竹取翁と万葉集のお勉強

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拾遺和歌集 巻1 歌番号56から60まで

2024年07月19日 | 拾遺和歌集 現代語訳 巻1

歌番号 56

詞書 題しらす

詠人 よみ人しらす

原文 布留左止乃 可須美止比和遣 由久可利八 堂比乃曽良尓也 者留遠久良左武

和歌 ふるさとの かすみとひわけ ゆくかりは たひのそらにや はるをくらさむ

読下 ふるさとの霞とひわけゆくかりはたひのそらにやはるをくらさむ

解釈 故郷の野辺に立つ霞を飛び分けて行く雁は、北へ帰って行く旅の空で春の日々を暮らすのでしょうか。

 

歌番号 57 拾遺抄記載

詞書 天暦御時の御屏風に

詠人 藤原清正

原文 知里奴部幾 者奈美留止幾者 寸可乃祢乃 奈可幾者留比毛 美之可々利个利

和歌 ちりぬへき はなみるときは すかのねの なかきはるひも みしかかりけり

読下 ちりぬへき花見る時はすかのねのなかきはる日もみしかかりけり

解釈 今にも散ってしまいそうな花を見る時は、菅の根が長い、その言葉ではありませんが、長い春の日も短く感じます。

 

歌番号 58 拾遺抄記載

詞書 題しらす

詠人 よみ人しらす

原文 徒遣也良无 満尓毛知利奈八 佐久良者奈 以川者利比止尓 和礼也奈利奈无

和歌 つけやらむ まにもちりなは さくらはな いつはりひとに われやなりなむ

読下 つけやらんまにもちりなはさくら花いつはり人に我やなりなん

解釈 もう花が散りますよと、告げてやりましょう、その告げようとする間にも散ってしまったら、桜の花よ、ウソつきの人に、私はなってしまうのでしょうか。

 

歌番号 59 拾遺抄記載

詞書 屏風に

詠人 よしのふ

原文 知利曽武留 者奈遠美寸天々 加部良女也 於保川可奈之止 以毛八末川止毛

和歌 ちりそむる はなをみすてて かへらめや おほつかなしと いもはまつとも

読下 ちりそむる花を見すててかへらめやおほつかなしといもはまつとも

解釈 散り始めた花を見捨てて帰ることが出来るでしょうか、貴方がいないと心細いと愛しい妻が家で待っていたとしても。

 

歌番号 60

詞書 題しらす

詠人 よみ人しらす

原文 美毛者天々 由久止於毛部者 知留者奈尓 川个天己々呂乃 曽良尓奈留可奈

和歌 みもはてて ゆくとおもへは ちるはなに つけてこころの そらになるかな

読下 見もはててゆくとおもへはちる花につけて心のそらになるかな

解釈 散る花の景色を眺めることを最後まで出来ないで帰って行くと思うと、散る花に想いが付いて、心が上の空になった気分です。

 

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