・ 国家への忠誠心と軍人の誇りとは?をテーマにしたフリードキン監督。
「エクソシスト」以来沈黙していたウィリアム・フリードキン監督が、久々にメガホンを取った法廷サスペンス。トミーリー・ジョーンズ、サミュエル・L・ジャクソンの両ベテラン俳優による友情物語でもある。
戦争に関わる法廷劇では「戦火の勇気」「将軍の娘 グレン・キャンベル」などがあったが、9.11以降作れなかった<イエメンの群衆殺害>が題材。原題を直訳すれば「交戦規程」となり、群衆は武装集団だったことを前提に先に発砲したのはどちらか?を法廷で裁くハナシに進んで行く。本作は、あくまで国家への忠誠心と軍人の誇りを前面に押し出し、ベトナム戦争以来の親友である2人の信頼関係を描いている。
<以下 ネタバレです>
国家の威信を賭けた裁判を命令した大統領補佐官(ブルース・グリーンウッド)や命を救ってもらったイエメン米大使(ベン・キングスレー)が、典型的な保身者であるのも皮肉な描き方である。若きエリート検事役・ビックス少佐(ガイ・ピアース)が、辛うじて法的追求をしてバランスを取っているが、二流弁護士のT・L・ジョーンズに敗訴するのは、如何にもハリウッドらしい。
アラブ人・ベトナム人の描き方があまりにも一方的で<アメリカの正義が世界のルール>であるというところが違和感を感じるが、星条旗に命を賭ける軍人は英雄なのだ。
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