なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

不安があって、うつ状態で、眠れない人

2015年07月15日 | Weblog

 入院していた62歳女性が今日退院した。精神科病院へ紹介状を持たせて、早めに精神科を受診してもらうことにした。

 今月初めに、「頭がもやもやする、胸やけがする、食欲がない、眠れない」という症状を訴えて、救急外来(土曜日の午後)を受診した。2週間前に母親(実母)が亡くなって、しばらく実家で生活していた。そのうち1週間前から症状が出てきたという。日直は消化器科医で、カロナール(アセトアミノフェン)とガスターを2日分処方した。

 翌週の月曜に内科外来を受診した。新患担当の先生(大学病院からの応援医師)は、うつ状態・不眠症と判断して、リフレックス(15mg)1錠、レンドルミン(0.25mg)1錠、ガスターを処方した。そして、その日の夜に不安感を訴えて、午後6時に再受診した。当直は外科医だった。身体的には問題なく、日中に抗うつ薬・睡眠薬が処方されたばかりなので、それで様子をみるようにと話をして帰宅とした。しかし、午後8時にまた受診してきたので、内科で入院とした。

 翌日から内科の若い先生が担当となって、外来処方を継続して経過をみた。入院すると安心したのか、笑顔も見られて、症状も軽快した。4日入院して退院した。夫はすでに亡くなっていて、現在は一人暮らしだった。子供さんたちは3人いて、市内に住んでいる人もいるし、それぞれ行き来はある。

 退院した翌日の夕方に、同様の訴えで救急搬入された。救急当番の循環器科医から連絡が来て、救急室に診に行った。日中の診療時間がちょうど終わるころで、その日時間外の内科当番だった。入院中担当した若い先生に、また来たことを伝えたが、ぜひ診たいという感じではなかったので、自分が担当することにした。義妹と息子さんが来ていたので、精神科受診が好ましいことを説明して、いったん再入院とした。

 セルシン(2mg)2錠分2を追加して、訴えがある時にリーゼ(5mg)1錠頓用とした。入院して病棟に上がると、救急室の不安げな表情はなくなり、笑顔で家族を話をしていた。この地域だと、かかりやすい精神科クリニックはないので、受診するとすれば精神科病院になってしまう。患者さんとしてはちょっと抵抗があるので、少しだけ話を出して様子をみていた。患者さんが行ってみる気になったので、今日退院として紹介状を持たせた。

 病名をどうつけるか迷うが、不安があって、うつ状態であり、不眠もある。これまでこのような症状はあまりなかったので、母親の死亡が影響しているのだろう。病状だけ記載すれば、あえて専門外のものが変な病名をつけることもないのかもしれないが、反応性うつ病の疑いとした。

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