とだ九条の会blog

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麻生首相の靖国神社への「真榊」奉納とは?

2009年04月30日 | 国際・政治

4月25日付けの当ブログでもご紹介しましたが、麻生太郎首相が、靖国神社の最大行事の一つであり4月21日から始まった春季例大祭に参拝し、祭壇などに供える「真榊(まさかき)」を奉納しました。
靖国神社は先の太平洋戦争など侵略戦争遂行の精神的支柱の一つであった国家神道の最重要の拠点であり、日本が多大な被害を与えた中国や韓国などアジア諸国をはじめ国内外で、日本の歴代首相が靖国参拝することが問題視されてきました。
「真榊」とは一体何なのか?‥‥そんな疑問が心に引っかかっていたところ、4月29日付け「しんぶん赤旗」の『朝の風』欄に解説されていましたので紹介します。(文責:サイト管理者)

「真榊」の「真」は“美称”で、「榊」は神前に供えて神の神聖な依代(よりしろ=神霊のよりつく代物)として用いられてきたそうです。
榊の枝に白幣をつけ、これを神霊の象徴とし、この榊を中心にして祭祀が行われるという訳です。今日では、「玉串奉奠(たまぐしほうてん)」と呼ばれ、榊を神前に供えて神に祈願する道具とされているのです。
つまり「真榊」を奉納するとは、“宗教行為”そのもの。
なぜ、麻生首相が靖国神社を参拝し、「真榊」を奉納したことが問題であるのか?
憲法20条3項の「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない」と規定しています。今回の麻生首相の行動は、このことからも明白な憲法違反なのです。麻生首相は、この「真榊」料の5万円を私費で支払ったと強弁していますが、木札には「内閣総理大臣 麻生太郎」と書いているのですから、その理屈は通りません。
麻生首相は靖国参拝した同日の4月21日夜、「昨年10月も納めた。国のために尊い命を投げ出した人に感謝、敬意を表するものだと思う」と述べ、昨年の秋季例大祭の際にも「真榊」を奉納していたことを首相官邸で記者団に明らかにしました。

A級戦犯を合祀し、日本の侵略戦争を“正義の戦争”と美化し宣伝している靖国神社への麻生首相の今回の行動に対し、「重大な関心と不満」(中国外務省)、「正しい歴史認識を確立する面から大変遺憾」(韓国外交通商省)とアジア近隣諸国から批判が出ているのは当然です。
「真榊」を奉納した現職首相としては中曽根康弘元首相が20数年前に、2007年4月には安倍晋三元首相も奉納しています。

【参考】4月29日付け「しんぶん赤旗」の「朝の風」欄より

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高校生「憲法九条は変えない方がよい」6割--日高教調査

2009年04月29日 | 国際・政治

4月23日、日本高等学校教職員組合(日高教)は昨年11月に実施した「高校生1万人憲法意識調査」の結果を発表しました。それによると「憲法九条を変えない方がよい」と答えた高校生が60.9%だったことが判明しました。
この調査は、全国27道府県4政令市148校の生徒、12286名から得たもの。
1977年に第1回調査を実施して以来、今回で8回目になります。前回2004年の調査と比較しても、憲法九条に対する高校生の捉え方が大きく変わっていることがわかります。日高教では、「自民党が改憲案を発表し、内閣が公然と改憲を唱える状況で、『憲法九条が危ない』という世論を高校生も敏感に感じとっています。5月3日、62回目の憲法記念日を前に、高校生・青年とともに憲法と日本の未来を考える機会にしましょう」と語っています。調査結果の一部を見てみると‥‥。

■憲法九条は「変えた方がよい」か「変えない方がよい」か
・「憲法九条を変えない方がよい」‥‥‥‥‥‥‥‥‥60.9%
・「憲法九条を変えるほうがよい」‥‥‥‥‥‥‥‥‥11.5%
・「わからない」‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥27.2%
・「無回答」‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 0.5%

特に、「憲法九条を変えない方がよい」の60.9%は、前回の2004年度調査の43.9%から急増しています。一方、「変えるほうがよい」は前回も11%台と変化はありませんでした。

■「変えない方がよい」の理由としては、
・「戦争への道を開くおそれがあるから」‥‥‥‥‥‥73.2%
・「憲法九条は世界に誇るものだから」‥‥‥‥‥‥‥14.0%
・「海外で武力行使するおそれがあるから」‥‥‥‥‥ 6.3%

■「変える方がよい」の理由としては、
・「今の憲法では対応できない
  新たな国際的問題が生じているから」‥‥‥‥‥‥43.3%
・「国の自衛権を明記し、
  自衛隊の存在を明文化するため」‥‥‥‥‥‥‥‥31.9%

■憲法九条は戦後の日本の平和のために役立ったと思うかについては、
・「はい」‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥64.7%
・「いいえ」‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥5.9%

■また、イラクへの自衛隊派遣については、
・「反対」‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥37.6%
・「賛成」‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥23.8%

■「賛成」の理由は、
・「人道的復興支援だから」」‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥78.7%
■「反対」の理由は、
・「国連中心の復興支援に切り替えるべきだから」‥‥35.1%

などとなっています。
日高教の春名公宏書記次長は、前回2004年調査より「変えない方がよい」が急増したことについて「高校生は、イラク戦争の報道や九条の会の活動などを肌で感じ、平和への意識を高めている」と感想を述べています。
また、一橋大学の渡辺治教授は「九条改憲反対の増加は、社会全体の動向とも共通していると同時に、高校の憲法教育の影響も反映していると推定される」とのコメントを寄せています。

◆「2008年度 高校生1万人憲法意識調査まとめと分析」の詳細はこちら

【出典】「2008年度 高校生1万人憲法意識調査まとめと分析」(日本高等学校教職員組合・調査)、2009年4月27日付け「しんぶん赤旗」

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米国防省がオバマ演説にもとづき「核戦略等の見直し」着手

2009年04月28日 | 国際・政治

米国防総省は4月23日、核戦略の基本を定める「核態勢の見直し」(NPR)報告と4年ごとに更新される「国防計画の見直し」(QDR)報告の更新に着手すると発表しました。

NPRは向こう10年間の核抑止態勢、核政策、核戦略の基本を定めるもので、同省高官は、オバマ大統領が先日チェコのプラハで行った核軍縮に向けた演説にもとづいて「われわれとしても核兵器の核拡散防止を最優先課題とする」と述べ、オバマ演説が新報告の「戦略的枠組み」となる見込みを示唆しました。
また、ロシア側とのさらなる核兵器削減交渉を進めることも織り込んでの戦略見直しとなると述べました。
しかし、一方で、同高官は「オバマ大統領は(核兵器のない世界という)最終目標について述べたが、同時に、それが実現されるまでは、敵対国が核兵器を持つ限り、堅固で信頼できる核抑止を維持するとも述べた。NPRは、この文脈で検討される」とも発言し、「核抑止力」自体を維持するとの姿勢も強調しました。

また、QDRは4年に一度更新される国防政策の長期的戦略の見直しですが、リン国防副長官は同日、声明を発表し、アフガニスタン戦争やイラク戦争の「教訓」を踏まえて、新QDRでは「(国家間の)伝統的戦闘での戦略的技術的優位を維持すると同時に、(テロ、ゲリラなどとの)不規則戦闘の能力も機能化する方途を見つける」と述べました。

ゲーツ国防長官は、同時に2つの戦争(「国家間の伝統的戦闘」と「テロ、ゲリラなどとの不規則戦闘」の2つ)に従事できる態勢を維持することを基本としてきた従来の国防方針について、「中核的論点の一つは冷戦時代や冷戦終結直後には妥当だった方針が現在の世界に適用できるかどうかだ」と発言。仮想敵国を想定して国家間の戦争を中心にしてきた国防態勢の見直しが焦点となる模様です。

前回、NPRは2002年に、QDRは2006年に更新されています。

【参考】2009年4月25日付け「しんぶん赤旗」より

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自・公が衆院本会議で強行--恒久派兵に道開く「海賊対処」派兵新法案

2009年04月27日 | 国際・政治

4月23日、自民・公明両党は、衆議院本会議で「海賊対処」を口実に自衛隊の海外での武力行使を容認し、海外派兵恒久法に道を開く「海賊対処」派兵新法案をわずか6日間の審議で質疑を打ち切り、採択を強行しました。
これには民主、共産、社民、国民新の野党各党が反対しましたが、自民・公明の賛成多数で可決。政府案は参院に送られました。

この「海賊対処」派兵新法案は、第一に、海上警備行動として自衛隊をソマリア沖に派遣したことを追認するために作られたもの。したがって極めて短期間にまとめられただけあって、あまりに粗雑という評価は否めません。第二に、ソマリア沖の海賊を口実に、恒久的な自衛隊の海外派兵法の突破口にしてしまうという指摘ができます。つまり、海賊問題に乗じて恒久派兵体制を構築することがこの新法案の本質的な狙いなのです。

ソマリア沖の海賊行為は、明らかに犯罪です。ですからこれを取り締まるのは警察です。しかし、今回の海賊は、ソマリアの政治、経済が崩壊していく過程で生まれたもの。国際社会がつくり出した政治的・経済的背景を抜きには、単なる犯罪と単純化して語れません。国際社会が生み出した内戦や貧困など、その根源を解決しない限り、これを武力で鎮圧しても根本的な解決には結び付けられません。武力では事態の悪化は招きこそすれ、解決できないのです。

憲法九条を持つ我が日本が行うべきことは、自衛隊の派兵ではなく、周辺国の海上警察力強化のための技術・財政援助であり、ソマリアの内戦や貧困の根本的な解決のための外交努力と民生支援です。
自・公政府の衆院での採決強行に抗議するとともに、参院では徹底的に審議を尽くし、何としても廃案にするよう求めるものです。

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またも浮上した「敵基地攻撃能力」議論の“必要性”

2009年04月26日 | 国際・政治

昨日も、4月23日に麻生太郎首相が安倍政権下でつくられた私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(座長:柳井俊二元駐米大使)との会合を行い、集団的自衛権の行使容認を求める提言について説明を受けたことをご紹介しましたが、今度は翌24日に麻生太郎首相の私的諮問機関「安全保障と防衛力に関する懇談会」(座長:勝俣恒久東京電力会長)との会合を首相官邸で行いました。
同懇談会は、今年末の新たな「防衛計画の大綱」策定に向けて設置されていたもので、出席者からは、弾道ミサイル発射基地への先制攻撃を想定した「敵基地攻撃能力」について、「日本独自で、より進んだ危機管理能力を持つということで議論すべきだ」と、「敵基地攻撃能力」の保有を検討する必要があるとの意見が出されました。

この「敵基地攻撃能力」をめぐっては、これまでも自民党内で北朝鮮の弾道ミサイル発射を受け、保有のための議論を求める声が上がっていました。
一方、民主党内でも前原誠司副代表などが保有の必要性を主張しているほか、4月25日も、テレビ番組に出演した民主党の浅尾慶一郎「次の内閣」防衛相が、「日本は唯一の被爆国だから核兵器は持つべきでないが、相手の基地をたたく能力はある程度持っておかないとリスクをヘッジ(回避)できない」などと述べ、「敵基地攻撃能力」の保有を検討すべきとの考えを示しました。

【追加資料】=======================================
以前、北朝鮮が2006年7月5日に実施した「弾道ミサイル発射」や2006年10月9日に実施した「核実験」を受け、日本では、「敵基地攻撃能力」の保有や「核武装論」、「周辺事態法」発動などの軍事対応論が相次ぎましたが、今回の事態も全くこの時と同じです。
◆例えば2006年7月5日の北朝鮮による「弾道ミサイル発射」の時は、「日米同盟によって(敵基地攻撃は米国という)役割分担があるが、国民を守るために必要なら、独立国として限定的な攻撃能力を持つことは当然」(額賀福志郎防衛庁長官・当時)「核を抱えたミサイルが日本に向けられるなら、被害を受けるまで何もしないわけにはいかない」(麻生太郎外相・当時)「日本の国民と国土、国家を守るため何をなすべきかという観点から常に検討、研究を行うことは必要」「日米同盟において基本的に(米軍の)矛と(自衛隊の)盾という役割分担がある。そういう中で議論を深めていく必要がある」(安倍晋三官房長官・当時)と「敵基地攻撃能力」の保有について検討すべきとの態度を表明。こうした主張を受け、小泉純一郎首相(当時)は「議論するのは差し支えない」と述べつつ「先制攻撃的な形でそれ(敵基地攻撃)をするのとは別問題」「本格的な攻撃を受ける前にブロックできるかどうか、憲法上の問題があるので慎重に」と語った経緯があります。
当時の当ブログでも、この問題を取り上げ、「こうした重要閣僚の『敵基地攻撃』発言は、憲法九条の建前を無視できず政府が持ち出した従来の『専守防衛』という見解すら逸脱し、『自衛』を口実とした一種の『先制攻撃論』であり、際限のない軍拡競争に道を開くもので、非常に問題」と指摘しています。
◆また、2006年10月9日の北朝鮮による「核実験」の時も、「日本が攻められないようにするために、その選択肢として核(兵器の保有)ということも議論としてある。議論は大いにしないと(いけない)」(中川昭一自民党政調会長・当時)「非核三原則は維持していくという政府の立場は変わらない」としつつ「一つの考え方として、いろいろ議論しておくことは大事」(麻生太郎外相・当時)などの発言が起こりました。
しかし、米国も含め平和的・外交的な解決が国際社会の一致した流れとなり、日本国内の一部の強硬論は通用しなくなり、日本政府も「粘り強く外交的に努力を重ねていくのが第一にやること」(塩崎恭久官房長官・当時)などの態度を取らざるを得ませんでした。
特に国連を中心として国際社会が、北朝鮮のこの問題を外交的に解決しようと懸命に努力しているときに、「敵基地攻撃能力」の保有・「核武装論」などという議論を重要閣僚が言葉にすることは、北朝鮮の無法を更に助長し、六ヵ国協議につかせることや外交的解決を阻むことになりかねません。日本政府にとって重要なのは、軍事的対応の議論ではなく、あくまで平和外交的努力によって問題の解決を図ることです。
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