晴れ、ときどき映画三昧

映画は時代を反映した疑似体験と総合娯楽。
マイペースで備忘録はまだまだ続きます。

『マイティ・ハート/愛と絆』 80点

2007-11-29 11:51:30 | (米国) 2000~09 

マイティ・ハート/愛と絆

2007年/アメリカ

A・ジョリーの慟哭と唸り

プロフィール画像

shinakamさん

男性

総合★★★★☆ 80

ストーリー ★★★★☆80点

キャスト ★★★★☆85点

演出 ★★★★☆80点

ビジュアル ★★★★☆85点

音楽 ★★★★☆75点

マリアンヌ・パールの体験(パキスタンでのジャーナリスト誘拐事件)をもとにした原作をブラッド・ピッドがプロデュース、パートナーでもあるアンジョリーナ・ジョリーが主演した話題作。
ウォール・ストリート・ジャーナルの記者ダニエル・パール(ダン・ファターマン)と仏ラジオ局記者のマリアンヌ夫婦は9.11後もパキスタンに残って取材を続ける。人道主義者・ジハル師のインタビューの夜、何者かに誘拐されてしまう。妊娠5ヶ月の身でありながら気丈に振舞うマリアンヌと救助に尽力する友人・同僚・パキスタンテロ対策リーダー(CID)・米領事館外交保安担当・FBI達の30日間。
ハンディ・カメラを駆使、アドリブOKのまるでドキュメントのような映像が、緊迫感を増して行く。映画には珍しく、順を追って撮影することによって出演者の演技が高まって行くのが良く分かる。「グァンタナモ、僕達が見た真実」のマイケル・ウィンターボトル監督の面目躍如。
終盤で画面を圧倒するA・ジョリーの慟哭と唸りが凄い。夫のD・ファターマンは「カポーティ」の脚本家として有名だが、優しいマスクがこの役にぴったり。ほかにデニス・オハラ、ウィル・パットンなど地味ながら抑えた演技がリアル感を醸出している。
ただ政治・宗教が複雑に絡み合う背景を予め理解していないと、単なる誘拐事件とカラチ雑踏の猥雑さだけが目障りな映画となってしまう。
それに主人公の<憎しみ・復讐は解決にならない>というジャーナリストとしての視点が素晴らし過ぎて、家族を失うかもしれない恐怖感は綺麗ごととしてしか写らなかったのは、実際の出来事だけに止むを得なかったのだろう。
「ET」「ジュラシック・パーク」の名門配給会社UIP最後の作品でもあるのも感慨深い。



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