秋田弁護士会主催の「憲法改正問題を考える市民集会」が11月19日、秋田市であり、早稲田大学の水島朝穂教授(憲法学、法政策論、平和論)が「東日本大震災と憲法」と題して講演。約100人の参加者が熱心に聴き入りました。
水島教授は、憲法とは「失敗の歴史を繰り返さないため、(国民ではなく)権力者を縛るためにある」と述べ、震災に乗じて国家緊急権を憲法に盛り込む案など「どさくさまぎれの改憲論」を危惧しました。その上で、憲法改正を論じる際は、(1)変える側に高い説明責任がある、(2)十分な情報提供の必要性、(3)熟慮と議論をする時間--の3点を守る「作法」が必要と論じました。
そして東日本大震災について水島教授は、「震災は構造改革で弱っていた東北地方を襲った。その意味で人災だ」と述べた上で、岩手、宮城、福島の被災3県を巡り、考えたことに言及。宮城県で被災した漁業を復興させるため、民間資本の参入を促す案が出ていることに「米国の規制緩和、民営化の戦略の延長線上にある復興策。TPPと似た問題だ」と反対の意見を表明しました。
また、災害派遣が評価された自衛隊については「人命救助システムや国際的な支援を充実させ、原発事故や火山噴火に対応できる非軍事の『災害救援部隊』に切りかえていくべきだ」と述べ、未曽有の事態に国家が強い権限を発揮する「国家緊急権」の規定がないことについては「現行法で十分対応できる。内閣にこれ以上、権限を集中させる必要はない」と主張しました。
さらに、東京電力・福島第一原子力発電所の事故を受け、「絶対的な安全はありえない。原発周辺は絶対的な安全を求めたため、自由やプライバシーが失われてきた。軍事か平和利用かの区別なく、人類は原発をやめるべきだ」とも発言しました。
【出典参考」】2011年11月20日付け「毎日新聞」・21日付け「朝日新聞」
※このブログをお読みの方で、「私も九条の会のアピール(「とだ九条の会」HPをご覧ください。)に賛同し、憲法九条を守る一翼になりたい」という方は、 「とだ九条の会」HPに「WEB署名」がありますので、「賛同署名」にご協力ください。
■「とだ九条の会」公式ホームページもご覧ください。
http://www15.ocn.ne.jp/~toda9jo/
■「とだ九条の会」ブログのバックナンバー一覧はこちらが便利です。
http://www15.ocn.ne.jp/~toda9jo/blogmokuji.html
■「とだ九条の会」ツイッターのアドレス
http://twitter.com/toda9jo