analog player & Vacuum valve amplifier (Electron Tube Amp)

こちらの記事は製作・修理・改造を推奨するものではありません。
故障・事故等が起きても当方責任は負いかねます。

LCRフォノ、各部調整その3

2015-10-18 18:50:37 | PhfD‐3.1(製作編)

LCRフォノイコのAC点火が思いのほか良かったが、「あれは夢か?」次の日聴くと全くだめという事があり、検証してみた。

大丈夫。良い。良かった。しかしなぜ巷ではAC点火がやられてないのか。多少のノイズが有ってもこの音を聴くと戻れない。音が生きている。若干SNは悪く、広がりももう少し有ってもいいと思うがそこはトランス・チョークを使ってる為か、仕方ない。

これならDL103FLでも行けるか?

お気に入りのプーランクの合唱を掛けてみた。いやはや、この103FLの無個性は声で生きるのか。SYNERGYが一音一音の質感で来るなら103FLは全体の響き、か。これなら鑑賞に堪える。良かった。

 

 

 

さる方のブログを読んだ。高齢の方のシステムを聴いて、スピーカーがアンプたちに負けてるという。それも二人で訪れて聴いて、その方の家を出てから話した感想だそうだ。感想は良いが、その人が気に入ってそういう組み合わせで聴いているのにつべこべ言う必要はないと思う。他人からすればどってことない音が、当人にはかけがえのない音かもしれない。(もっとも本当に当人が気付いてない=二人の意見が尤もなのかもしれないが。)

何故こんなことを言うかというと、もし他人に私のシステムについて意見されたら私は多分不愉快になると思う。もちろん感想は聴きたいが意見は聴かないと思う。この音・自分のシステムの音は、音もそうだが気に入っているバックグラウンドが有る。スピーカーのDS3000は、若い頃、サウンドトップスという雑誌でリファレンススピーカーに使われていた事。当時はリファレンススピーカーとはそんなにびっくりするような高価な物では無かったように思う。しかも評論家たちは自分のシステムで試聴を行っていたことが大部分であったように記憶する。そしてその雑誌ではスピーカーケーブルにモニターPCのPC-10Sと言うのを使っており、随分後になるがわたしも真似をした。有るとき夢を見た。何故か姉の部屋で寝ていて、起きたらDS3000が鎮座していた。夢とも疑わず、眺めていた。やっと手に入れたよ、と思っていた。・・・当時は3ウェイが主流でそこから一歩抜きんでてるものとして4ウェイに興味が有った。(今であったら多分2ウェイを選ぶ。)他にコーラルDX-Ⅺ、ヤマハNS-890このへん辺りしかなかったが、あとは眼中になかった。そしてDS3000を入手してしばらく経って解かったが、この4ウェイのまとめ方は傑作だ。まるでフルレンジの様な鳴り方をする。個人的には、狙ってうまく行ったのではなくたまたまうまく行ったのではないかと思う。まあ、ダイヤトーンはDS505、DS5000、DSV5000、DSV9000などいくつか4ウェイが有るが、DS3000の成功で以降の4ウェイが続いたのだと思っている。デザインも気に入っている。この頃の一般的なユニットは、「フレーム」が有るが、DSシリーズはプレートに付くデザインで、キャビネットから浮き上がらず、一体感を感じるようになっている。

そういう訳で音だけでたとえばスピーカーを決めている訳でなく、「こういう音を出したいならこういうスピーカーを使うと良いですよ」と言われても、納得できないと思う。スピーカーだけではなく、アンプ、プレーヤー、セッティングに至ってもである。

 

 

今日現在の音だが、実に良い。声。声は「腫れ物を触るような」ピュアネスは無いが、十分クリアである。余計な物が無い。それでいて肉感が有り、響きがこちらに飛んでくる。若干ホーンの様な鳴り方である。エネルギー感が有り、ポップスのバックの効果音が浮き上がり、飛び回る。まあ、その分低音が無いが、そこはSWで補う。自分的にはSW無くても全く良いが、一般的に「カタワな音である」様な気がしてるので鳴らしている。

高音の伸びはもっと伸びた音を以前は出していたが、今は此れで充分である。上から降ってくるような音が好きだが、声の脇でシャンシャンやっている。まあ、無機質な音にならないだけいいだろう。広がりは特に感動するほどではないが、横幅が制限された感じが無いので不満は無い。NFタイプのフォノイコは今では位相ずれの様で聴く気になれなくなってしまった。

他人に聴かせた場合、特にフォノイコはNFでもLCRでも違いは判らないと思う。しかしこの微妙な違いが私には大事なのである。

ああ、過去最高の音、それが今ここに有る。一時期は「腫れ物を触るような」ピュアネスが無く戻ろうか迷ったが、この音を聴くと「此れで良かった」そう思う。

 

 

ストラヴィンスキーのMASS。じっくり聴いたことが無かったが、結構良い。ストラヴィンスキーらしい色気の無い曲だが、なんか懐かしい響きがする。この人、声も作曲するんだ。

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LCRフォノ、各部調整その2

2015-10-18 00:40:05 | PhfD‐3.1(製作編)

LCRフォノの音がイマイチ良くない。終段のECC99のプレート電圧が定格なのにカソード電圧が設計3.2Vの所3.88Vも出ている。それじゃあ電流値も設計0.5mV程の所17mVと出てもおかしくないわな。

もう片chを測ったら、パチッとやってしまった。どっかと短絡したが、どこかわからない。これはソケットが中古だったので接触不良だったのか?と思い急きょソケットの交換とした。交換した後は問題ないが、プレート電圧がおかしい。ドロッパ抵抗を22kΩだったのを15k→10kと5.6kΩまで下げたが、プレート電圧が上がらない。

うーんさすがにこれでは下げ過ぎだろう、と真空管を換えてみる。そうしたら今度は電圧がかなり上がった。真空管の寿命だったか。と納得し、調整に入る。

でもなんかおかしい。片方は上がるのにもう片方は上がらない。

抵抗値を下げてるのに電圧がリニアに上がらない気がする。試しにヒーター電圧をを測った。なんとこれだった。

定電圧回路を弄っても電圧が6.3Vまで上がらない。もしかして「パチッ」とやったのはてっきりプレートとグリッドの短絡かと思ってたが、ヒーターだったかもしれない。やっちまった。部品が無い。

実はヒーター回路はDCでやってるが、此れだとトランスが熱く成りすぎるし、整流器も熱い。夏場は触れないほどケースが熱くなる。これはきっとトランスの6.3V巻線を2つ直列で使っているのでE80Fが0.3A、12AU7が0.3A、ECC99が0.8Aで計1.4A/片chになり左右で2.8Aでは定格オーバーではないか!と思い雑誌を再度確認したがやっぱり定格オーバーで使ってるようだ。な訳でこれは試しにAC点火にしてみるつもりだった。パワーアンプはAC点火だろ、傍熱管だからACで大丈夫だろ。これが根拠で、どんなもんか一度やってみたかった。やってみて分かった事は、AC点火は電圧降下しない。DCでは電流が流れるのと一緒に電圧も下がる。DC点火はこういう訳で6.3Vでは無く18V位にしてくれると良いんだよなーとずっと思っていた。

実際に音出しした。ノイズは「ブーン」・・・。やっぱり出るか。っとアースを繋いだら結構治まった。これなら聴くに堪えなくはない。実際パワーも少しハム出るし。

それよりなにより、ナンダこの音は!ベールが剥がれてLCRの苦手と思っていた細かいニュアンスが出てきた。驚いた。カソードパスコンを取った時の様な音。そしてアキュレイトな音。これが出てしまってはもうNFタイプのフォノイコは聴けない。しかもアナログはSYNERGYとSME3012R、DP7000だ。EMINENTではないのだ。楽器がそれっぽく、ニュアンスが出る。こんな音出されたらエスピーユーファンは堪らないだろう。

 

 

 

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