晴れ、ときどき映画三昧

映画は時代を反映した疑似体験と総合娯楽。
マイペースで備忘録はまだまだ続きます。

『アメリカン・ビューティー』 80点

2007-03-07 17:01:47 | (米国) 1980~99 

アメリカン・ビューティー

1999年/アメリカ

アメリカの家庭崩壊は10年後日本へ

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shinakamさん

男性

総合★★★★☆ 80

ストーリー ★★★★☆75点

キャスト ★★★★☆80点

演出 ★★★★☆85点

ビジュアル ★★★★☆80点

音楽 ★★★★☆80点

サム・メンデス監督・アラン・ボール脚本、コンラッド・L・ホール撮影、ケビン・スペイシー主演でアカデミー賞受賞作品。
アメリカ白人家庭の一見幸せそうな家族が、生き甲斐が見つからずバラバラになって行く様をシニカルに描いている。
主人公はリストラ間近の平凡な中年男。見栄っ張りな妻(アネット・ベニング)とコンプレックスの塊の一人娘(ソーラ・バーチ)との3人暮らしで、幸せ探しが意外なことに娘の同級生への恋心。引っ越してきた隣家の厳格な軍人(クリス・クーパー)一家を加え、アメリカ社会が抱える汚点、マリファナ・不倫・ゲイと何でもありの世界が展開。思いがけない話の展開に思わずドギマギさせられる。
程度の差こそあれ、今の日本の家庭崩壊を見るにつけ、これはコメディではなく社会批判ドラマなのだと改めて感じる。
庭に咲いているアメリカン・ビューティ(バラの品種)と木の葉と風に舞うビニール袋、エンディング・タイトルBecauseがこの映画を象徴している。


『ライト・スリーパー』 80点

2007-03-01 18:05:29 | (米国) 1980~99 

ライト・スリーパー

1991年/アメリカ

P・シュレイダーの最高傑作

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shinakamさん

男性

総合★★★★☆ 80

ストーリー ★★★★☆80点

キャスト ★★★★☆80点

演出 ★★★★☆85点

ビジュアル ★★★★☆85点

音楽 ★★★★☆80点

ポール・シュレイダー監督・脚本による、とてもお洒落なNYの片隅に住む孤独な男の物語。
エド・ラックマン撮影、マイケル・ビーン音楽・アルマーニ衣装と申し分ないスタッフが腕によりを掛けた傑作で「タクシー・ドライバー」よりこちらの方がP・シュレイダーらしい出来。
主演はウィレム・デフォー。麻薬の売人をしながら人生を模索している寂しさを全身で表現している。競演陣もスーザン・サランドンを始め、ダナ・デラニー、シュライダー夫人のメリー・ベス・ハートなど豪華な女優達に囲まれて、デフォーを盛り立てていて、なかなか拾い物の映画だ。


『カンバセーションズ』 80点

2007-03-01 13:59:59 | (米国) 2000~09 

カンバセーションズ

2005年/アメリカ

リアルに大人の女を描いたラブ・ストーリー

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shinakamさん

男性

総合★★★★☆ 80

ストーリー ★★★★☆80点

キャスト ★★★★☆85点

演出 ★★★★☆80点

ビジュアル ★★★★☆80点

音楽 ★★★★☆80点

ハンス・カノーサ(監督)とガブリアル・ゼヴィン(脚本)の2人が、大人のラブストーリーをリアルに描いている。
10年ぶりにウェディング・パーティで再会した男(アーロン・エッカート)と女(ヘレナ・ボナム=カーター)が過ごした数時間の物語。現在と過去・現実と想像を「デュアル・フレーム」方式で表現することで、男女の人生感が明確化されてゆく。
最近売れっ子のA・エッカートが少年のような眼差しで一直線な演技。男ならこの言動は良く理解できる。
対するH・ボナム=カーターは、過去を懐かしむがあくまで今を大切にする微妙な女心を緻密に演じ切っている。どうみても同い年には思えないが、ぽっくりお腹を堂々と出すリアルな演技も、決して美しく厚化粧していないところがいい。ベッド・インの後にシャワーを浴び、ヘアドライヤーを当てるシーンなどはリアルな心境を表していて秀逸。
殆ど2人の絡みだけでこれだけ起伏のあるドラマになったのは、シャレた台詞がKEYになっているからだろう。パリで大ヒットした原因が分かるような気がする。