ギルティ 罪深き罪
1993年/アメリカ
エンディングの安易さがモッタイナイ
shinakamさん
男性
総合 70点
ストーリー 70点
キャスト 70点
演出 75点
ビジュアル 75点
音楽 70点
「十二人の怒れる男」(57)で監督デビューした法廷劇の巨匠シドニー・ルメットが演出したサスペンス。
レベッカ・デモーネイ扮する辣腕女弁護士ジェニファーが、ドン・ジョンソン扮する依頼人デイヴィッド・グリーンフィルの裁判に関わり、秘密保持や倫理規定に縛られ、危機に陥るサスペンス。
非ハリウッドの旗頭として長年NYを舞台にした社会派として80年代初頭まで次々と話題作を演出し続けてきたルメットも、その後は力量を持て余し気味で本作も往年の切れ味がない。原因はB級サスペンスを得意とするラリー・コーエンのシナリオにある。B級必ずしもダメだとは思わないが、ルメットのような骨太な演出家にはそぐわなかった。
それでも中盤まではどのような展開を見せるのか興味を持たせてくれたのはこの監督の底力か?残念だったのはアクション・サスペンスと紛うエンディングの安易さで、肩すかしをくらった感じ。
主演のR・デモーネイは「揺りかごを揺らす手」で印象深い演技派だが、弁護士役のイメージが合わなかったのかインパクト不足。相手役のD・ジョンソンは本作では最も重要な役柄。TV「特挿刑事マイアミ・バイス」シリーズで売り出したが冷酷な2枚目役の本作では可もなく不可もなくという感じ。のちの「刑事ナッシュ・ブリッジス」で再び刑事役で名をあげたが私生活では不倫が原因で妻メラニー・グリフィスと2度も離婚したように本作の役柄が似合うハズ。私生活と演技は必ずしも一致しないということを証明。
昨年没したルメットは晩年まで監督を続け、21世紀に入っても精力的に映画製作に携わったが往年の名作には及ばず本作もそのひとつ。
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