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『読売新聞』の「社説」に見る「派兵恒久法」の主張(2)

2008年01月31日 | インポート
昨日に引き続き、今度は『読売新聞』の1月25日付けの「社説」から「派兵恒久法」に関する主張を見ていきたいと思います。

<海自艦船出航 給油再開の「次の手」も考えねば>という1月25日付け「社説」です。
「テロとの戦い」への復帰は一つの区切りでしかない。継続的な取り組みへ、今から「次の手」を考え始めたい。新テロ対策特別措置法に基づき、インド洋での給油活動を再開するため、海上自衛隊の護衛艦が横須賀基地を出航した。佐世保基地から出航する補給艦とともに、2月中旬にも米英軍などの艦船への燃料提供を始める。海自は昨年11月、旧テロ特措法の失効に伴い、インド洋から撤収した。給油の中断期間は4か月近くに及ぶ。「テロとの戦い」には、40か国以上が参加している。アフガニスタンでの治安維持や地域復興と、インド洋でテロリストの移動や輸送を監視・摘発する海上阻止活動が中心だ。アフガンでは計700人以上の犠牲者を出しながらも、各国は自らの役割を懸命に果たしている。国際社会から見れば、日本は、海上阻止活動への後方支援という、最も危険の小さい任務に戻るのに過ぎない。日本は近年、政府開発援助(ODA)の減少が続く。2006年の実績では、米国、英国に次ぐ世界3位に転落した。国際社会における日本の存在感の沈下に歯止めをかけねばならない。そのためにも、日本自身の平和と安全にも直結する「テロとの戦い」は、極 めて重要だ。アフガン復興への資金支援と、自衛隊などによる人的支援を「車の両輪」として取り組むべきだ。新テロ特措法の期限は1年だ。福田首相が表明したように、自衛隊の海外派遣に関する恒久法の検討が急務となる。与党は来月にも、恒久法の検討チームを設置するという。単に時限法の新テロ特措法を延長するよりも、より機動的な対応が可能な恒久法を制定する方が合理的だ、という当然の発想だ。国連安全保障理事会の明確な根拠決議を自衛隊派遣の要件とするのか。自衛隊の海外任務に治安維持や警護、船舶検査などを追加するのか。自衛隊員の武器使用基準を国際標準に改めるのか。恒久法の論点は既に、明確になっている。日本の国際平和活動への参加のあり方をしっかり議論してもらいたい。船舶検査を任務に定めれば、給油だけでなく、海上阻止活動にも参加できる。海自には、必要な装備も能力もあるとされる。検討していいのではないか。ただ、仮に恒久法整備が実現しても、実際の派遣には国会の承認が必要だ。与野党の幅広い合意を形成しなければ、安定した海外活動はできない。衆参ねじれに加え、衆院解散含みの今年の政治情勢は不確定要素が多いが 、「次の手」の選択肢の準備は怠りなく進めるべきだ。(『読売新聞』08年1月25日付け「社説」)

さあ、皆さんはこの「社説」をどうお読みになりましたか。「新テロ特措法」が「再可決」され、2ヵ月ぶりにインド洋に海自の補給艦が出発した1月25日に、『読売新聞』は勢いづいてこの「社説」を掲げました。そして、二度と今回のように米国の要求に支障をきたすことがないよう「ねじれ国会」での今回の事態を憂い、“ふがいない”政府に「次の手」を要望しているのです。我が国最大の読者を持つ“マスメディア(新聞)”は、いったい国民をどういう方向に導いていきたいのでしょうか。


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『読売新聞』の「社説」に見る「派兵恒久法」の主張(1)

2008年01月30日 | 国際・政治
昨秋の福田首相と小沢民主代表による密室会談で、両党の「大連立」問題が協議され、半ば「合意」がされていたということが自民党の伊吹文明幹事長が明らかにしていますが、このとき同時に自衛隊の海外派兵に関する「恒久法」が話されていたことも判明しています。
そして、この「大連立」構想に、米国と日本財界の意向を受けて読売新聞グループ会長の渡辺恒雄氏が関与していたことも判明していますが、その『読売新聞』が、「新テロ特措法」に関係して、新年早々の2008年1月7日付けで「やはり日米同盟が基軸だ 自衛隊派遣の恒久法を」と題する「社説」を掲げ、「派兵恒久法」について言及していますので、その「主張」についてご紹介します。

<やはり日米同盟が基軸だ 自衛隊派遣の恒久法を>という1月7日付け「社説」です。
日本の安全保障法制上、急ぐべきは、自衛隊の海外派遣に関する恒久法の整備である。
インド洋での海上自衛隊の給油活動を再開するための新テロ対策特別措置法案が成立しても、法律の期限は1年だ。期限延長問題で再び膨大な政治的エネルギーを費やしかねない。
給油も含め、自衛隊の海外任務に関する恒久法制定を目指す方が合理的だ。
恒久法整備の際、大きな論点は、国連安全保障理事会決議の有無の問題だ。
民主党の小沢代表は、安保理決議を根拠とする活動のみに自衛隊の派遣を限定するよう主張する。その場合、武力行使を含む活動でも、憲法9条には抵触しない、と言う。従来の憲法解釈の転換であり、検討に値する。
問題は、“国連史上主義”がはらむ危険だ。安保理は、中国やロシアが拒否権を行使すれば機能不全に陥る。
どんな国際平和活動に参加するかは、日本が主体的に判断すべき問題だ。安保理に判断をゆだねるのは国家主権の放棄にも等しい。安保理決議がなくても、国会の承認があれば、自衛隊を派遣できる枠組みを定めるべきである。(『読売新聞』08年1月7日付け「社説」)

さあ、皆さんはどうお読みになりましたか。もちろん『読売新聞』の右翼的な編集姿勢や主張は知っていますから、特段驚くものではないのですが、日本のジャーナリズムの質というものが問われる憂うべき状況だと“ため息”が出てしまいました。
特に、民主党の小沢代表の持論を批判する視点は、「そういう見方もあったのか」と感心するばかりです。「安保理決議」というお墨付きさえあれば、自衛隊の海外での武力行使は憲法9条に抵触しない、そういう憲法解釈は「検討に値する」とエールを送っているのです。小沢氏が国連の「集団安全保障」と軍事同盟に立脚して生まれた「集団的自衛権」の“区別”がついていないことを批判するのではなく、それどころか、逆にその国連決議で安保理の中国やロシアの拒否権が発動される場合もあることから、安保理の決議がなくとも日本の主体的な判断で自衛隊が派兵できる枠組みを定めるべきだと叫んでいるわけです。
現在、日本が取るべき態度は、米国の不当で理不尽な要求に屈せず、憲法9条に掲げるどんな武力行使も認めない「主体的な判断」こそ必要ではないでしょうか。
(つづく)

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インド洋への再派兵強行--海自給油は米の戦争支援

2008年01月29日 | 国際・政治
政府与党が衆議院で「再可決」して成立を強行した「新テロ特措法」にもとづいて1月24日、海上自衛隊の護衛艦が、25日には補給艦がインド洋に向けて出航しました。昨年7月の参議院選挙での与党惨敗による新たな国会情勢の中で、昨年11月には旧「テロ特措法」が失効して、一時海上自衛隊の補給艦などは撤退していたもので、一旦中止していた軍事支援を2ヵ月ぶりに再開させたわけです。

政府内では当初、「新テロ特措法」の成立があやぶまれ、派兵再開をあきらめる声さえあがっていましたが、福田内閣は国会の会期を二度にわたって延長させ、異例の越年国会までして同法案の成立を強行しました。

しかし、各種の世論調査でも給油活動については反対の声が多くなっていました。そこで
政府・防衛省が強調し始めたのが、給油した油がイラク作戦に転用される「懸念の払拭(ふっしょく)」(1月18日、石破茂防衛相)とともに、海上自衛隊の活動がインド洋の安全を確保し、「国民の生活基盤の安定に寄与する」(同)という宣伝でした。出航行事で町村信孝官房長官は「(海自派兵は)国益にも合致する」と述べています。

しかし、転用問題では、インド洋で米軍は「イラク作戦」「アフガン作戦」「海上阻止活動」を一体のものとして展開しているわけで、政府がどんなに「懸念の払拭」を表明したところで、転用防止などそもそも不可能なのです。先の臨時国会で町村官房長官自身、給油相手がテロリストの拡散を海上で防止する「海上阻止活動」の任務にあたってさえいれば、「それ以外の目的を同時にやっていたとしても問題ない」と答弁しているありさまです。

また、「海自の活動が国民生活を安全にする」という主張も、全く逆さまの言い訳です。現在、アフガンで米軍などが行っている掃討作戦は、多くの罪のないアフガン市民を殺害し、かえって深刻な治安悪化をもたらしています。武力行使では報復の連鎖が増すばかりで、アフガンのカルザイ政権も、空爆の中止を要求するとともに、タリバンを含む武装勢力との対話による和平を目指す方向に足を踏み出しています。ですから、米国の同盟国ですら米国の増派要求に応じようとしていないのに、日本はこの世界の流れに逆行しているのです。

これでは、「国益」どころか国際社会の平和と安全を脅かしかねないもので、「テロ根絶」ともほど遠いものです。
政府は、インド洋への海自派兵を即刻中止し、憲法の平和原則を踏むにじる“米国への戦争支援”をただちにやめるべきです。


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国民の税や社会保障の負担が過去最高に

2008年01月28日 | 国際・政治
1月23日、財務省は税や社会保障の負担の大きさを示す2008年度の「国民負担率」が、
5年連続上昇して過去最高となり、対前年度比でも0・1ポイント高い40・1%になるという見通しを発表しました。
「国民負担率」は、国民の税負担と社会保障負担の合計が国民所得に占める割合のこと。税の負担率は、法人税を中心とした税収の伸びが鈍るためわずかに下がりますが、国民年金と厚生年金の保険料が毎年上がるため、社会保障の負担率は上がり、その結果、差し引きで0・1ポイント上昇したということです。
さらに、将来的には国民負担となるという意味から国と地方の財政赤字をも加味した「潜在的国民負担率」は、3年連続の横ばいで43・5%となる見通しを発表しました。
また、我が国の「国民負担率」を諸外国と比べると、経済協力開発機構(OECD)加盟国の数値(05年)で比較可能な28ヵ国の中、日本は低い方から6番目となってると報告しています。


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憲法から見る「後期高齢者医療制度」(4)--憲法が定める国の責任としての医療を

2008年01月27日 | 国際・政治
昨日に引き続き「後期高齢者医療制度」について「医療と憲法」を考えてみたいと思います。

現在の医療を含む社会保障制度の考え方の基本は、「国による基本的人権の保障」です。「基本的人権」とは、「人間である以上、だれでも等しく保持している自由および権利」のこと。狭義の「生存権」の保障だけでなく、すべての人がかけがえのない存在(人間の尊厳)、自由に差別なく生きる権利(平等と生存権)を前提としているわけです。
しかし、小泉元首相が進めてきた「構造改革」によって、国民生活には格差と貧困が広がり、生きていくだけでもとても厳しい状況に追い込まれていることに加えて、国や自治体から受ける医療や福祉などのサービスが減り、その上、税金や保険料の負担だけは増加する--生活費すら奪われ、特の高齢者負担は増加し、「年寄りは早く死ね」と言わんばかりの状況が続いています。今回の「後期高齢者医療制度」の導入もその最たるものです。

「医療と憲法」との関係については、全日本民主医療機関連合会副会長・原和人氏が『月刊憲法運動2007年12月号』で次のように解明しています。

そもそも、日本国憲法では、【第11条】で「国民は、すべての基本的人権の享受を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与えられる」と宣言しています。そして【第25条1項】では、「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を与えられる」として、生存権を保障しているのです。
さらに、この権利を保障するために、【第25条2項】で、「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」と、国の責任および義務を明確に規定しています。ですから、「後期高齢者医療制度」などの医療や福祉の改悪の実態は、国民の生きる権利への侵害であり、憲法に違反した行為だと指摘せざるを得ないでしょう。
また、【第13条】では、「すべての国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」としています。「自己責任」ではなく、「自己決定」の権利が国民にあることを保障しているのです。
その上、【第14条】では、「すべての国民は法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分または門地により、政治的、経済的または社会的関係において、差別されない」と「法の下の平等」を明らかにしていると同時に、【第97条】では、「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである」と確認しているのです。
原氏は、このように憲法の立場から今日の医療の現状を見たとき、医療崩壊や経済的理由から“患者になれない”とか、“保険証を取り上げられた”とか、“高齢者のみの保険制度が創設される”とかは、明らかに憲法違反であり、許すことのできない事態だと厳しく批判しています。


【参考】(1)『10問10答 とことんわかる後期高齢者医療制度』(日本共産党中央委員会出版局刊、95円+税)
(2)『月刊憲法運動2007年12月号』(憲法会議刊、381円+税)の「医療と憲法」(全日本民主医療機関連合会副会長・原和人著)より

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