タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

卵管通気テストは悪者ではない

2018-04-25 20:48:26 | 不妊症
写真は、篠山市今田町の愛蘭(あらん)くん、3月22日生まれ。
「兄弟でたくさんのことを学んで、たくさん成長してください。
ただただ安産で、ウォーターベッドで産めて嬉しかったです。
みなさん優しく、楽しかったでーす。」

3人とも、タマル産生まれです。
一番下のあらんくん、アランドロンみたいね。
私もね、大学の英語の授業では、白人の先生にアランと名付けられました。
アランってね、「L」の発音が難しいのですよ。
高校の英語の白人の先生は、テレビにもよく出られるジェフ・バーグランド先生。
「赤ふじ米」の宣伝はご存知ですか?
英語の授業なのに、日本語しか喋られない先生でしたよ。

さて、今日の話題は、不妊治療の卵管通気テストによる医療事故の話題です。
それにしても産婦人科関係のニュースは、よくやりますね。
最近でも、昔の法律では問題無かったのに、今の法律からすると、
過去の強制不妊手術は違法だったのではないか、とか。
その前は、無痛分娩で過去を紐解いてみると、何人かのお母さんが亡くなっていただとか。

大野病院事件の後は、その類のニュースがたくさん有ったのですよ。
看護師の内診問題もその1つです。
看護師業務で、直腸に指を入れて、座薬を挿入するのは当たり前です。
分娩中に子宮の出口の様子を診て、お産が近いかどうか医師に知らせるのも当たり前。
この時も大きなニュースになって、看護師が診れないなら、お産が続けられないと、
たくさんのクリニックが閉鎖しました。
その後日本産婦人科学会は、看護師は内診しても良いと正式に発表したのですよ。
タマル産では看護師さんには内診してもらっていなかったので、この時はやめませんでしたが、
看護師に内診されたと騒がれたお母さんが居られましたよ。

例えば腹腔鏡の手術や、胃カメラの検査で患者さんが亡くなっても、話題にもならないでしょ?
ですが実際には、毎年たくさんの方が亡くなっています。
こと産婦人科に関しては、ニュースにするとおもしろいらしく、
フェイクニュースだらけですよ。

解説しておくなら、
今回の事故は、ある1人の若い大学病院の医師の過失です。
それを世間一般の不妊治療にまで拡大解釈されては、不妊治療中の方が不安に思われます。
通常の卵管通気テストでは危険なことは有りません。
子宮の出口を開く時に、これは流産手術などでも同じですが、
副交感神経反射というのが有って、血圧が下がって意識が無くなることは有ります。
子宮内に細菌が居ると、押し込んでしまって、腹膜炎になることも有ります。
ですがこれらの合併症は滅多にないのですよ。

九州の場合は、お腹から腹腔鏡の検査をしながら、
膣からは子宮内に空気を通したというものでしょう?
通常の検査で同時にここまでするのは、やはりアグレッシブな施設だからでしょうね。
しかもどちらからも炭酸ガスを注入することになっています。
先進医療を追求している施設は、一般的なやり方とは違うことをしたということでしょう。

さらに卵管通気テストのメリットをお話ししておきましょう。
こんなすばらしい検査は無いのに、ニュースでは叩かれていますから。
今は卵管通気はせずに、造影剤を使用する卵管造影検査が一般的だと報道されています。
ですが、卵管造影検査は絶対に受けてはいけません。
だいたい、不妊治療施設でも、半数はこの検査をしていませんよ。
それは造影剤にはヨードが含まれており、
検査に使用する程度の量でも、半年ほど身体に残留し、
甲状腺ホルモン値に異常を来して、かえってこの間、不妊症になるからです。
これは甲状腺の治療では関西随一の隈病院の先生が指摘されています。

他にも、昔から卵管通気テストの検査の後には、自然妊娠が多いと経験上言われてきました。
その理由は、マウスの実験でも分かりますが、
マウスの子宮に炭酸ガスを通すと、子宮内膜が分厚くなるのです。
これを脱落膜化と言います。
先日もお話しましたね、ホルモン剤を使用するとこうなるのですが、
薬を使用しなくても、炭酸ガスだけで同じ効果が得られるのですよ。

あるいは偽妊娠(ぎにんしん)と言われます。
妊娠していないのに、妊娠したような子宮になるのですから。
それでこの卵管通気テストは、検査だけではなく、治療としても使われるのです。
実際、タマル産でも、1人目の不妊治療の時にこの検査の後に妊娠したので、
2人目の不妊治療の時にもこの検査をして欲しいと言われたことが有りますよ。

この報道のおかげで、今日も通気テストに際して、
患者さんにいつもより時間をかけて検査の説明をする羽目になりました。
これで不妊治療を中断する女性が出てきたら、誰が責任を取るのですかね。
あるいは、産婦人科医は、産科医療だけでなく、
不妊治療でも叩かれ出したということでしょうかね。

もうこれ以上、医療に期待し過ぎないでくださいよ。
テレビでは、100%成功する外科医の話が流行っているのですか。
そんなものは、夢物語ですよ。
どうか早く、目を覚ましてくださいな。