旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

広島カープの強さを生み出したもの

2017-09-30 13:28:33 | スポーツ



 9月も終わる。この月の記録として、カープの優勝についてだけは書き残しておかねばならない。
 すでに書いたように、一時は尻に火がついたかと思ったが、終わってみれば、2位に10ゲーム差の堂々の優勝であった。各紙の報じるところによれば、「浩二・衣笠時代に匹敵する戦力」とも言われる。巨人などに比べて選手層の薄さを嘆いていたが、いつの間にか分厚い戦力が育て上げられていた。四番の鈴木のけがを埋めた松山、西川、安部、バチスタなどが、いつの間にかひしめき合うように育っていた。それは、カープ女子をはじめとした「ファンの厚み」(単なるファンではなく選手育成に目を向けたファン)ともマッチしていた。
 もちろん、直接選手を育てるのは、フロントと一体となった監督など首脳陣だろう。緒方監督のいぶし銀のような存在がそこに光る。野球評論家権藤博氏(元大洋ホエールズ投手)のカープ評、中でも緒方監督評を引用させていただく(19日付日経新聞より)

「鈴木にしても西川にしても広島の選手はみんな優しい表情に見えた。チーム内の競争はどこよりも厳しく、内に秘めたものは当然ある。しかし、安直に顔に出るのは本当の闘志とはいえず、表に出ないところにむしろ恐ろしさがある」
「これは緒方監督のキャラクターによるところ…。しゃれたパフォーマンスは無縁で、悔しそうな表情も見せなければうれしそうにもしない。(佐賀・鳥栖高校出身の)緒方監督は、何か足りないということには慣れていた。ないものねだりはしない。人がいなければ育てるのみと、地道に育て上げられた広島の選手は10年目にしてレギュラーとなった安部ら骨太の選手ばかり。今ではよそもうらやむ巨大戦力となったが、あくまでそれは球団や監督の持たざる者の発想から出来上がったものだ」

 因みに、権藤氏も佐賀・鳥栖高校の出身で緒方監督の先輩。佐賀県は九州の中でも貧乏県と言われ(私はそうは思っていないが)、また、大隈重信など多くの偉人を輩出している。まさに「持たざる者の強さ」かもしれない。

        
   わが庭の彼岸花。もはや盛りは過ぎカープの勢いはないが…(9月21日撮影)


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