とだ九条の会blog

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膨れ上がる無駄遣い「軍事予算」(3)

2007年07月31日 | 国際・政治
昨日に引き続き、軍事費の無駄遣いについてその一例を見ていきましょう。

【ミサイル防衛システム】
不破氏が指摘する軍事費の内、無駄遣いの旗頭なるものに「ミサイル防衛」計画があります。
「北朝鮮がテポドンを持ったという脅威から日本を防衛するため」とのうたい文句で2003年12月に、小泉内閣がその導入を決定しました。
最初の数年分だけで予算はなんと1兆円。今後、計画の進行とともにお金が更につぎ込まれることは必至で、この先どれだけかかるのか見当がつかないという計画です。
この「ミサイル防衛」計画は、全てアメリカ頼みですが、当のアメリカではまだ開発途中の未完成技術ですから、アメリカの技術者からもアメリカ政府の「ミサイル防衛」計画に「膨大な予算をつぎ込むのは間違いだ」として撤回を求められている始末です。しかも、日本の「ミサイル防衛」は同じ「防衛」といってもアメリカが求める「防衛」とは技術の難しさは桁違いといいます。なぜならアジアのどこかからアメリカ本土にミサイルが打たれた場合と、日本に打たれた場合とでは、その距離の違いから日本が迎撃する対応の方が桁違いに難しいというからです。

この「ミサイル防衛」導入を決めたのは2003年12月ですが、その前月の11月に自民党・民主党・公明党のいわゆる「国防族」の国会議員たちが「日米安保戦略会議」なる会議を開催しました。この会議は、アメリカが開発中の「ミサイル防衛」システムを日本に売り込むことを主題にした会議だったとか。会議の後援リストには日米の軍需企業、三菱重工・川崎重工・石川島播磨・ロッキード・グラマン・ボーイングなどの名が連なっていたと言います。そして、なんと国会内の会場に「ミサイル防衛」システムの実物大模型まで持ち込んでの売込みだったということです。
アメリカの技術が未完成であれ、実際に役に立とうが立つまいが、一旦、日本政府が導入を決めれば、これら巨大軍需企業は莫大な儲けを手にすることができます。それが採用されれば、受注企業は最初から決まっているのですから。
現在、私たち国民の暮らしや福祉に役立つ予算は、さまざまな分野の無駄遣いで押しつぶされています。その中でも政府が手をつけない最大の無駄遣いの「聖域」となっているのがこれら軍事予算なのです。


■日本の軍需産業各社の受注状況
参考までに2006年度の軍需産業各社の契約高で上位20社を次に掲げてみました。
(出典:前衛』2007年7月号)
①三菱重工業(2776億円)
②川崎重工業(1306億円)
③三菱電機(1177億円)
④日本電機(831億円)
⑤アイ・エイチ・アイ・マリンユナイテッド(446億円)
⑥富士通(441億円)
⑦東芝(423億円)
⑧石川島播磨重工業(365億円)
⑨小松製作所(363億円)
⑩富士重工業(199億円)
⑪日立製作所(194億円)
⑫中川物産(148億円)
⑬新日本石油(143億円)
⑭ダイキン工業(133億円)
⑮コスモ石油(131億円)
⑯昭和シェル石油(120億円)
⑰沖電気工業(118億円)
⑱アイ・エイチ・アイ・エアロスペース(111億円)
⑲日本製鋼所(107億円)
⑳カメイ(92億円)


【参考】
『特攻隊と憲法九条』(田英夫著、リヨン社刊、781円+税)
『前衛』2007年7月号、「憲法施行60周年記念岐阜講演会」での講演より、不破哲三著、日本共産党中央委員会刊、619円+税)


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膨れ上がる無駄遣い「軍事予算」(2)

2007年07月30日 | 国際・政治
昨日に引き続き、軍事費の無駄遣いについてその一例を見ていきましょう。

【陸上自衛隊】
一番お金を使っている部隊として「90式戦車」部隊を例にとると、
「90式戦車」を購入する予算が1990年にはじめて組まれてから今年度の発注分までで、わが国の「90式戦車」は324両に達しますが、購入予算は総額約3000億円とか。そのほとんどが「もし第三次世界大戦があったとすれば、当然彼ら(ソ連)は北海道を侵略してくる可能性があった。それに対抗するためにこの戦車が必要だった」(1995年1月、玉沢防衛庁長官答弁)との理由から北海道に配備されているというのです。ソ連崩壊から何年もたったあとでの答弁で、当時閣僚席からも爆笑が起こったという“無駄遣い”です。

【海上自衛隊】
同じようなことは海上自衛隊でも起こっています。
イージス艦という超高価な軍艦がそれです。日本は現在イージス艦を4隻持っていますが、これは1隻約1200億円といいます。
何の為にこれを買ったかというと、これもまた対ソ連への備えでした。中曽根首相がアメリカとの首脳会談で、太平洋のシーレーン(海上輸送路)の防衛を日本が引きうけることを約束したのですが、そのためにも当時一番脅威とされていたソ連の爆撃機バックファイアの迎撃用に必要だったと言うのです。この予算が組まれたのが、やはり1990年。1番艦「こんごう」が竣工したのが1993年、ソ連がなくなってもう2年経っていました。ソ連が崩壊しても2番艦、3番艦…と導入計画はそのまま実行されます。2番艦「きりしま」は1995年、3番艦「みょうこう」は1997年、そして4番艦の「ちょうかい」は1998年竣工です。イージス艦の活動実績を調べたら、米軍支援のためにインド洋に交代で出動したのが主要な活動だったとか。さらに北朝鮮のミサイル問題が起こって2002年から新たに2隻追加したと言うのです。こちらは改良型なため更に高価で1隻約1400億円だそうです。もちろんアジアの国で、このような超高価なイージス艦を持っているのは日本しかありません。

また、田氏は海上自衛隊が持っているP3C対潜哨戒機についてその著で言及しています。
わが国は、中期防衛力整備計画でP3Cを50機増やして100機を保有することになりました。P3Cは1機120億円という高価なもので世界でこのような数の対潜哨戒機を持っている国はないとのことです。P3Cはソ連のウラジオストックにあった数十隻という原子力潜水艦をいち早く発見し、日本海および北太平洋で自由に活動させないための配備でした。万一日本海で戦いがはじまった場合は、アメリカに代わってその原子力潜水艦を捕捉し、アメリカは攻撃を担当するという計画の中での購入だったのです。1989年ソ連崩壊後は、ロシアは原子力潜水艦を維持することすら難しくなり、今はほんの数隻のこっているだけと言われています。(つづく)

【参考】
『特攻隊と憲法九条』(田英夫著、リヨン社刊、781円+税)
『前衛』2007年7月号、「憲法施行60周年記念岐阜講演会」での講演より、不破哲三著、日本共産党中央委員会刊、619円+税)


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膨れ上がる無駄遣い「軍事予算」(1)

2007年07月29日 | 国際・政治
昨今、税金の無駄遣いについて国民の批判は大変強くなっていますが、その税金の無駄遣いとして事実上「聖域」となっていて最たる無駄なものは「軍事予算」ではないでしょうか。
最近読んだ田英夫著『特攻隊と憲法九条』でも、不破哲三著『憲法対決の全体像をつかもう~憲法改定派はどんな日本をつくろうとしているか~』(『前衛』2007年7月号、「憲法施行60周年記念岐阜講演会」での講演)でも、日本の膨れ上がった軍事予算が国民生活を押しつぶしている実態が意外と国民に知られていないことが告発されています。
今回は、その記述から日本の軍事予算について見ていきたいと思います。

不破氏によると、日本の軍事予算は、年間4兆8000億円から4兆9000億円という規模が、ここ10年続いているといいます。ドルに換算すると年間約420億ドル。世界的に見ると、年間4700億ドルのアメリカは別格として、それに続く軍事予算400億ドルの国々として、イギリス、フランス、日本、中国と続きます。(『SIPRI年鑑』ストックホルム国際平和研究所)※

※2006年6月にSIPRIが発表した世界の軍事費の新しいデータでは、最も多いのは米国の5287億ドル。2位は英国の592億ドル、フランスが3位で、531億ドルだった。一方、2005年に5位だった中国は国防費を毎年2ケタ台で増やす中、495億ドル(SIPRI推定)と増加し、初めて日本の437億ドルを抜いて4位に浮上。日本は5位となった。

日本はまぎれもない軍事費大国であり、その膨大な軍事予算のなかで、アメリカと日本の軍需企業を太らせるだけの巨大な無駄遣いが問答無用の形でまかり通っていると指摘しています。(つづく)

【参考】
『特攻隊と憲法九条』(田英夫著、リヨン社刊、781円+税)
『前衛』2007年7月号、「憲法施行60周年記念岐阜講演会」での講演より、不破哲三著、日本共産党中央委員会刊、619円+税)


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『特攻隊と憲法九条』――田英夫氏の著書を読んで(2)

2007年07月28日 | 国際・政治
改憲をめざす勢力が国民の日常生活の中に、「戦争ができる国」への準備を着々と進めてきたと指摘する田氏ですが、いかに戦争をやろうとする勢力でも、ある日突然戦争をはじめられるものではないと言います。
「古今東西、戦争というものは人類の歴史の中につきなかったわけですが、それを振り返ってみると、やはり戦争をするまえには着々と準備を進めていく段階が存在しています」と。

どんな戦争にも正当な理由などないものですが、第一に過去の戦争は田氏が言うように「突然はじめられるものではない」ということが分かります。
田氏は、「なぜか私が学校を上がるたびに、戦争が拡大していった」と回想するように、田氏が小学校入学の年に満州事変が起こるのですが、この満州事変も“いわれなき戦争”と指摘します。また田氏が中学に進学した年には盧溝橋事件をきっかけに日中戦争(支那事変、日華事変)に突入していくのですが、これも日本側が“挑発をして起こした戦争”。さらに田氏が高等学校に進学すると、太平洋戦争が勃発するのですが、これも「自存自衛」「アジア解放」のためという身勝手な論理での戦争でした。
さらにアメリカが行った朝鮮戦争にしてもベトナム戦争にしても、突然戦争が始まったわけではなく「朝鮮が先に越境したんだ」とか「北ベトナムが戦争をしかけたんだ」(トンキン湾事件)とか、最近のアフガン戦争もイラク戦争も、アメリカの開戦理由は“言いがかり”といわれるものばかりです。
田氏が学校を上がるたびに戦争が拡大していったというのは偶然かもしれませんが、田氏が振り返ってみたとき、こうした戦争は「突然はじまったわけではない」ということが分かります。

第二にこうした戦争は、始める前には必ず予兆があったということです。田氏は、それを軍国主義教育にも見られたし、日の丸掲揚の風習にも見られた、治安維持法制定で国内の左翼勢力の封じ込めの動きにも見られたし、GHQのレッドパージにもあった、国鉄をめぐる下山事件(1949年7月6日)、三鷹事件(同年7月15日)、松川事件(同年8月17日)も戦争を準備するために事前に反対勢力を押さえ込むというアメリカ占領軍の謀略ではなかったかと思うと述べています。

着々と「戦争ができる国」への準備は、「なにも目に見える軍事力の増強だけではなく、国民やあるいは自分が支配していた地域の住民、そういう人達に、徐々に徐々に戦争に協力させるような手だてを打っていって、そして最後は戦争に突入していくということです。戦争は国が行う殺しあいです。為政者ではなく、兵として駆り出される国民にとっては迷惑な話で、これを積極的に肯定することはありえないことです。けれど、そこをなんらかの方法によって、ベールをかぶせ、たとえば経済的な利益が大きいことを宣伝し、政府や権力を握っているものが進めようとする政策に国民を協力させ、最後は戦争に駆り立てていく――そういうことをやるわけです」と述べています。
そして「そうしたわずかな端緒も見逃さず、これは戦争への道につながるのではないかという警戒心をもつことがみなさんにとって必要なことだと思います」と指摘しました。
是非あなたも田英夫氏の『特攻隊と憲法九条』を読んでみてはどうでしょうか。


【出典】『特攻隊と憲法九条』(田英夫著、リヨン社刊、781円+税)

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『特攻隊と憲法九条』――田英夫氏の著書を読んで(1)

2007年07月27日 | ニュース
書店で『特攻隊と憲法九条』(リヨン社刊)という新書版を見つけ、早速読んでみました。
1960年代TBSの報道番組「ニュースコープ」のニュースキャスターを務め、1971年日本社会党から参議院全国区に出馬し192万票を獲得してトップ当選、34年間、参議院議員として活動(本人略歴)し、この2007年夏の参院選をもって引退する田英夫氏(現・社民党)の著書でした。
『特攻隊と憲法九条』というちょっと変わった題名は、以前刊行した『特攻隊だった僕がいま若者に伝えたいこと』から自身の戦争体験を中心にまとめ今日的視点で加筆したものだからということ。田氏が戦前に学徒出陣して特攻隊員となり、出陣する直前に終戦を迎えたのですが、今回も自身のその戦争体験を紹介しながら、戦後、共同通信社記者からニュースキャスターを経るなかでつかんだ「憲法九条」の大切さを綴った書物だからです。
田氏はこの本を書いた理由を「安倍内閣が教育基本法を改正し、子どもたちに愛国心を植えつけ、改憲を画策するいまであるからこそ、私自身の戦争体験を『戦争の語り部』として、みなさんにお話していきたい」とプロローグで語っています。

田氏の特攻隊としての「戦争体験」は、著書を読んでいただくとして、主にジャーナリストとしての田氏が言いたかったことを紹介することにします。
それは「ジャーナリズムにこそ戦争を見張る役目がある」ということ、そして「わずかな端緒も見逃さず、戦争への道につながるのではないかという警戒心を国民がもつこと」が今、必要だということです。

田氏は、改憲をめざす歴代自民党が国民生活のうえでも、長年かけて無理せず、着々と「戦争ができる国」への準備をしてきたと指摘します。何でもない私たちの日常生活の中に、実は戦争のために役立つ体制が組み込まれつつあると言うのです。
たとえば「個人情報保護法」――これは個人のプライバシーを守るという側面と同時に、マスコミが自由にものを書けないように「言論の自由」を封殺するという側面があると指摘します。
太平洋戦争の前夜は、次々と言論を封殺する手が打たれました。地方新聞1県1紙という体制もその名残と言います。権力側から新聞をコントロールしやすい体制を戦前から取っていたというわけです。
テレビ局の許認可も、欧米諸国では政府でもなければ国会でもない第三者の独立した機関が承認して運営されているそうですが、日本は総務大臣が許認可権を持っていて、権力に都合の悪い場合は再免許を与えない仕組みができていると指摘します。田氏もベトナム戦争でアメリカ発のニュースが多い中、実際に北ベトナムに取材に行き、北ベトナムから見たベトナム戦争を“証言”したそうですが、自民党の大物政治家に圧力をかけられてニュースキャスターを降ろされたという経験を語っています。
また、NHKも、国会で予算を認めてもらわなければならない特殊法人になっていますから、時の政府与党には完全にコントロールされるしくみになっていると指摘します。
こうした経験から田氏は、ジャーナリズムこそが現実の奥にある真相を見抜いて、国民のみなさんに(戦争へつながる動きに)注意を喚起していくことが大切だと力説しました。(つづく)


【出典】『特攻隊と憲法九条』(田英夫著、リヨン社刊、781円+税)


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