とだ九条の会blog

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「新テロ特措法改定案」参考人質疑での中村哲医師の発言(2)

2009年03月31日 | 国際・政治

昨日に引き続き、2008年11月5日、 参議院外交防衛委員会より参考人招致で発言したペシャワール会現地代表の中村哲氏の発言のつづきを掲載します。(サイト管理者)

さらに、今アフガニスタンの問題がいろいろ言われておりますけれども、この干ばつに加えまして、アフガニスタンをむしばんでおるのが暴力主義であります。これは、アフガン人の暴力であることもありますし、外国軍による暴力のこともある。これがアフガンの治安の悪化の背景を成しておりまして、私どもはこれに対しても心を痛めておる次第であります。今、盛んに報道されておりますけれども、アフガニスタンは現在治安の悪化が、悪くなる一方でありまして、しかもその治安悪化が隣接するパキスタンの北西辺境州まで巻き込んで膨大な数の人々が死んでおるということは皆さん御存じだと思います。先ほど冒頭に述べました干ばつとともに、いわゆる対テロ戦争という名前で行われる外国軍の空爆、これが治安悪化に非常な拍車を掛けておるということは、私は是非伝える義務があるかと思います。一口にいろんな反政府運動だとか武装組織だと言いますけれども、基本的にこのアフガン土着の反抗勢力を見渡してみますと、基本的にアフガンの伝統文化に根差した保守的な国粋主義運動の色彩が非常に濃い。切っても切っても血がにじむように出てくる。決してある特定の、旧タリバン政権の指令一つで動いておるわけではない。いろんな諸党派が乱立しまして、それぞれに外国軍と抵抗している状態。それから、かつてなく欧米諸国に対する憎悪が民衆の間に拡大しているというのは、私たちは水路現場で一般の農民たちと接しておりまして感じる実感であるということは伝えておきたいと思います。もちろん、いろんな反抗勢力の中には、私たちの伊藤君、職員の一人であった伊藤君が犠牲になったように、とんでもない無頼漢もいますけれども、各地域でばらばらにそういった自発的な抵抗運動が行われておる。それだけ根が深いわけでありまして、恐らく2000万人のパシュトゥン民族、農民を抹殺しない限り戦争は終わらないだろうというのは、これは私ではなくて、地元の人々、これは地元のカルザイ政権も含めた人々たちの意見でありまして、しかも、武装勢力といっても、アフガン農村について日本で知っている人は少ないと思われますけれども、兵農未分化、すなわち侍と百姓が未分化な社会でありまして、すべてのアフガンの農村は武装勢力と言えないことはない。その中で混乱状態が何を引き起こすかというのは御想像に任せたいと思います。しかも、アフガン農村では復讐というのは絶対のおきてであります。ちょうど赤穂浪士のようなものなんですね。
私たちはニュースの上で、アメリカ兵が今年は何名殺された、カナダ兵が何名殺されたということはニュースになりますけれども、その背後には、一人の外国兵の死亡に対して、何でもない普通の人が死ぬアフガン人の犠牲というのはその100倍と考えていい。すなわち、外国人の戦死、あるいは犠牲者の百倍の人々が、日々、自爆要員、いわゆるテロリストとして拡大再生産されていく状態にあるということは是非伝えるべきだと私は思います。
アフガニスタンとパキスタンの国境地帯もこの悲劇が及んでおりまして、現在、抵抗勢力が何か危ないとパキスタン側に逃れるということで、パキスタン側、アフガニスタン側両側から挟み打ちのようにして軍事作戦が行われておるようでありますけれども、これがまた、今度は、うそのような話で、パキスタン国境地帯からアフガン側に流れてくるパキスタン難民というのが発生する。こういった事情の中で、私が25年いる中では現在最もアフガニスタンは治安が悪くなっておる状態だと言うことができると思います。
(つづく)

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「新テロ特措法改定案」参考人質疑での中村哲医師の発言(1)

2009年03月30日 | 国際・政治

2008年11月5日、 参議院外交防衛委員会における「テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法の一部を改正する法律案」審議で、2名の参考人が招致され意見を表明しました。その参考人とは、ペシャワール会現地代表の中村哲氏と独立行政法人国際協力機構(JICA)広報室長・力石寿郎氏です。
この参考人質疑については2008年11月22日付け当ブログでも紹介していますが、そのなかで中村哲氏は「軍事力では(テロは)絶対になくならない。ますます拡大する」と述べ、米主導の報復戦争と、それに協力する海自派兵の継続を批判しています。既に12月12日に衆院本会議において再可決で成立されてしまいましたが、大変卓越した重要な意見ですので、改めて中村哲氏の全発言を3回に渡って転載することにします。(サイト管理者)

中村です。ペシャワール会現地代表として発言を許していただきたいと思います。
私は、実はおとといまでジャララバード北部にあります干ばつ地帯の作業現場で土木作業をやっておりました。なぜそうなのか。今日の議題と一見関係ないようですけれども、実はアフガニスタンを襲っているのは、最も脅威なのは大干ばつでありまして、今年の冬、生きて冬を越せる人がどれぐらいいるのか。恐らく数十万人は生きて冬を越せないだろうという状況の中で、私たちは、1人でも2人でも命を救おうということで力を尽くしております。そのために用水路の建設、これは冬が勝負のしどころでありまして、何とか完成しようということで力を尽くしておるわけであります。
繰り返しますけれども、アフガニスタンにとって現在最も脅威なのは、みんなが食べていけないということであります。イギリスの著名な団体の発表によりますと、恐らく500万人の人々がまともに食べられない、飢餓状態にあるというのがアフガニスタンの現実でありまして、このみんなが食べていけない状態、そのためにみんな仕方なく悪いことに手を出す、あるいは傭兵となって軍隊に参加するという悪循環が生まれておりまして、今日審議される事柄と決して無縁どころか、一つの大きな要因を成しておるのではないかというのが私たちの認識であります。
例えば、穀物の自給率は半分以下、小麦の価格はこの1年で3倍から4倍に高騰しておりまして、普通の人々はもう生きていけない。私たちのこの職場でも、職員150名の給与を過去5回にわたって上げましたけれども、それでも食えない状態と。一般の人々にとっては戦争どころではないというのが思いであろうかというふうに私たちは考えております。衣食足って礼節を知るといいますけれども、まずみんなが食えることが大切だということで私たちはこのことを、水それから食物の自給こそアフガニスタンの生命を握る問題だということで、過去、ペシャワール会は干ばつ対策に全力取り組んできました。私たちは医療団体ではありますけれども、医療をしていてこれは非常にむなしい。水と清潔な飲料水と十分な食べ物さえあれば恐らく8割、9割の人は命を落とさずに済んだという苦い体験から、医療団体でありながら干ばつ対策に取り組んでおります。
その結果、現在、ジャララバード北部、具体的にはニングラハル州北部全域に展開いたしまして、5年前から用水路の建設に着手いたしまして、現在20キロメートルを完成しつつあります。その結果、それまで荒廃していた砂漠化地帯で10数万人の人々が帰ってきて生活できるようになる。更にこれが20数キロ完成いたしますと約5000ヘクタールから6000ヘクタールの新たな開墾地が生まれまして、20万人、30万人以上の食料需給が可能になるということで、地域住民と一体になって仕事を進めておるところであります。
それだけではなくて、こういった人海戦術を使った、現在500名以上の作業員が私たちと仕事をしておりますけれども、当然雇用が発生する。それを聞き付けて、パキスタンに逃れておった干ばつ避難民が戻ってくる、あるいは国内避難民が戻ってくるということで、仕事をしている間は日当で何とか食い、それから水が来れば、これは自分たちの土地ですから、自給自足の国なんですね、アフガニスタンは八割以上が農民の国でありまして、彼らは水さえあれば、所得こそ少ないですけれども、農産物さえあれば決して貧しい国ではない。彼らの要求というのはそう高くない。家族がまず一緒にふるさとにおれて十分な食べ物があること、それ以上の望みを持つ人は私は少ないと思います。そういうことでありまして、私たちは、まずは水、それも清潔な飲料水。これは、具体的には1500本の井戸を私たちは掘ってきましたけれども、この事業も継続されております。
さらに、農業生産力、農業自給率を高めるということに力を尽くしております。
(つづく)

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永六輔さんが語る、99条「憲法尊重擁護義務」とテレビが抱える問題

2009年03月29日 | 国際・政治

永六輔さんといえば、以前、2006年10月10日付け当ブログで「井上ひさし、永六輔、小沢昭一が、憲法記念日に集合」と題し、憲法制定から60年目の憲法記念日である2006年5月3日に紀伊国屋ホールで行われた講演会を紹介したことがあります。その時も、永六輔さんは「憲法9条を守る会」に入っていますが「99条を守る会」もやっていると自己紹介し、憲法99条の重要性について語っています。
今回は、毎日新聞の2009年1月30日 付け東京夕刊に掲載された『特集ワイド:この国はどこへ行こうとしているのか 永六輔さん ◇振り向き、歩こう--ラジオパーソナリティー・永六輔さん』で次のような記事が掲載されていることを知りました。大変、含蓄のある興味深いお話になっていますので、少し長いですが、記事の全文を転載させていただきます。(サイト管理者)

■40年以上続くラジオ番組の収録のために、永六輔さん(75)が毎週通う東京・赤坂のTBS。その1階の喫茶室に、約束時間より30分ほど前に着くと、既に永さんはそこにいた。ゆったりと椅子に腰掛けて、静かにはがきを書いている。こちらに気付くと、表情が自然にほころんだ。
「実は明治維新は終わっていないんじゃないか」
えっ? 開口一番、言われたことに戸惑った。
「女学生のセーラー服は、海軍水兵の軍服。男子の詰め襟だって、元は軍服です。日本人は子どもの時から軍服を着ている。それを誰も不思議に思わない。小泉(純一郎元首相)も、引退するけど、せがれに後を継がせる。どこが改革? そんなの、江戸時代じゃない。明治で新しくなり、第二次世界大戦で世の中が変わり、世界の経済大国になった。そうやって、どんどん世の中変わっていると思うだろうけれど、本当は全然変わってない。明治維新が終わっているなら、国民はもっと目覚めているよ」
永さんの目には、政治は未熟だしとてもではないが近代化された国家には見えない。だから明治維新はまだ続いているというわけだ。少し極端にも思えるその論理の背景にはもちろん、いまの政治への憤りがあるようだ。

■永さんは、戦争放棄を定めた憲法9条を守る会に賛同する一方で、「99条を守る会」を個人的につくっている。まるで冗談みたいな名前だが、実際はとても論理的だ。99条は、憲法尊重擁護の義務を定めているのだ。
天皇又(また)は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。しかし、現実は、自民党議員をはじめとする政治家は、守るどころか、憲法、特に9条を変えようと必死だ。
「99条を守っているのは天皇陛下だけなの。他の連中は守っていません。守っていないだけじゃなくて、無駄遣いはするわ、ごまかすわ」と、不愉快そうに言った後、声のトーンを変えた。「僕は天皇陛下を尊敬しています。99条を守っているから。僕はまじめに、天皇陛下が大好き」。その表情は、無邪気でうれしそうだ。
憲法条文を見ると、政府などの権力を縛り、国民の権利を守ろうとする姿勢が一貫して流れている。
永さんは、「憲法は国民には何も厳しいことは言っていないの。国民は安心して生きていれば、何もしなくていいんです」と話した後、「政治がしっかりしていれば」と、付け加えた。
でも、政治家はしっかりしていませんよね?
「していません」と、きっぱり。
その政治家を選んだのは国民……。
「そうです」
ということはやっぱり、国民が悪いということになるんですか?
「そう考えると、おしまいになっちゃう」
おちゃめな言い方に、カメラマンと3人、一同大笑い。
「投票して誰かを選ぶんじゃなくて、投票して誰かを落とす選挙にすべきだと思う。選ばれて政治家になっちゃったヤツはしょうがないけど、『こいつだけは許せない』っていう人は落とされちゃう。そこまで徹底しないとダメだよ」

■永さんは、東京・浅草の浄土真宗のお寺に生まれ、さまざまな立場、境遇の人たちに触れて育った。中学生の時に習い事の月謝代稼ぎにNHKラジオに投稿した台本やコントが次々に採用され、高校生でスタッフに。20歳前後はちょうどテレビが開局する草創期。試験放送の段階から携わって現在の日本のテレビ放送の礎を築いた。
しかし、「明治維新が終わっていない」元凶の一つは、テレビだと指摘する。国民が民主主義に目覚める前に、テレビの時代が来てしまったのが問題だという。
「テレビって、『なんでこんなことやっているんだ?』っていう番組が多い。僕はそのテレビを作ってきたのね。とっても恥ずかしい」。そして、テレビが抱える問題の本質を指摘した。「危険なのはね、みのもんたでも、田原総一朗でも、怒るでしょう? 政治家を呼んでおいて『こんなこと許せないっ』なんて。国民は、怒っている人を見て『あっ、怒ってくれている』と確認すると、怒らなくなっちゃうんですよ。それが一番怖いと思う」。そして、テレビの欺まんを嘆いた。「大相撲の朝青龍にしても、初日前まであれだけたたいて『2~3連敗して引退』って専門家が言っていたのに、そうならなくてもみんな謝らない。言いたい放題言っておいて、言いっぱなし。放送っていうのは、送りっ放しって書くけど、まさにそう。でも、テレビの話題だと、何でも事件になるでしょう。テレビってそれほどのものか、って思いますね」
永さんは、そんなテレビが嫌になって、昔から親交の深い黒柳徹子さんと、筑紫哲也さん(昨年11月に死去)の番組に年に1回ずつ出る以外は、ほとんどテレビには出演していないという。
「明治維新が終わっていない」という閉塞(へいそく)感漂う日本の状況を変えるにはどうしたらいいのだろうか。
「しょっちゅう旅をしているから、僕は知らない街へ行きます。そういう時、振り返るんですよ、歩きながら。どういう道を歩いてきたかを確認すると、帰りに迷わないの。でも、振り返らないで歩くと、ちょっとしたカーブで迷っちゃう。日本という国は、立ち止まって振り返って……ということをしないまま来ちゃっているからね」。だから迷っているのだという。「『上を向いて歩こう』じゃなくて、『振り向きながら歩こう』」と、永さんは、自身が作詞した坂本九の大ヒット曲に絡めて、提案した。そのためには、新聞も本も、仲間との会話も、歴史を学ぶことも必要になってくる。
永さんの大ぶりセーター。笑顔の犬のイラストデザインが目に付く。聞けば、ファッション評論家でタレントのピーコさんがコーディネートしてくれたのだという。「女房みたいでね」なんて言って、うれしそうに笑った。元々は、02年に亡くなった妻、昌子さんの古い友人だという。多いときには1日100通以上、1年で4万通のはがきを書いてきた永さん。亡くなった妻あてのはがきも、一緒に毎日したためている。【中川紗矢子】

【人物略歴】えい・ろくすけ=1933年、東京都生まれ。ラジオパーソナリティー。放送作家、作詞家、司会者、エッセイスト、語り手などの幅広い活動で知られる。作曲家の故・中村八大氏とのコンビで「こんにちは赤ちゃん」など数々のヒット曲を手がけた。著書多数。担当するTBSラジオ「誰かとどこかで」は今年、開始から42年を迎えた。

【出典】『特集ワイド:この国はどこへ行こうとしているのか 永六輔さん ◇振り向き、歩こう--ラジオパーソナリティー・永六輔さん』(2009年1月30日 付け「毎日新聞」東京夕刊)

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「とだ九条の会」などが「田母神問題」で学習講演会開く

2009年03月28日 | 国際・政治

P1010095 3月26日(木)午後7時から2時間にわたり、戸田市文化会館304号室で「田母神問題の本質と自衛隊の危険な実態」と題した学習講演会が開かれ、市民の皆さんなど約100名が参加しました。
この学習講演会は、「とだ九条の会」と「憲法改悪反対戸田共同センター」が共催で開催したもので、講師は、日本平和委員会代表理事、弁護士、元参議院議員の内藤功氏です。

「とだ九条の会」代表の高柳美知子さんの主催者挨拶のあと登壇した内藤氏は、レジュメの他、7種類もの資料を駆使して約1時間半にわたり「田母神問題と自衛隊」について、時にはユーモアを交えながら熱っぽく講演しました。

講演は、 【序論】として、
(1)「田母神問題」の経過紹介
(2)日米同盟と自衛隊の現状
そして、【本論】として
(3)自衛隊員の精神思想教育の現状
(4)自衛隊内の歴史教育
(5)応募論文「日本は侵略国家であったのか」にみる歴史認識
(6)部外の国民にも歴史を語って国防意識の高揚と『啓蒙』
(7)この動きを容認助長している背景はなにか
そして、【まとめ】として
(8)闘いの意義と展望
・「九条の会」の役割
・名古屋高裁のイラク派兵違憲判決の意義と活用
の項目の順で、体系的に分かりやすく解説してくれました。

内藤氏からは、田母神問題が判明したのは昨年10月31日、もう過ぎ去った過去の問題ではなく、今、田母神氏は全国での講演に引っ張りだこだし、田母神氏自身の書籍も本屋に平積みになっている、マスコミも持ち上げている状況は、決して甘く見てはいけないといった趣旨の発言がありました。
その意味では今回の学習講演会は、まさに時局にあった勉強会だったと思います。

最後に、参加者からの質問コーナーでは、
・日米安保条約との関係
・北朝鮮のミサイル発射問題
をどのように考えるかなどの質問が出されました。

参加者からは、「難しいテーマと思っていたが分かりやすくとてもよく分かった」「時にはホーとかヘーとかいった驚いた声も出て、みんな一生懸命に講演を聴いていた」「憲法9条をめぐる政治のせめぎあいの状況が分かった」「もっと頑張らねばと思った」「田母神発言のような歴史認識を容認させないためにも『世論』と『国会』と『裁判』(名古屋高裁の違憲判決など)の三者を活かした運動の強化などが重要だと感じた」「元気をもらった」などの感想が寄せられました。

■内藤氏の講演内容(概要)については、後日、ご紹介して行きたいと思います。

<アレン・ネルソンさん死去>「憲法九条をアメリカと世界に」とアメリカや日本各地で講演や執筆活動をしてきた元米海兵隊員のアレン・ネルソンさん(61歳)が3月26日(現地時間25日)にアメリカ・ニューヨーク市内の病院でなくなりました。
アレン・ネルソンさんは1947年、ニューヨーク生まれ。アフリカ系アメリカ人。高校中退後、米海兵隊に志願入隊し、1966年、沖縄での最終訓練を経てベトナム戦争に従軍しました。しかし、「戦争」そのものの非人間性に気づき、除隊。帰国後、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しみました。しかし、殺人という自らの罪を認めることにより「再生」。キリスト教フレンド派(通称「クェーカー」)の非暴力思想に共鳴し入会。1996年以来、日本各地で講演活動を展開、特に日本国憲法第九条の人類史的意義を強調しました。講演前後にブルースの弾き語りも好評でした。著書に『みんな聞いてくれ!これが軍隊だ!そのとき、赤ん坊が私の手の中に~輝く日本国憲法第九条 世界の「希望の灯」を消さないで!~』(K9MPなんで?なんで?ブックレットNo.3)。昨年暮れ、体調が急変し、入院検査の結果、多発性骨髄腫と判明。闘病生活を送っていたものです。心よりご冥福をお祈りします。

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DVD「ジャーハダ イラク 民衆の闘い」を見ました

2009年03月27日 | 国際・政治

090327 先月2月12日に、埼玉・浦和のさいたま共済会館にて行われた「田母神問題と憲法九条」の学習会(講師:山田朗明治大教授、埼玉弁護士会主催)の冒頭で、DVD「ジャーハダ  イラク 民衆の闘い」が上映されました。

「ジャーハダ」とはアラビア語で「闘う」という意味で、動名詞化すれば「ジハード」となります。そう、「ジハード」とはテロリストが好んで使うので良いイメージではなくなったのですが、元々は「苦労して闘い取る」というような意味の単語だそうです。因みに「闘う人」は「ムジャヒディーン」というそうです。

「ジャーハダ」は「イラクの子どもを救う会」が2008年9月制作したもの。2007年10月と2008年3月に、ジャーナリストの西谷文和氏がイラク入りした際の映像を中心にまとめたものです。全編36分の作品で、価格1000円(税込)。全体を5つの章に分けた構成となっています。各章の内容は以下の通りです。

【第1章】あふれ出す難民:イラク戦争後数百万人といわれる人々が、隣国ヨルダンやシリアに逃れている現状と、生活に密着した難民の生活を描いています。
【第2章】生物化学兵器使用疑惑:米軍が使用した疑いのある神経麻痺ガスの被害者にインタビューしたものです。米軍は劣化ウラン弾やクラスター爆弾だけではなく、さまざまな爆弾を「人体実験」のように使用している疑いが極めて強く、原因不明の脳性まひ者などが急増しています。そんな現状にスポットを当ててみました。
【第3章】民営化される戦争:ブッシュ政権が軍産石油複合体であること、ブッシュ一族とビンラディン一族は、実は資産家の身内同士であること、テロとの戦いの裏でブッシュとその周囲が巨額の収益を上げていることなどを、マンガを使ってわかりやすく説明しています。
【第4章】ムラートくんを救え!:自爆テロで重傷を負った13歳の少年を、危険を冒して救出するドキュメンタリーです。
【最終章】ファイト!闘う君の唄を:中島みゆきさんの名曲「ファイト!」にのせて、イラク人と日本人の平和を求める闘いを描いています。

■西谷文和氏(「イラクの子どもを救う会」・ジャーナリスト)のプロフィール
1960年生まれ。85年から吹田市役所に勤務し、2005年に退職。在職中から、コソボやアフガンなどでアメリカの空爆などの現状を取材。
イラクへは9回入国にチャレンジし、7回入国に成功。湾岸戦争、そして今回のイラク戦争で、大量に使用された劣化ウラン弾によるものと思われる被害の実体を取材。
日本から人道支援を行う必要があると感じたため、03年12月、イラクの子どもを救う会を設立。現在は人道支援のNGOと、フリージャーナリストとして戦争犯罪を告発するという、2つの面で活動を続けている。
06年度「平和協同ジャーナリスト基金大賞」を受賞。
現在、08年10月の9回目のイラク取材から帰国したばかり。戦争被害を映像に収め、
テレビ朝日「報道ステーション」や朝日放送「ムーブ!」、TBSテレビ「イブニングニュース」などで放映。戦争の悲惨さを伝えている。
■「イラクの子どもを救う会」ホームページ=http://www.nowiraq.com/

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