なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

ロゼレム錠でせん妄予防

2015年07月23日 | Weblog

 今日のお昼に医局で製薬メーカーの説明会があった。メインは人免疫グロブリン製剤「献血グロベニン-I」が「スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)及び中毒性表皮壊死症(TEN)」の適応をとったというものだった。SJSやTENは高次施設への転送となるので、当院での使用はもっぱら「重症感染症における抗生物質との併用」だ。私自身はあまり経験がない。

 製造している日本製薬は武田製薬の子会社だそうで、アリナミンVも自社で製造していると言っていた。当院の医局の誰かが、武田製薬のメラトニン受容体作動薬「ロゼレム」について質問があったのでと、いっしょに来ていた武田のMRさんから追加で説明があった。ロゼレムの睡眠前投与はせん妄の発症予防効果があるそうだ。順天堂大学練馬病院精神科がJAMA Psychiatryに出した論文が配られた。ご丁寧に日本語要約付きだった。

 そういえば、内科の若い先生が認知症のある高齢者に処方していた。そういうことだったのか。せん妄予防としては、グラマリールやリスパダール(糖尿病がなければセロクエル・ジプレキサも)を使っていて、テトラミドも案外効果があって使用している。ロゼレム単独で試してみて、ダメなときは抗精神薬との併用がいいのかもしれない。

 今日は外来がないので午前中から病棟を診ていた。昼に救急当番の神経内科医から連絡がきて、体動時(ベットからポータブルトイレに移動する時)に喘鳴・息切がある94歳女性を診てほしいという。以前から慢性心房細動があって、βブロッカー(メインテート2.5mg)・イグザレルト(10mg)・ARBなどが処方されていた。利尿薬はなかった。血圧は140/90mmHgと高め。胸部X線・CTでは肺うっ血・少量の胸水があり、浮腫もあるが、利尿薬の追加で何とかなりそうだ。内科病棟はいっぱいで、各病棟に内科があふれている。この方は整形外科・消化器科病棟(変な組み合わせだ)のベットを借りることになった。入院のたびに不穏がひどいらしい。いい適応かも。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする