昨日に引き続き、今度は『読売新聞』の1月25日付けの「社説」から「派兵恒久法」に関する主張を見ていきたいと思います。
<海自艦船出航 給油再開の「次の手」も考えねば>という1月25日付け「社説」です。
「テロとの戦い」への復帰は一つの区切りでしかない。継続的な取り組みへ、今から「次の手」を考え始めたい。新テロ対策特別措置法に基づき、インド洋での給油活動を再開するため、海上自衛隊の護衛艦が横須賀基地を出航した。佐世保基地から出航する補給艦とともに、2月中旬にも米英軍などの艦船への燃料提供を始める。海自は昨年11月、旧テロ特措法の失効に伴い、インド洋から撤収した。給油の中断期間は4か月近くに及ぶ。「テロとの戦い」には、40か国以上が参加している。アフガニスタンでの治安維持や地域復興と、インド洋でテロリストの移動や輸送を監視・摘発する海上阻止活動が中心だ。アフガンでは計700人以上の犠牲者を出しながらも、各国は自らの役割を懸命に果たしている。国際社会から見れば、日本は、海上阻止活動への後方支援という、最も危険の小さい任務に戻るのに過ぎない。日本は近年、政府開発援助(ODA)の減少が続く。2006年の実績では、米国、英国に次ぐ世界3位に転落した。国際社会における日本の存在感の沈下に歯止めをかけねばならない。そのためにも、日本自身の平和と安全にも直結する「テロとの戦い」は、極 めて重要だ。アフガン復興への資金支援と、自衛隊などによる人的支援を「車の両輪」として取り組むべきだ。新テロ特措法の期限は1年だ。福田首相が表明したように、自衛隊の海外派遣に関する恒久法の検討が急務となる。与党は来月にも、恒久法の検討チームを設置するという。単に時限法の新テロ特措法を延長するよりも、より機動的な対応が可能な恒久法を制定する方が合理的だ、という当然の発想だ。国連安全保障理事会の明確な根拠決議を自衛隊派遣の要件とするのか。自衛隊の海外任務に治安維持や警護、船舶検査などを追加するのか。自衛隊員の武器使用基準を国際標準に改めるのか。恒久法の論点は既に、明確になっている。日本の国際平和活動への参加のあり方をしっかり議論してもらいたい。船舶検査を任務に定めれば、給油だけでなく、海上阻止活動にも参加できる。海自には、必要な装備も能力もあるとされる。検討していいのではないか。ただ、仮に恒久法整備が実現しても、実際の派遣には国会の承認が必要だ。与野党の幅広い合意を形成しなければ、安定した海外活動はできない。衆参ねじれに加え、衆院解散含みの今年の政治情勢は不確定要素が多いが 、「次の手」の選択肢の準備は怠りなく進めるべきだ。(『読売新聞』08年1月25日付け「社説」)
さあ、皆さんはこの「社説」をどうお読みになりましたか。「新テロ特措法」が「再可決」され、2ヵ月ぶりにインド洋に海自の補給艦が出発した1月25日に、『読売新聞』は勢いづいてこの「社説」を掲げました。そして、二度と今回のように米国の要求に支障をきたすことがないよう「ねじれ国会」での今回の事態を憂い、“ふがいない”政府に「次の手」を要望しているのです。我が国最大の読者を持つ“マスメディア(新聞)”は、いったい国民をどういう方向に導いていきたいのでしょうか。
※このブログをお読みの方で、「私も九条の会のアピール(「とだ九条の会」HPをご覧ください。)に賛同し、憲法九条を守る一翼になりたい」という方は、 「とだ九条の会」HPに「WEB署名」がありますので、「賛同署名」にご協力ください。
■「とだ九条の会」公式ホームページもご覧ください。
http://www15.ocn.ne.jp/~toda9jo/
<海自艦船出航 給油再開の「次の手」も考えねば>という1月25日付け「社説」です。
「テロとの戦い」への復帰は一つの区切りでしかない。継続的な取り組みへ、今から「次の手」を考え始めたい。新テロ対策特別措置法に基づき、インド洋での給油活動を再開するため、海上自衛隊の護衛艦が横須賀基地を出航した。佐世保基地から出航する補給艦とともに、2月中旬にも米英軍などの艦船への燃料提供を始める。海自は昨年11月、旧テロ特措法の失効に伴い、インド洋から撤収した。給油の中断期間は4か月近くに及ぶ。「テロとの戦い」には、40か国以上が参加している。アフガニスタンでの治安維持や地域復興と、インド洋でテロリストの移動や輸送を監視・摘発する海上阻止活動が中心だ。アフガンでは計700人以上の犠牲者を出しながらも、各国は自らの役割を懸命に果たしている。国際社会から見れば、日本は、海上阻止活動への後方支援という、最も危険の小さい任務に戻るのに過ぎない。日本は近年、政府開発援助(ODA)の減少が続く。2006年の実績では、米国、英国に次ぐ世界3位に転落した。国際社会における日本の存在感の沈下に歯止めをかけねばならない。そのためにも、日本自身の平和と安全にも直結する「テロとの戦い」は、極 めて重要だ。アフガン復興への資金支援と、自衛隊などによる人的支援を「車の両輪」として取り組むべきだ。新テロ特措法の期限は1年だ。福田首相が表明したように、自衛隊の海外派遣に関する恒久法の検討が急務となる。与党は来月にも、恒久法の検討チームを設置するという。単に時限法の新テロ特措法を延長するよりも、より機動的な対応が可能な恒久法を制定する方が合理的だ、という当然の発想だ。国連安全保障理事会の明確な根拠決議を自衛隊派遣の要件とするのか。自衛隊の海外任務に治安維持や警護、船舶検査などを追加するのか。自衛隊員の武器使用基準を国際標準に改めるのか。恒久法の論点は既に、明確になっている。日本の国際平和活動への参加のあり方をしっかり議論してもらいたい。船舶検査を任務に定めれば、給油だけでなく、海上阻止活動にも参加できる。海自には、必要な装備も能力もあるとされる。検討していいのではないか。ただ、仮に恒久法整備が実現しても、実際の派遣には国会の承認が必要だ。与野党の幅広い合意を形成しなければ、安定した海外活動はできない。衆参ねじれに加え、衆院解散含みの今年の政治情勢は不確定要素が多いが 、「次の手」の選択肢の準備は怠りなく進めるべきだ。(『読売新聞』08年1月25日付け「社説」)
さあ、皆さんはこの「社説」をどうお読みになりましたか。「新テロ特措法」が「再可決」され、2ヵ月ぶりにインド洋に海自の補給艦が出発した1月25日に、『読売新聞』は勢いづいてこの「社説」を掲げました。そして、二度と今回のように米国の要求に支障をきたすことがないよう「ねじれ国会」での今回の事態を憂い、“ふがいない”政府に「次の手」を要望しているのです。我が国最大の読者を持つ“マスメディア(新聞)”は、いったい国民をどういう方向に導いていきたいのでしょうか。
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