毎年この時期には、カープの勝敗に一喜一憂する日々を送る。昨日はCS進出をかけた対阪神最終戦が気になりながらも、純米酒フェスティバル(私も主催者の一人である酒のイベント)のために家に帰ったのは午後の10時だ。そこでようやくカープの勝利を知り、小躍りした次第だ。
しかも黒田の完封に近い好投による勝利だ。黒田は持ち前の粘りのある投球で、9回3分の1を無失点に切り抜けた。しかもその9回の登板も、「救援陣を休ませるため自ら志願した」(5日付毎日新聞)そうだ。加えて、「黒田は、勝てばCS出場が決まる7日の中日との最終戦もブルペンに待機する見込みだ。『打者1人でも、行けと言われれば行く。僕たちは勝つしかない。少しでも力になりたい』と言っている」(同前)とある。
何という男気であろうか。41歳、ニュ-ヨーク・ヤンキースの主力投手の経歴を持つヴェテランだ。しかも、公約の2ケタ勝利を果たして11勝目を完封に等しい勝利で挙げたのだ。「俺はここまでやった。最終戦はお前たちに任せた」と言って温泉にでも入っていても文句をいう人間はいないのではないか。それが、「勝利に役立つなら、たった1人をおさえるためでも全力を尽くす」というのだ。野球がいかにチームゲームであるか、全員が最後までそれぞれの持ち場の任務を果たすことだけが勝利を保証する、ということを知り抜いているのだろう。
私は、カープのAクラス入り――CS出場を待ち望んできた。何度もあきらめかけたが、ここにきて一層それを欲する気持ちになっていた。しかしもういい。7日の中日戦なんて勝っても負けてもいい、という気持ちになってきた。広島カープに黒田という男がいた。2015年、武者修行のメジャーリーグから帰ってきた黒田という男が、カープにいた。ただそれだけでいい。
これほどの感慨を抱いたことも、最近少ない。
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