれに対するアクセスの保障、(3)政治的、社会的国際環境の変化、です。

特に「グローバル・コモンズ」では、「一国では支配できないが全ての国が依拠している分野、領域」とし、そうした「複合的な環境条件」のもとで生じる様々な事態がまさに「グローバルな課題」であり、これには米国とともにすべての同盟国が共同で取り組むことを求めています。
「新大綱」は、まさにこの米国の新戦略の要求に忠実に応えたものといえるのです。「新大綱」には「グローバル・コモンズ」の言葉はないものの、「新大綱」の元となった「安保懇報告」には、この「グローバル・コモンズ」という言葉が数箇所に登場しているといいます。

一極覇権主義の破綻、新自由主義の矛盾の深まり、国際的な力関係の変化という今日の世界情勢下の米国の世界戦略は、米国の軍事・政治・経済面での覇権・指導権維持の政策を追求しながら、そのために同盟国との関係強化をはかるというものです。しかしながらその一方で、米国は対中国政策にも見られるように、日本が考えている単純な日米同盟基軸論だけではなく、より多面的な協調外交をも行わざるを得なくなっているという特徴が見て取れます。
このことを見ずに、対米軍事路線追従・協調こそが日本の安保政策であり、日本の外交の基軸は日米同盟「深化」にあるとするのは、米国の世界戦略の一面に対する支援として米国からは大いに利用されるでしょうが、世界の流れ、国際政治の現実にはまったく合致しないということに気づくべきでしょう。

【出典参考】2011年2月3日発行、通巻398号月刊「憲法運動」掲載「新防衛大綱は日本をどこへ導くのか-世界の流れに逆行する日米同盟強化路線」三浦一夫(ジャーナリスト)より

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国連本部内で「核兵器廃絶署名100万人分」展示

2011年03月28日 | 国際・政治

このほど、ニューヨークの国連本部内で、世界中で集められた核兵器廃絶を求める100万人分の署名が展示されました。国連によると、この展示会は平和市長会議(議長・秋葉忠利広島市長)が組織したもので、3月24日、記念式が行われました。

記念式では、パン・ギムン国連事務総長が「この100万人の署名が代表するメッセージを世界に伝えます」「みなさんが、核によってわれわれは安全になるどころか、その逆だということを理解している」「われわれは、ともに結束して、核兵器を世界から取り除き、被爆者の呼びかけに応えることができる」と語りました。
記念式には日本から被爆者がかけつけたほか、ダイス国連総会議長、ドゥアルテ国連軍縮担当上級代表、国連ピース・メッセンジャーを務める映画俳優のマイケル・ダグラス氏らも参加したそうです。

【出典参考】2011年3月26日付け「しんぶん赤旗」

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東海地震に備えてただちに中電・浜岡原発の運転中止を

2011年03月27日 | 国際・政治

東北地方太平洋沖地震で5m超えの津波により放射線物質が漏洩した福島第一原発事故で、もろくも「安全神話」が崩壊しました。今、日本が直面しているこの最悪事態に、世界は自国の原発政策の見直しを進める動きが出ています。

世界には約440基の商用の原発があるそうですが、日本には、55基の原発があり、現在37基が運転中とのこと。
今回の東電の福島第一原発事故が収束の目処がたたない現在、心配なのは、いつ起こるかわからない東海地震による静岡にある浜岡原発の危険性のことです。

浜岡原発は中部電力の発電所ですが、2009年8月に起こった駿河湾地震で停止していた浜岡原発5号機をこの1月に運転再開したばかりです。
運転再開にあたり、中電は「(燃料棒を)冷やす、(放射線を)閉じ込める機能は大丈夫だから動かしていい」と説明しました。しかし、今回の福島原発事故は、このことが根底から崩れた格好です。
浜岡原発は、まさにマグニチュード8クラスと予測される東海地震の想定震源域の真上に立っています。福島原発事故が解決しない限り、少なくとも浜岡原発の運転をただちに止めるべきです。

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