なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

たこつぼ心筋症ですか

2015年07月31日 | Weblog

 火曜日に67歳男性が意識障害で救急搬入された。血液検査・頭部CT・頭部MRIで意識障害を説明する所見はなかったが、心電図で胸部誘導V3-6で陰性T波を認めた(QRSがQS patteren様)。循環器科で心エコー検査をすると心尖部の動きが悪く、たこつび心筋症が疑われた。胸部X線で心拡大・肺うっ血はないが、BNPが250と上昇していた。下肢閉塞性動脈硬化症で血管外科の外来に通院していてアンプラーグが処方されていた。何度かBNPも測定されていて正常範囲だったから、今回の上昇は有意だ。

 この方はしびれなどの訴えで複数の医療機関を受診していて、精神科病院も自分で受診していた。この精神科病院は必要最小限の処方をするイメージがあるが、この患者さんには抗不安薬や抗うつ薬など数種類が処方されていた。意識障害の原因としては、自分で過量摂取overdoseしたのではないかと思われた。循環器科で入院になり、入院後に主治医から相談された。

 入院後に意識は改善していたが、入院の翌日の早朝に痙攣?で主治医に連絡がいった。当直医は別の循環器科医で、病棟に行ってみると、すでにその痙攣?は治まっていたそうだ。本当の痙攣なのか、心因性のものかはわからない。

 心電図変化はさらにはっきりとした陰性T波をV3-6とⅡ・Ⅲ・aVFで認めるようになった。バイタルは安定しているので、そのまま経過をみるらしい。たこつぼ心筋症は2~4週間で軽快するそうだ。後遺症を残すこともあるそうだが、この患者さんは心源性酵素の上昇がほとんどないので、経過良好で推移するのかもしれない。

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