とだ九条の会blog

「とだ九条の会」公式HPに併設=「とだ九条の会ブログ」でネットワークを広げます。

「核の傘」固執を批判--寺島実郎氏(3)

2009年09月30日 | 国際・政治

昨日に引き続き、『文芸春秋』10月号に寄せた寺島実郎氏(財団法人 日本総合研究所会長)の論文「米中二極化『日本外交』のとるべき道~『米国追従』から決別し、真に『自立』するための大原則~」から、その指摘の詳細を見て行きたいと思います。(文責:サイト管理者)

寺島氏は、この8月に出された政府の「安全保障と防衛力に関する懇談会」の報告書についても同様の指摘をします。(関連記事:2009年9月1日付け当ブログ参照)

報告書が、「集団的自衛権行使を可能にすべきであるとし、武器輸出三原則の緩和などを求める内容ですが、要は日米で連携して北朝鮮の脅威、ひいては中国の脅威に向き合おうという昔ながらの冷戦型思考の産物です」といい、「核の傘論」についても同様だと指摘。
「核の傘論」というのは「核保有国に先制攻撃をさせないために、こちらも核を持っておけば相手は核兵器使用を踏みとどまるだろう、というロジックの核抑止論」と規定。これこそまさに冷戦時代の産物だと述べました。
その上で寺島氏は、「大切なのは、米国の無謬性(むびゅうせい=理論や判断にまちがいがないこと)を信じて運命を預託(よたく=預けること)することではなく、主体的に外交の枠組みを脱冷戦型に進化させることだ」と指摘しました。

本家本元の米国自身が「核の傘論」から一歩抜き出るような構想を掲げ、世界秩序の構造転換を図ろうとして「核なき世界」論をオバマ大統領が提唱しているときに、日本がまだ「核の傘論」に拘泥(こうでい=こだわること)していくことは、21世紀の世界秩序形成に全く噛み合っていないとも批判しました。
(つづく)

【参考】『文藝春秋』2009年10月号

※このブログをお読みの方で、「私も九条の会のアピール(「とだ九条の会」HPをご覧ください。)に賛同し、憲法九条を守る一翼になりたい」という方は、 「とだ九条の会」HPに「WEB署名」がありますので、「賛同署名」にご協力ください。
■「とだ九条の会」公式ホームページもご覧ください。
http://www15.ocn.ne.jp/~toda9jo/

コメント

「核の傘」固執を批判--寺島実郎氏(2)

2009年09月29日 | 国際・政治

昨日に引き続き、『文芸春秋』10月号に寄せた寺島実郎氏(財団法人 日本総合研究所会長)の論文「米中二極化『日本外交』のとるべき道~『米国追従』から決別し、真に『自立』するための大原則~」から、その指摘の詳細を見て行きたいと思います。(文責:サイト管理者)

寺島氏は、戦後の日本の内政と外交は世界潮流を見事に反映してきたと言えると分析。「資本主義」対「社会主義」の冷戦構造は、そのまま「自民党」対「社会党」という“55年体制”となって現れたと論文を始めました。
ところが、1989年のベルリンの壁崩壊で冷戦が終結したにも関わらず、90年代の日本は冷戦型の世界認識から脱しきれなかったと指摘。

外交・安全保障面では、冷戦下の産物である「日米安保」が再検討されるどころか、「極東条項」というしばりを拡大解釈する日米防衛協力のための指針「ガイドライン」の見直しまで行われ、米国と併走を一段と進めたといいます。

経済においても米国との併走こそ日本にとっての利益とばかり、1994年以降「年次改革要望書」が米国から示され、金融をはじめとした規制緩和が求められるなか、米国主導のグローバリゼーションに同調させられたと指摘しました。

この90年代の対米協調路線は「9・11」からの21世紀、「米国についていくしか仕方がない」とした小泉純一郎首相の登場でさらに増幅。イラク戦争では米国から「ショウ・ザ・フラッグ」「ブーツ・オン・ザ・グラウンド」と日本の軍事的協力を期待され、外交的な思考停止のままブッシュとともに8年間も走り続けたと。
ところが、「イラク戦争の失敗」「サブプライムローン問題」など、米国の一極支配は崩壊へ。そんな中、台頭してきたのが中国だったと寺島氏はいいます。いまや世界秩序は米中による「G2化(2国主導化)」に向かいつつあると。
しかし残念なことに、これまでの日本の外交政策は世界がG2化している現状を見据えるどころか、冷戦型の世界認識から脱却できていないと言わざるを得ないというのです。
(つづく)

【参考】『文藝春秋』2009年10月号

※このブログをお読みの方で、「私も九条の会のアピール(「とだ九条の会」HPをご覧ください。)に賛同し、憲法九条を守る一翼になりたい」という方は、 「とだ九条の会」HPに「WEB署名」がありますので、「賛同署名」にご協力ください。
■「とだ九条の会」公式ホームページもご覧ください。
http://www15.ocn.ne.jp/~toda9jo/

コメント   トラックバック (1)

「核の傘」固執を批判--寺島実郎氏(1)

2009年09月28日 | 国際・政治

(財)日本総合研究所会長で(株)三井物産戦略研究所会長でもある寺島実郎氏は、このほど『文芸春秋』10月号の論文で、「核の傘」について「まさにソ連とアメリカが睨み合っていた冷戦時代の産物」と断じ、「核の傘」に固執し、アメリカに追従してきたこれまでの日本政府(自民党政権ならびに自公政権ですが)の外交姿勢について批判しました。そこで何回かにわたりその概要をご紹介します。(文責:サイト管理者)

この論文は、「米中二極化『日本外交』のとるべき道~『米国追従』から決別し、真に『自立』するための大原則~」というもの。
寺島氏は、「核の傘論」について「核保有国に先制攻撃をさせないために、こちらも核を持っておけば相手は核兵器使用を踏みとどまるだろう、というロジックの核抑止論」と規定。オバマ米大統領の「核なき世界」論を紹介し、「アメリカ自身が『核の傘論』から一歩抜け出るような構想を掲げ、世界秩序の構造転換を図ろうとし」「本家のアメリカが変わろうとしている中、日本がまだ『核の傘論』に拘泥(こうでい=こだわること)していくことは、21世紀の世界秩序形成に全く噛み合っていません」と述べ、これまでの日本の外交政策について「(世界の)現状を見据えるどころか、冷戦型の世界認識から脱却することができないまま、アメリカとの一体化だけを進めてきた」と指摘しています。

また、寺島氏は同論文の中で、民主党の鳩山由紀夫代表とは「個人的つきあいの縁も長い」とし、「こうした外交の一大転換を民主党外交は担えるかどうか」は、「民主党が内政も外政も一体となったあるべき日本の構想を描けるかどうかにかかっている」と述べています。
(つづく)

【参考】2009年9月12日付け「しんぶん赤旗」、『文藝春秋』2009年10月号

※このブログをお読みの方で、「私も九条の会のアピール(「とだ九条の会」HPをご覧ください。)に賛同し、憲法九条を守る一翼になりたい」という方は、 「とだ九条の会」HPに「WEB署名」がありますので、「賛同署名」にご協力ください。
■「とだ九条の会」公式ホームページもご覧ください。
http://www15.ocn.ne.jp/~toda9jo/

コメント

憲法改悪反対共同センターが結成5周年--憲法生かす運動さらに

2009年09月27日 | 国際・政治

労働組合や民主団体などでつくる「憲法改悪反対共同センター」が、このほど結成5周年を向かえ、9月16日に結成5周年記念集会を東京都内で開催、192人が参加しました。

冒頭、主催者挨拶にたった全労連の大黒作治議長は、これまで憲法改悪反対共同センターなどが中心となって集めた憲法改悪に反対する署名1153万人分を国会に提出したことを報告。50余年続いた自民党政権が崩壊し、民主党を中心とする新政権ができた歴史的な情勢の下で「憲法の民主的諸条項を生かす運動がますます重要」と語りました。

つづいて一橋大学の渡辺治教授が「総選挙後の情勢と憲法をめぐる動向」、自由法曹団の田中隆弁護士が「改憲手続き法をめぐる到達と課題」についてそれぞれ講演しました。
渡辺氏は、反「構造改革」の世論などが、総選挙での民主党の勝利につながったと指摘。民主党内にさまざまな潮流があることにふれ、「民主党がどこに向かうかは、国民のたたかいと支配層の力関係によっている」として、「憲法改悪反対共同センターの機敏なたたかいが必要」と語りました。
また、田中氏は、2007年5月に制定された「改憲手続き法」をめぐる攻防で、「国民的批判が、多くのくさびを打ち込んだ」と強調。来年5月の同法施行にあたって、「手続き法制定後2年半のたたかいに確信をもって、さらに大きな運動を」と呼びかけました。

集会では、憲法改悪反対共同センターを構成する各団体の代表が決意を表明しました。また、仁比聡平参議院議員(日本共産党)が国会報告をしました。

【参考】2009年9月18日付け「しんぶん赤旗」

※このブログをお読みの方で、「私も九条の会のアピール(「とだ九条の会」HPをご覧ください。)に賛同し、憲法九条を守る一翼になりたい」という方は、 「とだ九条の会」HPに「WEB署名」がありますので、「賛同署名」にご協力ください。
■「とだ九条の会」公式ホームページもご覧ください。
http://www15.ocn.ne.jp/~toda9jo/

コメント

国連安保理首脳会合「核なき世界」へ決議

2009年09月26日 | 国際・政治

9月24日、国連安全保障理事会(15理事国)は、オバマ米大統領が議長となり、核軍縮・不拡散をテーマにした初の首脳級特別会合を開催。「核兵器のない世界」を目指した条件づくりに安保理として取り組む決意を前文に明記した米国提案の決議が、核保有5大国を含む全会一致で採択されました。

決議は、「核不拡散条約(NPT)」締約国に対し、同条約6条に基づいて「核軍備の縮小に関する効果的措置について、および厳重かつ効果的な国際管理の下における全面的かつ完全な軍備縮小に関する条約について、誠実に交渉を呼びかける」と明記しました。
核削減を含む軍縮条約の交渉を促進するとの決議が安保理で採択されたのは初めてです。
また、決議は、NPTを核不拡散の「礎石」として、NPT非加盟国に対しても、加盟を促進することを盛り込んでおり、「包括的核実験禁止条約(CTBT)」の早期発効も目指すとしています。世界各地の非核兵器地帯条約・構想についても歓迎し支持すると表明。
北朝鮮、イランの核問題についても、過去の安保理決議を再確認しました。

拘束力のある安保理決議として「核なき世界」をめざす国際社会の意思が示されたことは画期的であり、「第1次戦略兵器削減条約(START1)」に代わる米ロ間の核軍縮条約交渉や、来年5月に行われる「NPT再検討会議」に向けた国際的努力の前進が期待されます。

<被爆国の責任果たす--鳩山首相が決意>
同日、国連安保理首脳級特別会合に出席していた鳩山由紀夫首相は、核不拡散・核軍縮に関し、「日本は戦後の復興を遂げた後も自らが核兵器を持つという道を選ばなかった」と強調。「被爆国としての責任を果たすため、日本が非核三原則を堅持することを改めて誓う。日本は核廃絶に向けて先頭に立たなければならない」とし、「非核三原則」の堅持を表明するとともに、「核廃絶の先頭に立つ」決意を示す演説を行いました。
鳩山首相は、オバマ米大統領が4月に行ったプラハ演説で「核兵器のない世界」の構想を示したことは世界中の人々を勇気づけたと高く評価。「包括的核実験禁止条約(CTBT)」、「兵器用核分裂物質生産禁止(カットオフ条約)」の早期交渉開始を呼びかけました。

また、北朝鮮による核開発について、国際の平和と安全への脅威であり、断固として認めるわけにはいかないとし、対北朝鮮制裁に関する安保理決議1874の実効性を高めるため、さらに必要な措置をとると述べました。
そして、鳩山首相は近隣国家が核開発を進めるたびに日本の核武装を疑う声が出るが、「それはわれわれの強い意志を知らないが故の話だ」として否定、非核を誓いました。

しかし、「鳩山首相はオバマ米大統領との会談で、日米同盟の堅持を確認したばかり。日米同盟の核心は、日本が米国の『核の傘』に守られることにほかならない。米国やロシアに核軍縮をのませることができなければ、首相の誓いは単なるきれいごとになる」とは「東京新聞」の指摘もあります。

鳩山首相は続いて同日午後、国連総会の一般討論演説に立ち、「新しい日本」は友愛精神に基づき、東洋と西洋、先進国と途上国、多様な文明の間で世界の「架け橋」となり、(1)世界的な経済危機、(2)気候変動問題、(3)核軍縮・不拡散、(4)平和構築・開発・貧困、(5)東アジア共同体--の「5つの挑戦」を取り組んでいく考えを表明しました。

【参考】2009年9月25日付け「しんぶん赤旗」、「東京新聞」など

※このブログをお読みの方で、「私も九条の会のアピール(「とだ九条の会」HPをご覧ください。)に賛同し、憲法九条を守る一翼になりたい」という方は、 「とだ九条の会」HPに「WEB署名」がありますので、「賛同署名」にご協力ください。
■「とだ九条の会」公式ホームページもご覧ください。
http://www15.ocn.ne.jp/~toda9jo/

コメント