スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

サンケイスポーツ盃船橋記念&律法の有効性

2023-12-01 19:06:45 | 地方競馬
 昨晩の第68回船橋記念
 発馬後の加速力の差だけでキモンルビーが楽にハナへ。2番手にカプリフレイバーで3番手にヤマトコウセイ。4番手がティアラフォーカスとコウギョウブライトで6番手にプライルード。4馬身ほど離れてライオンボスとギシギシ。9番手にディスモーメントで最後尾にブンロートという隊列。最初の400mは22秒6のハイペース。
 3コーナーではキモンルビーにカプリフレイバーが食らいついていき,その後ろは2馬身ほどの差で内からティアラフォーカスが追い上げてきました。直線に入るとカプリフレイバーがついていかれなくなり,キモンルビーの外からティアラフォーカスで一番内を突いてプライルードの追い上げ。しかしキモンルビーとの差は詰まらず,楽に逃げ切ったキモンルビーが優勝。内を突いたプライルードが3馬身差の2着。ティアラフォーカスが1馬身差の3着で,出足が突かず後方になったものの大外から追い込んだギシギシがクビ差で4着。
 優勝したキモンルビーは前走のオープンからの連勝。出走取消を挟んでこれで4連勝。南関東重賞は習志野きらっとスプリント以来の4勝目。船橋記念は第66回以来となる2年度ぶりの2勝目。この馬は1200mでもやや長いというタイプ。このレースはわりと楽に先手を奪うことができましたから,その時点で勝利が約束されるようなものとなりました。このレースで引退とのことですが,引退するまでスピード能力の衰えをみせなかったのは素晴らしかったと思います。父はコパノリチャード。母の父はサウスヴィグラス
 騎乗した大井の御神本訓史騎手はローレル賞以来の南関東重賞67勝目。第62回,63回,64回,65回,66回に続き2年度ぶりの船橋記念6勝目。管理している船橋の川島正一調教師は南関東重賞31勝目。第59回,64回,65回,66回に続き2年度ぶりの船橋記念5勝目。

 スピノザとメンデルスゾーンMoses Mendelssohnの見解opinioの相違は,具体的には次のようなものです。
                                        
 スピノザはモーセの律法を政治的な意味で解したのに対し,メンデルスゾーンはそれを宗教的な意味で解しました。現代的に分かりやすくいうなら,スピノザが律法を国家Imperiumにおける法律lexと解したのに対し,メンデルスゾーンはそれを宗教religioの教義あるいは祭礼とか儀式として解したのです。
 この見解の相違は,律法の有効性に関して大きな違いを産出することになります。なぜなら,国家における法律というのは,その国家が現に存在する場合には有効ですが,現に存在しないならば,あるいは現に存在しなくなったなら無効になります。これはそれ自体で明らかでしょう。しかし,もしもそれが一宗教の教義であったり儀式であったりするなら,別に国家が存在しようとしまいと,その宗教の教義を信じる人がいるなら,つまりその宗教の信者が存在する限りでは有効です。もちろん国家における法律というのは,その国家の国民すべてにとって有効であるのに対し,宗教の教義や祭礼というのはその宗教の信者にのみ有効であるという相違はあるのであって,ある国家を構成する国民のすべてが同じ宗教を信じていない限り,有効である範囲というのは異なります。しかし一方でその宗教の信者が多くの国家に存在するなら,その有効性は複数の国家にわたるということになりますから,有効性がどちらが広範にわたるかは決めつけることはできません。国家における国民の数と,ある宗教の信者の数はそれぞれの場合で異なるからです。
 ただ,スピノザもメンデルスゾーンも.モーセの律法の有効性について語っているわけですから,一般的に国家の法律と宗教の教義のどちらが広範であるかを考えることにはあまり意味がありません。スピノザの時代にもメンデルスゾーンの時代にも,ユダヤ教という宗教は現にありましたが,ユダヤ教国家すなわち神政国家というのは現に存在しなかったわけですから,スピノザがいっているのはユダヤ教の律法はその時点では無効であるということであるのに対し,メンデルスゾーンがいっているのはモーセの律法はその時点でも有効だということなのです。

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