旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

政治家の醜さをさらした2017年総選挙 … わずかに面目を保った立憲民主党と「市民・野党連合」

2017-10-24 15:03:49 | 政治経済

 



 総選挙の結果は自民党の大勝で終わった。そして、それを選んだ国民自身が白けているという感じだ。
 そもそも今回の解散に大儀などなかった。安倍首相が、「今なら大敗せずに済む…、過半数は取れそう」という自己都合解散にほかならず、国や国民のためを思った動機など何もなかった。北朝鮮問題や消費税問題を世に問うと、とってつけたようなテーマを掲げたが、これらはむしろ選挙などやっているより、国会審議を尽くし外交に全力をあげることこそ急務の事項だ。とにかく理由をつけて、「勝てるうちの選挙」で議席と首相の地位の延命を図るという、醜い政治家動機による選挙であった。
 ところがそこへ「希望の党」なる急ごしらえの政党が現れた。党首は小池百合子。この女性も首相になることを狙い続けている人物だ。モリカケ問題などで揺れている自民党の虚を突けば勝てるかもしれないと、その野心をむき出しにした。しかも就任したばかりの都知事の地位を放り投げての奔走だ。都民のことより自分のことだけを考えた政治家の醜さと言うしかない。
 しかもかてて加えて、人気凋落で勝てそうもない民進党の連中が、この「小池人気」にあやかろうとはせ参じた。これまた、かつてのリベラル政権を目指した民主党、民進党の理念など投げ捨てて、ただ議席欲しさの政治家の醜さをさらけ出しただけであった。党首の前原は、民進党を右翼的な小池新党に売り渡したといわれても仕方なかろう。
 結果はどうか。野党統一戦線は分断され安倍政権批判票は分かれた。漁夫の利を得た自民党は思わぬ大勝(自公で3分の2獲得)を果たし、「小池様々、前原様々」とほくそ笑んだ。彼らは、選挙期間中はほとんど口にしなかった「9条を含む改憲」を始め思い通りの政治を推し進めるだろう。

 この中で、たった一つ救いがあった。民主党以来のリベラル派がその信念を貫き通したのだ。枝野幸男氏が立憲民主党を立ち上げた。そしてこの党は躍進した。「市民と野党共闘」を一貫して追求した共産党の協力(比例票を減らした犠牲を払って、67の候補者の立候補を取り下げ協力)も得て、選挙前議席を4倍近く伸ばして55議席とし、野党第一党となった。
 国民は、その一貫性と、数や議席にこだわらず理念を通したさわやかさに惹かれ、雪崩を打って称賛に回った。今選挙で唯一の新しい風が吹いた。国民は、議席亡者が群がる「希望の党」の怪しさを見抜き、政治理念に生きた立憲民主党を選んだ。国民は正しい目を持っているのだ。これだけが今回選挙の救いであった。

 





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