なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

急性胆嚢炎など

2015年07月20日 | Weblog

 昨日は日直で、日直帯の終了間際に右上腹部痛の83歳男性が受診した。4日前から疼痛があったが、我慢していたらしい。発熱もある。右上腹部に圧痛とデファンスを認めた。血液検査を出して、腹部エコー検査を行うと、胆嚢が腫脹して5mmくらいの胆嚢結石を複数認め、debrisも溜まっていた。壁肥厚もある。腎機能を確認して、腹部造影CTを行った。胆嚢壁の肥厚と肝床部の炎症像も目立った。当直の外科医に相談して、外科入院となった。予想されたように抗菌薬投与でまったく症状はかわらず、今日緊急手術となるそうだ。

 

 昨日の内科系当直は若い消化器科医で、内科の入院があった場合指示出しなど頼めるが、病院の当直室に泊まることにしていた。寒いくらい冷房のきいた医局で糖尿病の本を読み返していた。9月に市内で糖尿病の講演会があって、座長を頼まれている。

 昨日は内科で4名の入院があった。94歳女性の上部消化管出血(数日前からのタール便)は緊急内視鏡も考えたが、連休明けに行うことにした。認知症の不穏で病棟の看護師さんが困っていた。

 91歳女性の急性腎盂腎炎は普通に抗菌薬投与で経過を見れる。数日前から食欲がない91歳女性は、通いで世話をしている長女夫婦が連れてきた。長男と二人暮らしだが、長男に介護力はない。右手関節炎(偽痛風?)でかなり痛がっており、さらに1週間以上前に打撲した時にできたと思われる2本の肋骨骨折もあった。少なめの点滴とNSAID内服で入院治療とした。

 前日から発熱があって、嘱託医の指示で抗菌薬を投与されていた79歳男性は発熱が続き、血圧も70mmHg台と低下して救急搬入された。パーキンソンで寝たきり状態になっていて、両側上肢が屈曲固縮していた。急性腎盂腎炎からの敗血症性ショックと判断された。点滴を1000ml入れて血圧が上がってきたところで入院とした。屈曲した上肢の静脈は常に駆血した状態のようになっている(容易に採血できました)。

 病棟の若い看護師さんが夕方に発熱・嘔気・下腹部痛・水様便で受診した。白血球数18000・CRP16と上昇していた。下腹部の疼痛は間欠的だった。圧痛があるが軽度だった。水様便は回数が多いが量は少な目だという。外来に出ていたのが所属している病棟の看護師長さんで、今日その看護師さんは準夜勤務だったので、どうしてもっと早く連絡しないのかと怒っていた。感染性腸炎で良さそうだが、本当に大丈夫かという声もあり、念のため腹部単純CTを撮った(やり過ぎかも)。上行結腸から横行結腸の口側の壁肥厚があるようだ。手術を要するような異常はなかった。「入院したくない、嘔気が治まって水分はとれる」というので、抗菌薬(FOM)の点滴静注を行って、経口薬を処方した。点滴500mlを2本入れて、親に迎えに来てもらうことにした。便培養を提出したが、カンピロバクター?。準夜勤務は看護師長さんの手配で、日勤の看護師さんがそのままやってくれることになったそうだ。

 朝、当直だった消化器科医に会ったが、当直帯での入院はなかったそうだ。午前中は昨日入院した患者さんの状態を確認して、午後は少し調べものをしてから夕方帰宅する予定。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする