なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

高浸透圧高血糖症候群

2015年07月14日 | Weblog

 今日の救急当番は血管外科の先生だった。朝から救急搬入が続いて、いわゆる「当たっている」状態だった。高血糖の67歳女性を診てほしいと連絡が来た。血糖667mg/dl・HbA1c13.1%だった。血清ナトリウムも166と高かった。高浸透圧高血糖症候群(HHS)だった。夫の話では、約1週間前から脱力感・食欲不振があったそうだ。この方は精神医療センターで統合失調症と診断されたというが、現在は通院していない。健診は受けていないので、血糖の推移は不明で、親兄弟姉妹には糖尿病の人はいない?らしい。

 血液ガスでアシドーシスはなかった。呼びかけると開眼して、ごく簡単な会話はできたが、すぐに目をつぶってしまう。頭部CTで左前頭葉内即に脳梗塞巣があり、頭部MRIの拡散強調画像で高信号に出た。脱水・血液濃縮の影響があったのだろうか。

 ヴィーンF500mlの点滴を早めに3本入れて、生食50ml+ヒューマリンR50単位を5ml/時で開始した。血糖が400台になったところで、2ml/時に減量した。搬入時の血清カリウムが4.5だったが、3.5に下がってしまったので、カリウム製剤を混合した。

 夕方に血糖と電解質を再検して、血糖が250前後に下がっていたら、ソルデム3A500mlにヒューマリンR混合の点滴に切り替えて、スライディングスケールのヒューマリンンR皮下注で補正する予定だ。

 外来をやりながらこの患者さんの指示を出していると、もうひとりお願いと言われた。COPDの80歳代男性が肺炎併発で増悪していた。低酸素血症・高二酸化炭素血症があり。今年の1月に同様の病態で入院した時に担当した。その時は頻脈性心房粗細動もあったが、今は内科クリニックで治療を受けていて頻脈ではなかった。一昨日から発熱があり、今日は呼吸困難で同クリニックを受診した。酸素飽和度が70%台と低下していて、そこから救急搬送された。酸素1L/分で酸素飽和度が88~89%になったので、それで継続することにした。喘鳴はないが、抗菌薬(セフトリアキソン)を投与してからデカドロン2mgも入れた。

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