晴れ、ときどき映画三昧

映画は時代を反映した疑似体験と総合娯楽。
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『レ・ミゼラブル』 80点

2013-01-14 16:16:01 |  (欧州・アジア他) 2010~15




レ・ミゼラブル


2012年/イギリス






涙しない自分に?エポニーヌとテナルディエ夫妻に拍手!





プロフィール画像

shinakamさん


男性






総合★★★★☆
80



ストーリー

★★★★☆
80点




キャスト

★★★★☆
80点




演出

★★★★☆
80点




ビジュアル

★★★★☆
85点




音楽

★★★★☆
85点





1985ロンドンで初演以来27年間上演されているミュージカルをもとにキャメロン・マッキントッシュ製作による完全映画化。パンひとつ盗んだだけで19年獄中生活を余儀なくされたジャンバルジャンの話は、ミュージカルファンでなくても世界中に知られている。原作であるヴィクトル・ユゴーの長編小説は、19世紀前半のフランスを舞台に格差と貧困に苦しむ観衆が解放を求めようとする物語。ジャンバルジャンを通して<法と善>の葛藤を描いて、キリスト教の精神である自己犠牲による愛の崇高さを説いている。
監督に起用されたのが、「英国王のスピーチ」でオスカー受賞のトム・フーバー。全編歌で流れる台詞は口パクではなく撮影現場での同時録音という従来のミュージカル映画の常識を打ち破った画期的な撮影手法を採った。それが長所でもあり短所でもあった。
長所は俳優の演技がとても感情豊かで歌唱が演技の邪魔をしないこと。ジャンバルジャンを演じたヒュー・ジャックマン、ジャベールを演じたラッセル・クロウ、ファンティーヌを演じたアン・ハサウェイは期待に応えた素晴らしい演技で証明してくれている。短所は歌のレベルが舞台には程遠く、アップでの表情がリアルすぎて美しくないこと。エポニーヌを演じたサマンサ・バークスの本物感が際立っていた。
もちろん贅沢な注文であることは百も承知で映画ならではの映像のダイナミックさは舞台では出せないし、溢れる感情を大画面で味わえる素晴らしさもある。あちこちですすり泣きも聞こえるほど感動的場面も何箇所かあったにも関わらず涙しない自分がいた。もともとミュージカル好きではないが、今まで観たミュージカル映画のなかで本作は出来が悪いとは思えない。158分の長さの割に後半が若い2人のラブ・ストーリー中心のせいだろうか?
もっとも盛り上げてくれたのがテナルディエ夫妻を演じたサシャ・バロン・コーエンとヘレナ・ボナム=カーター。とくにヘレナは前作「英国王のスピーチ」の淑やかさとは正反対の人間味溢れる?欲深い女ぶりがお見事。コゼットの少女時代を演じたイザベル・アレン、ガブローシュ少年を演じたダニエル・ハルストーンにも拍手を送りたい。
フランス人が演じたフランス語の芝居という過去の印象を拭えないまま、全編英語で謳われたさまざまな愛の物語が中心のミュージカルについて行けなかったのかもしれない。







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