なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

突然の四肢麻痺

2015年07月26日 | Weblog

 木曜日の早朝に42歳男性が四肢麻痺で救急搬入された。お店でお酒を飲んで、駐車場を歩いていて急に脱力が生じた。意識は多少酔っているがほぼ清明で会話もできた。バイタルサインは正常。四肢の弛緩性麻痺で深部腱反射は消失。

 頭部頸部MRIで頸椎に多少のヘルニアはあるが、症状を説明できる様なものではない。頸椎も問題なく、転倒しての損傷ではない。もう出勤時間になっていて、整形外科と神経内科が呼ばれた。MRIで頸髄の異常を疑う所見があったが、確定はできなかった。脳神経外科・神経内科・整形外科の充実している医療センターへ搬送することになった。なったが、患者さん本人が絶対いやだと拒否した。本人にも親にも病状を懇切丁寧に説明したが、親も本人がそう言うならと帰宅となった。四肢麻痺の状態で良く帰ったものだ。コンピュータ画面の診療情報提供書のところに、医療センター宛ての紹介状があったので、てっきり救急搬送されたものと思っていた。後で整形外科医に聞いたらそういう事情だったという。

 金曜日に救急担当の看護師から、この患者さんが(実際はその家族がか)救急要請したという連絡がきた。救急隊も困るだろうが、患者さんは医療センター宛ての紹介状と画像を入れたCDを持っているので、改めてそちらへ連絡して搬送されたらしい。それにしても、頸髄内に突発する病変とはいったい何だろう。

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