竹取翁と万葉集のお勉強

楽しく自由に万葉集を楽しんでいるブログです。
初めてのお人でも、それなりのお人でも、楽しめると思います。

拾遺和歌集 巻1 歌番号41から45まで

2024年07月16日 | 拾遺和歌集 現代語訳 巻1

歌番号 41 拾遺抄記載

詞書 題しらす

詠人 よみ人しらす

原文 与之乃也万 幾衣世奴由幾止 美衣川留八 美祢川々幾佐久 左久良奈利个里

和歌 よしのやま きえせぬゆきと みえつるは みねつつきさく さくらなりけり

読下 吉野山きえせぬ雪と見えつるは峯つつきさくさくらなりけり

解釈 吉野山の消えない雪と見えていたのは、峯続きに咲く、桜の花だったのですね。

 

歌番号 42 拾遺抄記載

詞書 天暦御時、麗景殿女御と中将更衣と歌合し侍りけるに

詠人 清原元輔

原文 者留可須美 多知奈部多天曽 者奈左可利 美天多尓安可奴 也万乃佐久良遠

和歌 はるかすみ たちなへたてそ はなさかり みてたにあかぬ やまのさくらを

読下 春霞立ちなへたてそ花さかりみてたにあかぬ山のさくらを

解釈 春霞よ、立って景色を隔てないでください、花の盛りをどれほども見ても飽きることが無い、その山の桜を。

 

歌番号 43 拾遺抄記載

詞書 平さたふんか家の歌合に

詠人 たたみね

原文 者累者奈本 和礼尓天志利奴 者奈左可利 己々呂乃止个幾 比止者安良之奈

和歌 はるはなほ われにてしりぬ はなさかり こころのとけき ひとはあらしな

読下 はるは猶我にてしりぬ花さかり心のとけき人はあらしな

解釈 人は色々と感じるでしょうが、春の気分は、それでもなお、我が身の気持ちで知りました、桜の花の盛りには、いつ、散ってしまうかと心はそわそわして、心が落ち着いている人はいないと思います。

 

歌番号 44

詞書 賀の御屏風に

詠人 藤原千景

原文 佐幾曽免天 以久世部奴良无 佐久良者奈 衣呂遠者比止尓 安可寸美世徒々

和歌 さきそめて いくよへぬらむ さくらはな いろをはひとに あかすみせつつ

読下 さきそめていく世へぬらんさくら花色をは人にあかす見せつつ

解釈 この桜の木は咲き初めてから、どれほどの世を経たのでしょうか、桜の花色をそれを眺める人に飽きることなく、今もまた見せ続けています。

 

歌番号 45 拾遺抄記載

詞書 天暦御時の御屏風

詠人 たた見

原文 者留久礼者 満川曽宇知美留 以曽乃加美 女川良之遣奈幾 也万多奈礼止毛

和歌 はるくれは まつそうちみる いそのかみ めつらしけなき やまたなれとも

読下 春くれはまつそうち見るいその神めつらしけなき山田なれとも

解釈 新春になると、まず、出かけて行って拝見する石上の御社です、何も特別な景色ではない山田の風景ですが。

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 拾遺和歌集 巻1 歌番号36から... | トップ | 拾遺和歌集 巻1 歌番号46から... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

拾遺和歌集 現代語訳 巻1」カテゴリの最新記事