竹取翁と万葉集のお勉強

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拾遺和歌集 巻1 歌番号51から55まで

2024年07月18日 | 拾遺和歌集 現代語訳 巻1

歌番号 51 拾遺抄記載

詞書 たいしらす

詠人 もとすけ

原文 止不比止毛 安良之止遠毛飛之 也万左止尓 者奈乃多与利尓 比止女美留可奈

和歌 とふひとも あらしとおもひし やまさとに はなのたよりに ひとめみるかな

読下 とふ人もあらしと思ひし山さとに花のたよりに人め見るかな

解釈 訪ねて来る人もいないと思える山里に、花の咲く便りに従ってやって来る人の姿を眺めました。

 

歌番号 52

詞書 円融院の御時、三尺御屏風に

詠人 平兼盛

原文 者奈乃幾遠 宇部之毛志累久 者留久礼者 和可也止寸幾天 由久比止曽奈幾

和歌 はなのきを うゑしもしるく はるくれは わかやとすきて ゆくひとそなき

読下 花の木をうゑしもしるく春くれはわかやとすきて行く人そなき

解釈 花の木を植えた効果は目覚ましく、春がやって来ると、花が咲く我が家を通り過ぎて行く人もいません。

 

歌番号 53 拾遺抄記載

詞書 題しらす

詠人 よみ人しらす

原文 佐久良衣呂尓 和可身者不可久 奈利奴良无 己々呂尓之免天 者奈遠々之女八

和歌 さくらいろに わかみはふかく なりぬらむ こころにしめて はなををしめは

読下 さくら色にわか身は深く成りぬらん心にしめて花ををしめは

解釈 桜色に我が身は深く染まるだろう、心に染み込ませて花を愛んだので。

 

歌番号 54 拾遺抄記載

詞書 権中納言義懐の家のさくらの花をしむ歌、よみ侍りけるに

詠人 藤原長能

原文 美尓可部天 安也奈久者奈遠 々之武可奈 以遣良八乃知乃 者留毛己曽安礼

和歌 みにかへて あやなくはなを をしむかな いけらはのちの はるもこそあれ

読下 身にかへてあやなく花を惜むかないけらはのちのはるもこそあれ

解釈 我が身に換えて、その効き目も無いのに花が散り往くのを惜しんだものです、生きていれば、これからも毎年に花が咲く春はやって来るのに。

 

歌番号 55

詞書 題しらす

詠人 よみ人しらす

原文 美礼止安可奴 者奈乃佐可利尓 可不留可利 奈本布留佐止乃 者留也己比之幾

和歌 みれとあかぬ はなのさかりに かへるかり なほふるさとの はるやこひしき

読下 見れとあかぬ花のさかりに帰る雁猶ふるさとのはるやこひしき

解釈 いくら眺めても飽きることの無い花の盛りに北へ帰って行く雁よ、やはり、故郷の春が恋しいのでしょう。

 

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