久しぶりにヤマハNS‐690Ⅲを鳴らしている。
最初からDS‐3000と差が無いのに驚いた。
高域は針金を弾いた感じの音がするが少しして落ち着いた。
細かい音を追求するとそりゃ色々出るけど、大枠では良いところをいっている
不思議なのは部屋の明るさ(光度)がどんよりしてきた。
全体の大きさより中心に切り込んでいく。ステージを遠くから見るというよりステージに乗っかって奏者一人ひとりに近づいている感じか。
内向的?
これがこのスピーカーの特徴だと思う。
思ってたほどソフトドームの個性は気にならなくなった。
以前は低域が中高域より分割された鳴り方で繋がりが悪かったが、低域の量感が出るようになり下支えが出来、つながりも悪くない。
トランジスタをやめてメインの真空管システムにした。
さわやかな鳴りっぷり。
いつまでも聴いていたくなる。
トランジスタと何が違うのか表現できない。
今見るとデザインが秀逸。
以前はウーファーに対してスコーカーが貧弱、などと思ったが、デザイン的にレベルアッテネーターでバランスを取っている。
アメリカンウォールナットのオープンポア仕上げと凝っているが、ユニットフレームの色が異質なんだが。
ウーファーのフレームはキャビの横幅ギリギリまでと、キャビの容積を出来るだけ小さくしてる。
ターミナルなんてバネ式だが、当時はこれが一般だった。
90年少し前に流行った59、800スピーカーとどうしても比較してしまうのだが、こちらが格上と思いながら音には引け目を感じている。
ぱっと聴きはあちらの鳴りっぷりに耳が行きがちだが小編成の弦楽などを掛けると独自の世界が開ける。
ウーファーはスプルースコーン。スプルースとは繊維の事かと思ってたが、松科の樹木で唐桧などがその中に含まれるらしい。コーンは言ってみれば 紙 だ。
多分これがソフトドームとバランスを取っている。
1000Mも似たようなコーン紙を使っているが、その後に出た1000Xなどがカーボンコーンに行ったのは良く分かる。
でもヤマハの紙コーンは優秀だったんだろうな。
レベルコントロールがスコーカーとツイーターに有る。
NORMから+2以上になるが、これじゃ増幅じゃんか、ずうーっと不思議だった。
多分スピーカーのシステムとしての能率は一番悪いウーファーで決まる。
スコーカー・ツイーターはそれより大きいからそれを絞ってるだけ。
必要悪で以前はバイパスしてたが、今はこれも含めてNS‐690Ⅲの音と思う。
今の個体は二代目だが、かれこれ40年にもなる。
ネットで探しても出てこなくなった。
使ってる人はもう居ないのかな。
シリーズの変更は、乱暴に言うとキャビ。
ユニットは基本変えず、製造上の仕様変更のみと思う。
この時の部品の入手状況によりネットワークも変更。
良く1000Mと並べられるが、ほぼ別物と思う。あちらは表向きのヤマハの代表作。此方は隠れたシリーズ。ビクターもソフトドームをやっており評判は良いが残念ながら聴いたことが無い。
ソフトドームで超高級機って無いな。おのずとユニットに限界が有るのかな?っと思ったらそうそうATCと言う凄いスピーカーが有る。PMCもそうだ。
知ってる限りだがソフトドームはヤマハとビクターが ’73に発売してる。これ以前の情報は有るのかな?
20210328
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