竹取翁と万葉集のお勉強

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拾遺和歌集 巻1 歌番号46から50まで

2024年07月17日 | 拾遺和歌集 現代語訳 巻1

歌番号 46 拾遺抄記載

詞書 題しらす

詠人 在原元方

原文 者累久礼者 也万多乃己保利 宇知止个天 比止乃己々呂尓 末可寸部良奈利

和歌 はるくれは やまたのこほり うちとけて ひとのこころに まかすへらなり

読下 はるくれは山田の氷打ちとけて人の心にまかすへらなり

解釈 新春になると山田の氷は春風に溶け、その言葉の響きではありませんが、春風に心はうちとけて、人の気分は春の雰囲気にゆだねるようです。

 

歌番号 47 拾遺抄記載

詞書 承平四年中宮の賀し給ひける時の屏風に

詠人 斎宮内侍

原文 者留乃田遠 比止尓万可世天 和礼者多々 者奈尓己々呂遠 徒久留己呂可奈

和歌 はるのたを ひとにまかせて われはたた はなにこころを つくるころかな

読下 春の田を人にまかせて我はたた花に心をつくるころかな

解釈 春の田仕事を人に委ねて、私は、ただ咲く花に心を寄せる、そのような時期です。

 

歌番号 48 拾遺抄記載

詞書 宰相中将敦忠朝臣の家の屏風に

詠人 つらゆき

原文 安多奈礼止 佐久良乃美己曽 不留左止乃 武可之奈可良乃 毛乃尓者安利个礼

和歌 あたなれと さくらのみこそ ふるさとの むかしなからの ものにはありけれ

読下 あたなれとさくらのみこそ旧里の昔なからの物には有りけれ

解釈 儚いものではありますが、桜ばかりは古い里にあって昔ながらの姿を見せています。

 

歌番号 49 拾遺抄記載

詞書 斎院屏風に、山みちゆく人ある所

詠人 伊勢

原文 知里知良寸 幾加末本之幾遠 布留佐止乃 者奈美天可部留 比止毛安八奈无

和歌 ちりちらす きかまほしきを ふるさとの はなみてかへる ひともあはなむ

読下 ちりちらすきかまほしきをふるさとの花見て帰る人もあはなん

解釈 もう散ってしまったのか、まだ散らずにいるのか、その様子を聞きたいのですが、古い里での花を見て帰る人にも、逢って話を聞きたいものです。

 

歌番号 50 拾遺抄記載

詞書 たいしらす

詠人 よみ人しらす

原文 佐久良加里 安女者布利幾奴 於奈之久八 奴留止毛者奈乃 可个尓可久礼武

和歌 さくらかり あめはふりきぬ おなしくは ぬるともはなの かけにかくれむ

読下 さくらかり雨はふりきぬおなしくはぬるとも花の影にかくれむ

解釈 桜狩りをしていたら雨が降って来た、どうせ同じに雨に濡れるのなら、花の枝影に隠れよう。

 

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