朝起きるとうれしいニュースが飛び込んできた。ジャンプの団体戦で日本が銅メダルを獲得したことだ。これまた16年ぶりのことで、その模様をつぶさに見ると最年長、41歳の葛西がここでも大活躍していた。
驚いたのは、葛西が銀メダルでは泣かなかったのに銅メダルのインタビューで声を詰まらせ、涙を流していたことだ。彼は個人ラージヒルの銀メダルを決めたインタビューで、「涙出す用意はしてたけど金じゃないと出ない」と言ってさわやかな笑顔を見せた。その彼が銅メダルに泣いたのだ。
解説の原田氏が「団体戦には独特のものがある。力のない選手も実力以上の距離を出す。個人戦とは違う」と言っていたが、団体戦には何か特別の思いがあるのだろう。母国の旗を背負って4人が力を合わせる。失敗を自己責任だけで終わらせ得ない使命がある。個人戦とは全く別のモチベーションが働くのかもしれない。
それを成し遂げたときの喜びは、抑えがたい涙となって表れるのであろう。葛西は嗚咽しながら「うれしい…みんな頑張ったので…」とだけ言っていた。
41歳の清らかな涙であった。
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