晴れ、ときどき映画三昧

『リバー・ランズ・スルー・イット』 80点

リバー・ランズ・スルー・イット

1992年/アメリカ

良きアメリカを描いたR・レッドフォード

総合★★★★☆ 80

ストーリー ★★★★☆80点

キャスト ★★★★☆85点

演出 ★★★★☆80点

ビジュアル ★★★★☆90点

音楽 ★★★★☆80点

ノーマン・マクリーンの自伝小説「マクリーンの川」をロバート・レッドフォードが監督。彼が愛するモンタナの雄大で美しい風景をバックに繰り広げる家族の物語。
フライ・フィッシングの魅力とブラッド・ピットの出世作として印象に残る作品だが、'20年代の良きアメリカを愛おしむR・レッドフォードの映像作家としてのこだわりを感じる。淀川長治が「絵のごとく美しく、詩のごとく悲しい」と評したストーリーで、年老いたN・マクリーンの眼を通して兄ノーマン(クレイグ・シェイファー)と弟ポール(B・ピット)の確執と絆を回想する。
厳格なスコットランド出身の牧師である父(トム・スケリット)から教わったフライ・フィッシング。真面目で秀才だが不器用な兄と自由奔放な弟。兄は牧師かプロボクサー、弟はプロのフライフィッシャーを夢見ていたが違った道を歩んで行く。
アカデミー賞撮影賞を受賞したフィリップ・ルースロのカメラが、丹念にモンタナの映像叙事詩を捉えて離さない。とくにキャスティングの曲線の美しさをたっぷり堪能でき、フライを男の憧れのスポーツとして昇華させている。それは単なるスポーツというより<自然と自分を一体化する快感>を味わってみたい境地にさせてくれる。
兄はエリートとして後にシカゴ大学の教授となるが、父母からも愛される輝き美しい弟に嫉妬しながら見守るしかなかった。その美しさは姿形というより人間の魅力に対する賛美であろう。ブラピはこれを超える作品には巡り逢えていない。

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