4月25日付けの当ブログでもご紹介しましたが、麻生太郎首相が、靖国神社の最大行事の一つであり4月21日から始まった春季例大祭に参拝し、祭壇などに供える「真榊(まさかき)」を奉納しました。
靖国神社は先の太平洋戦争など侵略戦争遂行の精神的支柱の一つであった国家神道の最重要の拠点であり、日本が多大な被害を与えた中国や韓国などアジア諸国をはじめ国内外で、日本の歴代首相が靖国参拝することが問題視されてきました。
「真榊」とは一体何なのか?‥‥そんな疑問が心に引っかかっていたところ、4月29日付け「しんぶん赤旗」の『朝の風』欄に解説されていましたので紹介します。(文責:サイト管理者)
「真榊」の「真」は“美称”で、「榊」は神前に供えて神の神聖な依代(よりしろ=神霊のよりつく代物)として用いられてきたそうです。
榊の枝に白幣をつけ、これを神霊の象徴とし、この榊を中心にして祭祀が行われるという訳です。今日では、「玉串奉奠(たまぐしほうてん)」と呼ばれ、榊を神前に供えて神に祈願する道具とされているのです。
つまり「真榊」を奉納するとは、“宗教行為”そのもの。
なぜ、麻生首相が靖国神社を参拝し、「真榊」を奉納したことが問題であるのか?
憲法20条3項の「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない」と規定しています。今回の麻生首相の行動は、このことからも明白な憲法違反なのです。麻生首相は、この「真榊」料の5万円を私費で支払ったと強弁していますが、木札には「内閣総理大臣 麻生太郎」と書いているのですから、その理屈は通りません。
麻生首相は靖国参拝した同日の4月21日夜、「昨年10月も納めた。国のために尊い命を投げ出した人に感謝、敬意を表するものだと思う」と述べ、昨年の秋季例大祭の際にも「真榊」を奉納していたことを首相官邸で記者団に明らかにしました。
A級戦犯を合祀し、日本の侵略戦争を“正義の戦争”と美化し宣伝している靖国神社への麻生首相の今回の行動に対し、「重大な関心と不満」(中国外務省)、「正しい歴史認識を確立する面から大変遺憾」(韓国外交通商省)とアジア近隣諸国から批判が出ているのは当然です。
「真榊」を奉納した現職首相としては中曽根康弘元首相が20数年前に、2007年4月には安倍晋三元首相も奉納しています。
【参考】4月29日付け「しんぶん赤旗」の「朝の風」欄より
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