晴れ、ときどき映画三昧

映画は時代を反映した疑似体験と総合娯楽。
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『渇いた太陽』 80点

2010-07-16 10:56:42 | 外国映画 1960~79

渇いた太陽

1962年/アメリカ

欲を追い求める人間の虚しさと愚かしさ

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shinakamさん

男性

総合★★★★☆ 80

ストーリー ★★★★☆80点

キャスト ★★★★☆85点

演出 ★★★★☆80点

ビジュアル ★★★★☆80点

音楽 ★★★★☆80点

「欲望という名の電車」のテネシー・ウィリアムズの戯曲「青春の甘い鳥」をリチャード・ブルックスが脚色・監督、<夢と愛を得ようとする青年を描いた>人間ドラマ。
ハリウッドで成功を夢見る青年チャンス(ポール・ニューマン)は、若さと美貌に絶望した女優アレクサンドラ(ジュラルディン・ペイジ)を車に乗せ、生まれ故郷ホームタウンST.へ帰ってきた。そこには彼の恋人ヘブンリー(シャーリー・ナイト)が待っていたはずが...。
ブロードウェイで演じたというP・ニューマンとG・ペイジの立場が何度も逆転するさまが、欲を追い求める人間の虚しさとして赤裸々に描かれ、一番の見どころ。
物語は故郷でのチャンスがどのような存在であったかがメインとなってゆく。父親ボス(エド・ベグリエ)の権力の犠牲者である娘が恋人だったことで、彼の居場所がなくなっていた。<ひき潮>のメロディとともに、夢と愛の両方を得ようとするチャンスの野望の行方は?
チャンスとアレクサンドラ、チャンスとヘブンリー、2つが交錯するドラマは原作の持つ毒がないせいか、出演者の熱演にもかかわらず胸に迫るものがない。
G・ペイジがのちにオスカー女優として評価されるが、ノミネートされたこの作品がもっとも受賞に値するのでは?ボスのE・ベグリエが、権力・名誉を手に入れた挙句、もっとも愛するものを失う人間の愚かしさを演じ、同助演男優賞を受賞。P・ニューマンは適役だが、2人の好演に喰われてしまい、アンバランスとなってしまったのは皮肉なことだ。



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