「東南アジア紀行」の著者梅棹忠夫氏を知ったのは、「<新版>日本語の作文技術」でした。
この本の著者本田勝氏一は、「第四章 句読点のうちかた」の中で、
『参考までに、私が学生のころ自分の文体に影響を受けた二人——井伏鱒二氏と梅棹忠夫氏の文章をあげてみよう。
六月四日の夕方、わたしたちはパキスタンとアフガニスタンの国境線に到着した。
国境は、ひろびろとした大平原のまん中にあった。地平線から横なぐりにかッと照りつける夕日をあびて、われわれの二台の車は、のろのろと
アフガニスタン領にすべりこんだ。すぐ看視所につく。わたしたちは旅券を見せる。(梅棹忠夫『モゴール族探検記』岩波新書)
右は二つとも冒頭(書き出し)の文章である。これをテンとマルで切りながら朗読してみると、そのままで実にわかりやすく、自然で、したがっ
て正確かつ論理的だ。私は自分で書くときも、むろん声には出さないが、頭の中で読みながらテンをうっている。』
梅棹忠夫氏の著書「モゴール族探検記」をあげていました。確かに読みやすい文章です。
この本の著者本田勝氏一は、「第四章 句読点のうちかた」の中で、
『参考までに、私が学生のころ自分の文体に影響を受けた二人——井伏鱒二氏と梅棹忠夫氏の文章をあげてみよう。
六月四日の夕方、わたしたちはパキスタンとアフガニスタンの国境線に到着した。
国境は、ひろびろとした大平原のまん中にあった。地平線から横なぐりにかッと照りつける夕日をあびて、われわれの二台の車は、のろのろと
アフガニスタン領にすべりこんだ。すぐ看視所につく。わたしたちは旅券を見せる。(梅棹忠夫『モゴール族探検記』岩波新書)
右は二つとも冒頭(書き出し)の文章である。これをテンとマルで切りながら朗読してみると、そのままで実にわかりやすく、自然で、したがっ
て正確かつ論理的だ。私は自分で書くときも、むろん声には出さないが、頭の中で読みながらテンをうっている。』
梅棹忠夫氏の著書「モゴール族探検記」をあげていました。確かに読みやすい文章です。